chill 花びら

何もない空っぽの視界で
慌しく探し物
どこにあるのと声がして
僕は独り振り返る

暖かな陽気、少し歪んだ空気
違和感を孕んで漂う
今年の春は、なんだか違う
花粉も急ぎ足で舞い踊る

散る、散る、花びらが散る
早めの開花に僕は驚く
さよならの声は聞こえない
季節外れの風にかき消され

落ち着ける時を夢に見て
二度と戻らない日々
手を振る元気も奪われ
僕はまた独りきり

散る、散る、花びらが散る
慌しく春が過ぎてゆく
落ち着く、間もないまま
僕はまた歩き出す
花びらの散るこの世界を

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