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大須クリエイトスペースの想い出



2023年2月16日。うさみクリエイトで、1周年パーティが開催されました。
うさみクリエイトは、名古屋の東区にあるデザイン事務所です。
基本的には略して"うさクリ"と呼ばれています。
うさクリは、うさみさんというデザイナーの事務所兼作業場になるのですが、プロアマ問わずクリエイターさんが作業できるような環境を提供するコワーキングスペースとしての側面もあります。もちろんですが、1周年パーティなので、一年前に営業が始まりました。

私は、日常的にうさクリを利用しているわけではありませんが、うさみさんとはご縁があるので、日頃の感謝を込めて顔を出しに行きました。

お寿司を注文して、みんなで談笑しながら、日常的な事やこれからの事など、世間話をして過ごしました。パーティと言っても、大きな催しではなく、顔なじみの友人たちとの食事会という感じでした。

今回は、折角の機会なので、うさみさんや、うさみさんの運営していたコワーキングスペースについて、いろいろ想い出を書こうかと思います。

うさみさんについて

少し大袈裟な言い方になってしまいますが、うさみさんは、私の生き方に影響を与えてくれた人だと思っています。

「クリエイターのみんなが集まれる場所作り」という、シンプルながらなかなか難しい目標を、淡々とこなして少しずつ実現していく根気と熱意には素直に感服しています。

当初は、私が人見知りということもあり、怖い印象がありましたが、
黙々と仕事に集中していて声をかけづらいだけで、話をしてみるとすごい気さくな方です。ユーモアもあり、ちょっと物騒なきわどい事を言ってもニコニコ笑ってくれる懐の深い方です。

デザイナーやクリエイターというと、気難しそうだったり我が強そうだったり、勝手な先入観を持っていましたが、うさみさんにはそういうのが無いので、純粋に人格面でも尊敬しています。

おークリ

私とうさみさんの縁は、おークリからはじまります。
おークリは、大須クリエイトスペースの略称で、2018年8月から、うさみさんが運営していたコワーキングスペースのことです。
愛知県名古屋市の中区大須にありました。
模様替えをしたり、別のテナントに移転をしたりしながら、長いこと続いていましたが、今から約1年前、2022年1月31日をもって閉店しました。

私がおークリの事を知ったのは、2018年の秋頃だったかと思います。当時29歳で、今まさに30代に足を踏み入れようとしている頃、人生についていろいろ考えていた時期です。俗に言うクォーターライフクライシスというやつだと思います。よくある話だとは思いますが、とりあえずどこでもいいから知らないコミニュニティに飛び込んでみようと思って見つけたのがおークリでした。

どうやって見つけたのか覚えていませんが、当時働いていた大須の職場から、会社帰りに寄り道できる場所を探してネット検索などしていたのだと思います。今にして思えば、職場のすぐ近くにおークリがあった事は偶然にしてはよくできた奇跡だったかと思います。距離が遠かったら、足を運ぼうとすら思わなかったでしょうから。

おークリに行ってみて・・・

おークリという場所がある事を知ったとはいえ、わからない事だらけ。そこで参考になったのは、うさみさん自身がおークリについて書いていたnoteの記事でした。

この本文の中で謳われている理念に強く共感し、応援したい気持ちが沸いてきました。当初は、まだ明確に"応援"とまでは考えていなかったかもしれませんが、なんだか面白そうだから、この場所を盛り上げるために何かできないかと少なからず思っていたことは確かです。

何故なら、おークリのような場所を求めていたのは他でもない私自身なので、他にも自分のような需要が眠っているような気がして、こういう場所がもっといろんな人に広まれば、みんなが楽しくなるんじゃないかと思ったからです。

とりあえず見学という形で顔を出してみて、その時店番をしていたうさみさんに、おークリがどんな場所なのかいろいろ聞いてみましたが、やはり実際に利用してみないことにはわからないので、週一ペースで通ってみることにしました。
あの時は外出先で作業をする環境がまるで整っていなかったので、ノートパソコンとペンタブレットをカバンに詰めて電車で移動していました。ノートパソコンといえども持ち歩くには重たい代物なので結構な重労働だし、どちらかと言えば家の方が作業に必要な資料が揃っているので、わざわざ大須まで出てくるのは却って不便だったのですが、あの頃はとりあえず動いてみなきゃはじまらないと思い、とにかくその場に行ってみる事を意識しましたが、結局のところ長続きはしませんでした・・・。

