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【ITの教科書】1-1. 情報の特性と問題解決 - 情報I 情報社会の問題解決

高校で学ぶ「情報I」に準拠した内容で、ITの基礎を学べる連載講座。今回は、「データ」「情報」など、何となく使いがちな言葉の意味や、情報を整理して問題を解決する手順について解説します。

情報とメディアの特性

データ・情報・知識

「データ」と「情報」は、同じ意味で使いがち

事象や現象を数字や文字などで記号化したものをデータ、意味や価値が付加されたデータやメッセージを情報と言います。さらに、得られた情報を分析して蓄積したものが知識です。但し、一般にはデータやメッセージ、知識もふくめて情報という言葉が用いられる場合もあります。

情報の4つの特徴

情報には、4つの代表的な特徴があります。

  1. 形がない

  2. 消えない

  3. 簡単に複製できる

  4. 容易に伝播する

メディア

情報には「形がない」ことから、情報のやり取りには媒介するものが必要となります。このように、表現、伝達、記録などの情報のやり取りを媒介するものをメディアといいます。

表現手段としてのメディアには、文字・音声・静止画・動画などの表現方法があります。事象や事実を伝えるには静止画や動画が、明確な意図を持ったメッセージを伝えるためには、文字・音声が良く用いられるなど、私たちは目的に合わせてメディアを使い分けています。

郵便、電話、新聞、インターネットといった伝達手段としてのメディアについても、私たちはメディアの特性を意識して、伝えたい相手や状況に応じた使い分けを行っています。

同様に、情報の記録のためのメディアにも、容量や手軽さ、対応する情報機器などにより使い分けられています。

問題解決の流れ

問題と課題

問題という言葉は「あるべき理想の姿と現実とのギャップ」や「解決や解消を必要とする状況」という意味で用いられています。問題は、「ロッカーの鍵を忘れやすく困っている」のように、自らゴールを設定する必要があったり、そこに到達する手段が分かっていなかったりする場合を指すことが一般的です。

その一方で、「特定の機能を持つプログラムを指定した言語で作成する」のように、ゴールやそこに到達する手段が既に分かっているものは、課題と呼ばれます。

問題解決の手順

問題解決は、次のような手順で進めます。

  1. 問題の発見:理想の姿と現実のギャップを認識する簡単に複製できる

  2. 原因分析:ギャップの原因=課題を探る

  3. 計画(Plan):課題を解決する方法を考える

  4. 実行(Do):計画した方法を実行する

  5. 振り返る(Check):理想の姿と現実のギャップを確認する

  6. 次の問題解決へ(Act):残っているギャップの原因を探る

  7. →3に戻る

特に、3~6のプロセスをPDCAサイクルと呼びます。

情報の可視化

情報の可視化と創出

問題解決のためには、様々な情報を収集・分析することが必要です。そのためには、目に見えないアイデアや考えなどの情報を可視化することが重要となります。情報を可視化する方法のうち、言葉に表現することを記号化といいます。

ブレーンストーミング

アイデアを生み出すうえでよく用いられる手法としては、A・F・オズボーン氏の考案したブレーンストーミングと呼ばれるものがあります。これは、アイデアを思いついた順に言葉で書き出して、問題解決に必要となりそうな情報・解決策の案をたくさん集める手法です。

ブレーンストーミングをするときは、より革新的なアイデアをひらめくためのルールを決めます。

  1. 質より量:アイデアの良い悪いは問わず、とにかくたくさんのアイデアを出す

  2. 制約を設けない:テーマに関係しそうなことならどんな奇抜な発想でも受け入れる

  3. 便乗の奨励:他人の意見を参考にさらに発想を広げるアイデアも歓迎する

  4. 批判の禁止:批判すると相手が萎縮してしまい発想の範囲が狭まる恐れがある

アイデアの整理

このようにして得られたアイデアを整理し可視化する有効な手法としては、以下のようなものが有名です。

  • KJ 法:類似のアイデアをグループにまとめる方法

  • コンセプトマップ:関連するアイデアを線でつないでいく方法

  • ロジックツリー:アイデアを分解して細分化していく方法

このほかにも、フレームワークと呼ばれる、特定の問題・課題に特化した整理手法もあります。代表的なフレームワークには、SWOT、3Cなどがあります。また、数値などの情報をわかりやすく表現する手段として、マトリクス表の作成やグラフ化といった方法もあります。

問題解決と振り返り

問題解決は、結果と理想を比較して改善点を考え、また次の問題解決につなげていくことが重要です。情報発信により他者からフィードバックをもらうことは、振り返りの一つの大きな機会となります。


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