山口周

慶應義塾大学文学部哲学科、同大学院文学研究科修了/電通、BCG等を経て、現在は独立研究…

山口周

慶應義塾大学文学部哲学科、同大学院文学研究科修了/電通、BCG等を経て、現在は独立研究者・著作家・パブリックスピーカー/世界経済フォーラムGreat Narrative Initiativeメンバー/J-WAVE番組ナヴィゲーター/一橋大学・神山まるごと高専他の教員/ピアノ弾き

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こんにちは皆さん、山口周です。 このサークルでは、わたくし山口周の日々の研究活動から得られた仮説や発見を共有したり、あるいは現在進行形の著作のプロットや書きかけの原稿を開示して意見を交換するような「仮想空間上の研究室」のような場所にしたいと考えています。 SNSには投稿しにくい初期段階の考察や、作成途上の未完成の原稿も積極的に共有し、皆さんからのご意見を頂きたいと思います。 テーマとしては「経営科学と人文科学の交差点」を主軸に 1:これからのビジネスのあり方 2:これからの社会のあり方 3:これからのキャリアの考え方 を三つの柱としていきたいと思いますが、時事折々に合わせて様々なテーマについて発信していきたいと思います。 どうぞよろしくお願いいたします。

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「いつ?」という問題

新規事業やイノベーションにおいては「何を?(=WHAT?)」と「どうやって?=(HOW?)」と「誰が?=(WHO?)」という論点にフォーカスが当たりがちですが、実は いつ?(=WHEN?) という論点が、それら以上に重要です。 経営学やマーケティングでは、市場調査をやってニーズがありそうだったらやろう、ということになるわけですが、ニーズが顕在化するのを待っていたら手遅れになってしまう、ということもあります。 下図を見てください。これは日本におけるインターネットの普及率

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    • 聞き耳のリーダーシップ

      何をいまさら・・・と思われるかもしれませんが、あらためて。 私たちが生きている現在の社会は、とても変化の激しい時代です。例えば、私たちの生活を一変させたスマートフォンですが、アップルが初代iPhoneを市場に導入したのは2007年のことで、まだ17年しか経っていないのです。 さらに、いまとなっては「それなしで生きること」すら考えられないようになっているインターネットですが、インターネットの利用率が50%を超えたのは2000年のことで、いまからたった24年前のことだったので

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      • カラヤンを見てリーダーシップについて考える

        現在の日本では、さまざまな組織やコミュニティで「リーダーシップ」が問題になっています。 では、優れたリーダーシップとはどのようなものでしょうか。 今回は、まさにリーダーシップの発揮そのものが職業の核になっている指揮者について考察してみましょう。 題材は、20世紀を代表する指揮者、ヘルベルト・フォン・カラヤンです。 あらためて経歴を確認しておけば、生まれたのは1908年のオーストリア。若い時は不遇をかこった時代もありましたが、フルトヴェングラーが退任したのち、1955年

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        • 「見る力」について

          私たちは一般に「見る」ということをさも容易な行為のように考えています。しかし、本当に「見る」ということは、そんなに容易なことなのでしょうか。 ここで一つ、皆さんの「見る力」を測るために簡単な、そして大変有名なエクササイズをやってみましょう。知っているよ、という人はスキップしてもらって結構です。 エクササイズの内容は 6人の人物によるバスケットボールのパス回しを見て、うち3人の白いシャツを着た人物が出したパスの合計を数える というものです。 それではどうぞ! この動

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        • クリティカル・ビジネスの類型化

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          「いつ?」という問題

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          カラヤンを見てリーダーシップについて考える

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          現在の日本では、さまざまな組織やコミュニティで「リーダーシップ」が問題になっています。 では、優れたリーダーシップとはどのようなものでしょうか。 今回は、まさにリーダーシップの発揮そのものが職業の核になっている指揮者について考察してみましょう。 題材は、20世紀を代表する指揮者、ヘルベルト・フォン・カラヤンです。 あらためて経歴を確認しておけば、生まれたのは1908年のオーストリア。若い時は不遇をかこった時代もありましたが、フルトヴェングラーが退任したのち、1955年

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          「見る力」について

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          私たちは一般に「見る」ということをさも容易な行為のように考えています。しかし、本当に「見る」ということは、そんなに容易なことなのでしょうか。 ここで一つ、皆さんの「見る力」を測るために簡単な、そして大変有名なエクササイズをやってみましょう。知っているよ、という人はスキップしてもらって結構です。 エクササイズの内容は 6人の人物によるバスケットボールのパス回しを見て、うち3人の白いシャツを着た人物が出したパスの合計を数える というものです。 それではどうぞ! この動

