アカヤシオ__6_

植物の魅力

アカヤシオって知ってますか?

写真のようなピンクのお花が咲くのは4月中旬~5月上旬。
ツツジ科で樹木に花がつきます。

あぁ、きれいだなぁ~。

こんにちは。
花や植物には全く関心のない、名ばかり植物園園長です。

前回の記事で、簡単に自己紹介と言いますか、置かれている状況をつらつらと綴りました。今回はその続きです。

お花ってもんは、見ても聞いても覚えられない、そもそも見つけられない、やっとのことで覚えた時には枯れているなど、まったく厄介なもんです。

4月に着任し2日間、園内の植物を英単語を覚えるかのように暗記しましたが、ポキッと心が折れる音が聞こえ、やめました。元々暗記は苦手です。

そんなこんなで、着任して数週間が過ぎたある日の雨上がり、園内を散歩がてらテクテク歩いていると目に飛び込んできたのは、前述にある「アカヤシオ」の散った花びらたち。地面にはピンク色の絨毯が広がっており、見上げると一昨日までは綺麗に花をつけていた木々がまる禿状態に。

衝撃的でした。
え?たった2日で景色まったく違うやん…。

なんていうか、これが自然か~って。そんな気持ちに襲われました。
(後で得た知識ですが、樹木のお花は雨にめっぽう弱いそうですね、桜が良い例です。)

2日前にお客様からの電話問い合わせで、アカヤシオ見れる?のクエスチョンに、はいっ!と何の気なしに勢いよく答えたことを思い出す…。

あのお客様は、お花が落ちる前にご来園いただけたのでしょうか…。


なぜか、こんな些細なことが、私の植物に対する考え方を変えた瞬間でした。少なくとも、無関心な気持ちは取っ払われました。

植物にとって、花が咲く時期が輝かしい時期なのかは不明です。
もしかすると、人間の妊娠時期同様、激しい悪阻や陣痛みたいな現象が起きているのかもしれない。老朽化により身体の節々がとっても痛む時期なのかもしれない。苦しい時期なのかもしれない。

だから、あくまでも人間目線で物申しますが、「花」が咲いている最も綺麗に見える時間のかけがえのなさ、儚さ、かたちあるものが朽ちる瞬間、これを五感すべてで感じ取れる身近な存在。植物、ええやん!って。

元々自然が好きで、外で遊ぶのが日常だった私ですが、季節の移ろい、景色の変化なんかはあんまり意識したことがありませんでした。植物を通して、そういった「かけがえのないもの」に目を向けるのも、また一つありだな~。

ちなみに、お花が散ってしまった後のアカヤシオ。
死んでしまった(枯れてしまった)かのように見えた木々ですが、季節が2歩進むとこんな感じに。

写真 2019-11-02 13 09 23

植物、生きているんだなぁ~。心からそう思うことができました。

…と、まぁ物思いにふけておりますが、植物が枯れたらすっかり忘れてしまう私です。燃ゆるような赤色の葉がついたアカヤシオを指さし、植栽担当にあの植物なに~?と尋ね、教えてもらったのはナイショ。

あぁ、植物園 園長の道は険しいなぁ~



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