イベント参加

おークリでは定期的に何かしらの催しがありました。

自分の描いたイラストを展示する会や、クリエイター同士の交流会、ただ集まってお菓子を食べながら談笑する会、お客さんが主催するワークショップなど多岐にわたります。

クリエイター同士の交流のためのコワーキングスペースとは言っても、接点が無い状態でのコミュニケーションは難しいものがあるので、こういった催しはありがたかったです。2020年にコロナ禍を迎えてからは、時勢的にこのようなイベント事も少なくなってしまいましたが、それ以前は最低でも月1回のペースで交流会やワークショップが開催されていました。私はどちらかと言うと、コワーキングスペースとしてのおークリよりは、交流の場としてのおークリの方に関心があったので、イベントにだけはなるべく参加するようにしていました。

ちょっとここで、私の印象に残っているイベントを紹介しましょう。

・キャラスペ


開催期間:2019年6月15日(土)〜 7月15日(月)

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オリジナルキャラクターのイラスト展示会です。当初、人数制限として8名分くらいの枠があったはずなのですが、参加者が少ないということで、賑やかしの為に1枚投稿してみました。最終的に3名の参加ということで、ちょっと寂しくなってしまいましたが、どれも異なる作風だったので、見栄えはよかったかと思います。1ヶ月間の展示でしたが、この展示物があると、交流会の時に「これが私の絵です」と指さすだけで自己紹介になるので、とても助かりました。

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これが私の投稿した作品です。過去に描いたものを引っ張り出しても良いということだったので、指定のサイズに合わせて編集したものを展示してもらいました。

・ガレージキット組み立てミニ講座

開催日:2019年10月5日(土)

・ガレージキット組み立てワークショップ

開催日:2019年12月7日(土)

Arataさん主催のワークショップです。Arataさんはレジン制の組み立てフィギュアを自作してホームページやイベントで販売している方ですが、このワークショップでは、そのフィギュアを直接購入し、レクチャーを受けながらみんなで組み立てる内容となっていました。2回開催されましたが、最初の1回目が楽しくて、2回目も参加しました。いつも和気藹々と盛り上がるし、イベント後にはその場の勢いで飲み会まで開催されたりと、非常に充実した回だったのをとてもよく覚えています。私はプラモデルやフィギュアなど、立体物を触って遊ぶのが好きなのですが、そういう趣味を持っている方にはたまらないイベントだと思うので、今後開催されることがあれば、是非オススメしたいイベントだと思っています。

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これは、イベント当日に購入し、制作したフィギュアです。成形した時にできたバリを削ったり、表面のザラ付きを削って仕上げたりと、質感を整えるのが面白かった記憶があります。
そういえば、このフィギュア。クリエイター界隈で大変人気があったようで、模型メーカーさんからミニプラモデルとして発売もされていましたね。

・ハロウィン展

開催期間:2020年10月10日(土)~2020年10月25日(土)

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あやにゃんさん主催の展示会です。ハロウィンをテーマにしたイラストを投稿して展示してもらえるというものです。私はハロウィンという題材がとても好きなので、告知を聞いた瞬間から楽しみでした。魔女のトンガリ帽子は、イラストとして描くときにオーバーサイズに描けば描くほどサマになりますし、紫とオレンジのツートンカラーなどは着色するのがとても楽しいです。怖さの中に可愛さもあるジャックオーランタンも大好きです。

2週間程の短い期間でしたが、開催中のおークリは、所狭しと装飾が施され、とても賑やかになっていたと記憶しています。

私もイラストを3点投稿しました。私のイラストは、本来のハロウィンというモチーフにとらわれ過ぎており、絶対にジャックオーランタンを絵の中に入れるとか、配色は絶対にオレンジと紫(またはそれに近い色)を入れる、とか凝り固まったものになってしまいましたが、他の方のイラストをみると、結構自由な発想で描かれており、どちらかと言えば、昨今の仮装パーティの文化に寄せた作風で、実はこれくらい遊びを入れてもよかったのかと関心しました。

ここで紹介したイベントは、作品展示やワークショップといったクリエイターらしい内容のものを抜粋する形になりましたが、他の食事会イベントも和気藹々としておりとても楽しかったです。

