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『劇場版 GのレコンギスタⅢ 宇宙からの遺産』は……はっきり言おう、最高に素晴らしい映画でした!

公開されたばかりの『劇場版 GのレコンギスタⅢ 宇宙からの遺産』、さっそく見てきました!

は~、素晴らしすぎる。最高すぎ。最高だよ……。
凄いよ、富野お爺ちゃん!

いきなりですが、是非、次の動画をご覧ください(ほんの数秒です)。

「爺ちゃん、がんばるぞッ!」

これですよ、これ!
全編にわたり、この富野お爺ちゃんのエネルギーがみなぎり、迸っている! そんな104分間だった。凄すぎる。

本当に面白かった。こんな映画あるか? おそらく世界広しといえども富野由悠季にしかできないであろう芸当を見せつけられた。とにかく凄かった。

どんな映画なの?

以下の30秒予告動画を見ると「どういう雰囲気の映画なのか?」を感じとってもらえると思う。この予告動画は凄く良くできていて、Gレコの雰囲気をしっかりと伝えてくれる。

Gレコを知らない人はこれを見て「え、これって本当にガンダム……?」って感じるかもしれない。スラップスティックさを感じさせる賑やかさが溢れている! それこそがGレコの特徴なのです。

なお、もっと長いバージョンの予告はこちらから見れます。

宇宙世紀ではない!

ガンダムといえば「宇宙世紀ダブルオーセブンティナイン……地球から最も遠い宇宙都市サイド3はジオン公国を名乗り、地球連邦政府に独立戦争を挑んできた。この一ヶ月あまりの戦いで、ジオン公国と連邦軍は総人口の半分を死に至らしめた。人々はみずからの行為に恐怖した……」みたいなナレーションが印象的な「宇宙世紀の物語」という認識の人が多いと思いますが(※独自研究)、Gレコはそうではありません。宇宙世紀の遥か遥か遠い未来、リギルド・センチュリーを舞台にしています。

ガノタ(ガンダムオタクの略)といえば宇宙世紀が大好きで(僕も大好きだけど)、いまだにユニコーンだとか、閃光のハサウェイだとか、宇宙世紀の残り香がするものばかりが大好きで、そればかりを追い求めている。

でもね、あえて言いたい。あなた方はいつまで宇宙世紀という重力に魂を縛りつけ続けているんだ、って話ですよ。富野由悠季はもっと先を行ってるぞ! 今年の11月で80歳なのに! お前らもついてこい! と言いたくなる! (劇場版を見たばかりで妙なテンションになってます)

実際、同時期に公開された「閃光のハサウェイ」と「Gレコ」は興味深いぐらいに対称的です。

絵作りはハサウェイがリアル指向なのに対して、Gレコはまさしく「アニメ!」という絵作りになっている。特にモビルスーツの挙動に特徴があり、Gレコのモビルスーツは立体的な戦闘描写のなかで、少年漫画よろしく見栄を切ったりもする! 

そして両作とも「限られた資源への危機感」が根底にある世界観は共通でありながら、ハサウェイの物語は深刻ぶっていて孤独で、主人公の破滅へと向かって突き進んでいくのに対して、Gレコは底抜けに明るく、深刻ぶらず、そして若々しい前向きさに溢れている! (あ、念のため。僕はハサウェイも好きですよ!)

徹頭徹尾、テンションが止まらない!

そしてGレコⅢの特徴がこれです。

ノンストップ。

冒頭、開始数秒でバカバカしいほど凄まじい情報量が飛び交いはじめ、「なんだなんだ!?」となるんだけど、そのテンションはまったく止まらず、めまぐるしく事態は動き続け、中だるみ? そんなもんねーよ! という勢いで事態は進行し続け、気がつくと圧倒的情報量のシャワーを浴びせられ続け、それが快感へと変わり、その間もキャラクターたちは賑やかによくしゃべり、速射砲よろしくセリフセリフセリフ、そして富野独特の説明ゼリフががんがんに飛び交い(物語が超絶に圧縮される!)、凄まじいリズムを刻んでセリフにセリフが被りまくり、その背後では他の誰かやモブたちが賑やかに動いている! 気がつくと敵が味方になり、また敵になり、くっついたり離れたり、めまぐるしい戦闘があり、超兵器が炸裂し、あれよあれよという間に主人公たちは宇宙の遥か彼方へと旅立っていくことになるのだ!

本当に凄い。これを破綻させることなくテンションを途切らせることなく違和感もなくシームレスに展開し続ける。これはちょっと他にはない体験で、富野由悠季、マジですげーなと思った。すごすぎ。

このノンストップ展開、なんだか中毒性がある。実際、早くももう一度、劇場で見たい気分になっている。たぶん見ると思う。というか見るでしょう。

前作ⅠとⅡは「テレビ版よりわかりやすくなったな」「楽しいな」「よくできてるな」という感想だったんですけど、このⅢに関しては声を大にして「最高!」と言いたくなる! すげーよ。

新作カットがよい!

上のツイートで書いているとおり、テレビ版から別物というぐらい変わっているGレコⅢですが、編集の妙もさることながら、新作カットも素晴らしい。特に中盤のノレドの振る舞い、あとマッシュナーロックパイの関係性など、キャラクター造詣に厚みと深みが増し、特にノレドに関しては「男前……!」と思ってしまうほどよかった。

結論:富野由悠季おじいちゃんは凄い、最高!

本当に凄い。104分間の富野シャワーを浴びた気分になる。これはいったいなんなんだろう、という。神がかっている。このテンポ感の映画を80歳になろうという年齢で出してくる。そしてハサウェイとほぼ同時に公開というのも運命的で、過去の富野と現在の富野を照らしだしている感がある。

そしてこんな時代だからこそ、過酷な状況を前にしても圧倒的に明るく屈託のない、前向きな物語を提示する! さすがだよ、富野由悠季! 心から感動している……!

あっと、大事なことを書き忘れていた……。エンディング。エンディングがまた最高によかった。めちゃくちゃキャラクターへの愛を感じてしまう。いいもの見たな、という気分にさせられるエンディングでした。

おまけ:前回までの感想

【おしまい】

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