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海外での日本の医療系国家資格(柔整・鍼灸・理学)の扱い

前書き

高校在学中に進路や将来したい仕事を決めることがあるだろう。私も高校2生で「将来はスポーツトレーナーになる」と決めていた。今でも覚えているのはこの夢を志した時に「トレーナー 資格」とGoogleで調べたことだ。検索結果に出てきたのは柔道整復師・鍼灸師・理学療法士・アスレティックトレーナーなど高校生だった私が見て区別のつかない資格のオンパレードだった。そんな中から、一つ一つ調べ、見に行き、自分なりに熟考した。
この時はまだ海外のことをまったく考えていなかった。もし、知っていたら違う資格の取得も選択肢にはいっていたかもしれない。理由は簡単、日本と海外では“資格”についての違いがたくさんあるからだ。
だからこそ、資格について慎重に考えていく必要がある。

私の現在のイタリアでの肩書は「operatore di Shiatsu Namikoshi(浪越流指圧師)」である。これはイタリアで取った資格である。(国家資格ではない)

operatore di Shiatsu Namikoshiの資格証

日本で所得した柔道整復師と鍼灸師の資格は使っていない。且つイタリアの法律上、使うことはできない。(イタリア人に資格の話をすると鍼灸師はわかるけど、柔道整復師って何言われる。)余談だが、イタリアを含むヨーロッパのスポーツ現場でfisioterapista(フィジオテラピスタ)という資格の方が活躍していることが一般的である。日本語訳にすると理学療法士となるが残念ながら日本の理学療法士の資格は直接使うことはできない。もし持っていたらイタリアの理学療法士の資格に書き換えをする必要がある。

①    日本の医療系国家資格保持者が海外のチームに帯同すると何ができる?

結論:日本の医療系国家資格は使うことが出来ないが、チームによってできることがある。チームの一員として帯同しているのか、研修として入っているのかでも変わってくる。
私の一例で恐縮だが、私は研修初日から選手にマッサージをしていた。次の日にはテーピングもしていた。最終的にはドクターとやり取りしてスポーツ外傷の治療(物理療法)をしていた。
ここで伝えたいことは、資格はあくまでも資格。資格というのは「ここまでは勉強した」という証明に過ぎない。
チームに入って信頼を獲得していれば痛み止めの注射など医者しかしてはいけないこと以外はほとんど行うし、任されるようになる。任されない場合はチームに必要とされていないので、自分のできることを探して即実行することをお勧めする。

チームについて30分でマッサージを始めている時の様子

②    そもそも海外で活動する時に資格は必要?

結論:長期で活動するなら現地の資格は持っておいた方がいい。
日本の資格を持っていても「これイタリアで使える資格ではないよね?」とチームに言われることもある。また、試合まで帯同するのであれば審判に「イタリアで有効な資格を持ってる?」と聞かれることもある。幸いにも資格があったので、ベンチへの帯同が許された。しかし、これも競技のカテゴリーやプロ化の有無などによるところが大きい。

③    私が思う海外で役立つ資格は、、、

結論:何も勧めない(勧めれない)。「情報を集めてくれ」としか言えな。
海外トレーナーを目指す方からSNSのダイレクトメッセージでお話を伺いたいと依頼されることがある。その際に「日本で資格とるなら何を目指すべきか(取得したほうがいいか)?」聞かれることが少なくない。
この場を借りて私の見解を改めて言うと「わからないから勧めない。」となる。
理由は簡単で「どの国に・何を(個人トレーナー・チームトレーナー)・どれくらい(期間)・どのレベルの競技レベルetc」以上のような条件によって資格が必要になる・有利になるかどうかが変わってくるからだ。
この話も今後深堀していく。

まとめ

国よって違うが基本的に日本の医療系国家資格は使うことが出来ないと思ってもらった方がいい。そのうえで、各種書き換えも国によって違うのでそちらも用チェックである。
自分の目指す条件を(どの国に・何を(個人トレーナー・チームトレーナー)・どれくらい(期間)・どのレベルの競技レベルetc)をできるだけ明確にして、現地で活動する人に聞いてみる。もしくは、現地まで行って自分の目で見て感じて質問してみることをお勧めする。

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