イベントの時だと、黙々と作業しているうさみさんもお話モードになるので、声もかけやすかったですし、何回か顔を出して行くにつれ、知り合いもできました。全く会わなくなってしまった人もいますが、今でも関係の続いてる方もいて、嬉しい限りです。

おークリのお引っ越し

おークリが縁で、新しい出会いもありました。
食事会の時に集まった参加者の方が普段遊びに行っている場所やお店など、
情報を貰ったらなるべく行くようにしていました。

私が日常的に気まぐれでイベントレポートを書いているイベントバーエデン名古屋も、最初にその名前を知ったのはおークリでした。
当時はまだエデン名古屋は大須ではなく新栄の方にあったので、大須の職場で仕事を終えてから、歩いて新栄まで向かって遊びに行っていました。
イベントバーはとても刺激的でした。飲食店であるにも関わらず、毎日違う催しが開催されており、とにかく刺激的でほとんど入り浸っていました。

そんなこんなでいろんなところに足を運んでいるうちに、エデン名古屋が大須に移転すると同時に、おークリと一体化するという情報が入りました。
昼はコワーキングスペースとして、夜はイベントバーとして営業するということで、なかなか面白い試みだと思いました。何より、おークリとエデン名古屋が両方好きだった私にとっては願ってもいない話でした。

エデン名古屋がオースランドに移転する前日は、スタッフもお客さんも総出で内装を整備したり、荷物を運んだりして楽しかったですし、当日は当日でおークリの荷物をエデン名古屋に運んできたりして、これから色々面白いことをやっていきたいという気持ちにあふれていました。

エデン名古屋で開催しずらかったクリエイターイベントも、おークリの設備を使うことで、より充実したものにすることができました。コワーキングスペースの近くにイベントバーがくっついているという仕組み上、イベント目当てで遊びに来たお客さん創作活動をしない方に興味を持ってもらえたり、その逆にクリエイターの方がイベントバーに興味を持ったりと、相乗効果が発生して、うさみさんが目指しているものがより一層実現できるんじゃないかとも考えたりしました。

それになりより、ちょっと嬉しかったのは、うさみさんがおークリで作業する傍ら、イベントバーに遊びに来たお客さんとお話をしたりしていたのが、楽しそうだったなぁ、というところです。いつもおークリで一人で黙々と作業していて、ちょっと気の毒に感じていたところもあったので、個人的には嬉しかったです。

おークリの閉店~うさクリの誕生

エデン名古屋とおークリが一緒になって、とても楽しい時間を過ごすことができましたが、それも長くは続きませんでした。なんと、おークリが閉店するという発表があったのです。
想い返せば、おークリがたまたま職場の近くにあったからこそ、今までいろんな体験ができたということもあり、閉店の報せを聞いた時はかなり凹んでいた事を覚えています。

詳細はうさみさん自身のnoteでも触れられていますが、利用者が思っている以上に運営が大変だったようで、こればかりはいたしかないと言うか、むしろここまで好き放題やれる場所を用意してくれたことに対する感謝の気持ちが大きいです。

さて、おークリが閉店して寂しさもひとしお、しばらくするとうさみさんの個人事務所うさクリ(うさみクリエイト)の運営がはじまりました。

うさクリが、クリエイターに作業環境を提供していることは最初に書いた通りですが、コワーキングスペースであるおークリが閉店したとしても、クリエイター同士が繋がれる場所を作りたいという理念を無くさず、残し続けてくれていたのだということがわかって、嬉しかったです。
おークリが閉店してしまった寂しさは、その瞬間には無くなっていました。

おークリがあった頃のように、うさみさんと頻繁に会う事はなくなりましたが、エデン名古屋に行けばたまに顔を合わせるし、うさクリで食事会があれば顔を出すようにしているので、こんな感じで末永くやりながら、一緒に歳をとっていけたら、というのが今の気持です。

少し長くなりましたが、おークリやうさクリについての想い出話を終わりたいと思います。

記事を書くにあたって、いろいろ思い返してみましたが、おークリで過ごした時間は、思い出に現実味が無いくらい、本当に夢のように楽しかったです。

こんないい想いをさせてもらったのも、うさみさんのおかげですが、
その分、自分は何かをやっているかというとそうでもないので、本当に些細なカタチですが、何かイベントを開いたり、エデン名古屋やうさクリを利用している方に声をかけたりして仲良くなったりして、人と人が繋がれる場所作りをお手伝いしていきたいと思います。

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