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          「将来なりたい仕事」を考えることの危険性

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          最近、どんな職業なら今後も安泰なのか、といった論点に関して、様々な人が分析・予測されていますね。 こういった人たちには大変申し訳ない言い方なのですが、これらの予測はまず間違いなく外れるので、そういった予測にあまり振り回されないようにした方がいいでしょう。 なぜそのように断言できるかというと、二十年後には、労働人口のかなりの比率が「いまは存在しない職業」に就くことになるからです。 米デューク大学の研究者であるキャシー・デビッドソンは2011年8月、ニューヨークタイムズ紙の

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          「スジの悪い人間関係」の断捨離

          「スタンダード」に参加すると最後まで読めます

          これまで何度か、NOTEでは「スジの悪いシリーズ」の記事を挙げてきました。 ということで、今回は「スジの悪い人間関係の断捨離」という、いささか不穏なテーマで考えてみたいと思います。題材になっているのは、ポジティブ心理学の開祖であるエイブラハム・マズローによる研究です。 自己実現した人は友達が少ない有名なマズローの欲求五段階説は、知っていますよね。一番下の欲求に「生理的欲求」があり、一番上の欲求に「自己実現欲求」があるという、あのピラミッド型の図式です。この枠組みはとても有

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          最近、どんな職業なら今後も安泰なのか、といった論点に関して、様々な人が分析・予測されていますね。 こういった人たちには大変申し訳ない言い方なのですが、これらの予測はまず間違いなく外れるので、そういった予測にあまり振り回されないようにした方がいいでしょう。 なぜそのように断言できるかというと、二十年後には、労働人口のかなりの比率が「いまは存在しない職業」に就くことになるからです。 米デューク大学の研究者であるキャシー・デビッドソンは2011年8月、ニューヨークタイムズ紙の

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          これまで何度か、NOTEでは「スジの悪いシリーズ」の記事を挙げてきました。 ということで、今回は「スジの悪い人間関係の断捨離」という、いささか不穏なテーマで考えてみたいと思います。題材になっているのは、ポジティブ心理学の開祖であるエイブラハム・マズローによる研究です。 自己実現した人は友達が少ない有名なマズローの欲求五段階説は、知っていますよね。一番下の欲求に「生理的欲求」があり、一番上の欲求に「自己実現欲求」があるという、あのピラミッド型の図式です。この枠組みはとても有

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          クリティカル・ビジネスを生み出していくために

          いよいよ新著の「クリティカル・ビジネス・パラダイム」の発売が明日に迫りました。 いつものことなのですが、僕が本を書くときは、実際に出版する本の1.5倍くらいの分量をいったん書き、仕上げる過程でそれを大幅に刈り込んでシャープにしていくということをします。 で、その刈り込んだ部分がどうなるかというと・・・一応は知的資産として講演やらコンサルティングで用いられるわけですが、やっぱりなかなかもったいないなという部分もあり、これからNOTEで共有していきたいと思います。 というこ

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          クリティカル・ビジネスを生み出していくために

          外資系コンサルの知的生産術 その3

          まずは求められるクオリティと使える時間を押さえるP:ターゲットとなる知的成果の受け手が明確化されたとして、次になにをやるか? J:受け手が明確化されたのであれば、次に気になるのは、その人が何を知りたがっているか?という点ですかね。 P:うん、その通り。先ほど、僕らがやっているのは知的生産という生産活動にほかならない、という話をしたけど、その文脈で言えば知的成果に求められる品質ターゲットを設定する、ということだね。これはメーカーが製品を開発するときに品質目標を設定するのと同

          外資系コンサルの知的生産術 その3

          外資系コンサルの知的生産術 対話篇 その2

          顧客は誰か?P:「新しさ」と「深さ」を最初に考えるに当たって、最も重要な着眼点って何だと思う? J:知的成果を受け取る相手、ですかね? P:そうその通り。当たり前の話なんだけど、「新しい」とか「深い」とか、ということを判断するためには、当然のことながら「誰にとって」を決めることが必要になる。つまり、知的生産物を購入してくれる顧客ターゲットを決定するということだ。 J:確かに。 P:でも実際には、この点をあいまいなままにしながら、なんとなく知的生産のプロセスに突入してい

          外資系コンサルの知的生産術 対話篇 その2

          外資系コンサルの知的生産術 対話篇 その1

          10年前に出したこちらの本、お陰様でこの手の本としては異例のロングセーラになっております。 で、先ほどファイルをガサゴソと掘り返していたら、この本を書くにあたって作成した、プロトタイプの「対話篇」が出てきまして、これがなかなかに味わい深かったので、NOTEで少しずつ共有していきたいと思います。 結果的にこちらの対話篇はボツになり、通常の独白型になったのですが、読者の理解と歩調を合わせるということでいうと、こっちの方が良かったのじゃないかしら、と思うところもあり。 皆さん

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          外資系コンサルの知的生産術 対話篇 その1

          サーバントリーダーシップの可能性

          すでにいろんなところで言われていることですが、私たちの寿命は伸長しつづけており、近い将来に「寿命百年」という時代がやってくる可能性があります。 一方で、さまざまな環境変化要因によって、知的生産のパフォーマンスのピークが若年化する傾向も明らかとなっています。AI関連の人材の争奪戦は壮絶なことになっており、先日、米国の某企業が初任給に40万ドルを提示したことが話題になっていましたね。 しかし、こうなってくると、私も含めた年長者は、組織や社会においてどのような貢献ができるのか?

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          過剰に「正解」が供給される時代に何が価値になるのか?

          ChatGPTの5がそろそろ出るそうですね。3から4にバージョンアップした時ははっきりとそれがわかるくらいにアウトプットの質が上がったので、また楽しみです。 しかし、こうなってくると、いよいよ「正解を出す能力」の労働市場における価値が激減していくことになります。 今日の日本では、いまだに「正解を出せる人=優秀な人」という人々のイメージは変わっていません。 カンファレンスなどで「優秀な人と聞いて、どんな人をイメージしますか?」と聞くと、多くの場合「東大とか、偏差値の高い大

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          キャリアというゲームの構造原理について

          先日、昨年から書き進めていた「クリティカル・ビジネス・パラダイム」をついに脱稿しました。かなりの分量の原稿を最終工程で削ぎ落としたので、本が出版されたら、おいおいこちらのNOTEでボツになった原稿を共有していきたいと思います。 さて、ということで、これからは次の書籍の企画に時間をかけていきたいと思います。漠然と考えているテーマは「これからの生き方・働き方」といったもので、前回と同様、書きかけの原稿をこちらにちょこちょこあげながら、一種の市場調査というか、テーマに対する関心の

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          オースティンの「高慢と偏見」を読んで考えた「本当のお金持ちとは?」という問題

          先日、久しぶりにジェーン・オースティンの「高慢と偏見」を読み直していたら、ダーシーの年収に関する記述のところでふと考え込んでしまったんですね。 前に読んだ版にはそんな解説があったかどうか・・・今回読んだ版には、ダーシーの年収に関する箇所に注意書きがあって、そこを読むと「現在の貨幣価値に換算しておよそ一億円」とあって、僕は「ええええ!?」と思ってしまったわけです。 現在の東京で年収一億円というと、まあせいぜい小金持ちといった程度の暮らししかできない金額であって、「高慢と偏見

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          美意識をアップデートする側に回るか、アップデートに引きずられる側に回るか?

          多くの人は「美しさ」というものに何かしら絶対的な基準があって、揺るがないものだと思っているようですが、実際のところ「美しさの規範」というのは、それほど堅固なものではありません。 場所や時代が変わることで「美しさの規範」も大きく変わります。歴史的に見れば、いまの私たちにとって規範的な「美しさ」は、20世紀の前半から中盤にかけて、それまでの「美しさ」をアップデートする形で規範化されていった経緯がありますが、これを逆に言えば、私たちにとっての「美しさの規範」もまた、これからアップ

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          「自分らしさ」の罠

          「歌は世につれ、世は歌につれ」と言う言葉がありますよね。 これは「歌は世のなりゆきにつれて変化し、世のありさまも歌の流行に左右される」といった意味だけれども、では近年のヒット曲の歌詞を並べてみると、そこにどのような「世」が炙り出されてくるのか。 一つ明確な傾向として指摘したいのが、21世紀に入ってからの「自分らしさ」を称揚する歌の台頭です。例えば「自分らしく」、「僕らしく」、「君らしく」という言葉で歌詞検索をかけてみると、該当するのは平成に入ってからの歌が殆どで、昭和の歌

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