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お願いだから「作りたい女と食べたい女」を読んでほしい。

L友から布教されたこの漫画を購入するために、
彼女と恐る恐る池袋のアニメイトに足を踏み入れた。

どこに目線をやっても何らかのキャラクターと目が合う異世界に
若干酔いながらも「作りたい女と食べたい女」を2巻入手した。
正気を吸い取られて、げっそりしながら脱出。
なんだろうあの…吸い取られる感じは….
枕元にぬいぐるみを置くと魂を吸い取られる話の信憑性が20%くらい上昇した。

命懸けで入手したこの漫画。
「このマンガがすごい!2022」オンナ編 第2位らしい。
第1位はググってください。

ブルーの鳥さんTLに流れてきた事はあったけど、
面食い、微ポチャNG、フェム×フェムしか勝たんの病にかかっていたため
自分の中のフィルターではじかれてしまった。悲しいいいいあああ。土下座して謝りたい。

この漫画は、そこらへんの女と女の物語とは違うジャンルだ。そう思った。

物心ついた時から世の中に溢れる創作物の中で、ジャンルの花形「恋愛もの」がそもそも苦手だった。
もっというと一般的な恋愛ものが苦手だった。
そういうと、こじらせているように思われるかもしれないが、
とにかく見ていられないのだ。
単純に女が好きだというのも理由の一つだが、
どんなに物語の筋書きがよくても、キャラクターや演者が良くても
滲み出るジェンダーバイアスや固定概念が透けて見える時、
あるいはあからさまに描かれている時、続きをみる事ができなくなるという呪いにかかってしまっている。長いこと。
耐えられぬ!

共感も理解もできないから、
故にしっかり見れるコンテンツが限られてくる。
ネトフリもアマプラも元取れてないはず。悲しい。

人と人とが対等な関係で恋愛するという意味で、
BLやGLばかりを貪って大人になった人間だ。
今はKindleの中に膨大な量を隠し持つ事ができるという
時代の恩恵を受けている。ありがとう電子書籍。

「作りたい女と食べたい女」は、
需要と供給がマッチした運命の相手に出会う話とも言えるし
「友達」「恋人」などの既存の決められた括りを越えた
「ふたり」の物語。

よしながふみ著 「きのう何食べた?」が好きな人には刺さると思った。


ふたりの時間を楽しみながら料理を作って一緒に食べる。
それがどんなにあたたかくて幸せなことか。
サマー○ォーズのばあちゃんも、一人で飯食うなって言ってたし
だれかと食べるご飯っていいよね。

2巻から、まさかの展開に突入して、
L当事者は涙なしには見れないんだけどおおおおお
今後どんなお話になっていくのか興味津々。

2巻の展開は、
L当事者としてはわかりみが強いけど、色々とリアルなので…
一般受けするかは怪しいなと思った。
萌え系の百合作品とは違うし、リアルだから。
一部の人たちに叩かれそう(悲しいけど、レズビアンは日本では、まだまだ市民権を得ていないと感じるから。)

古のB Lでは、普通に女性の人へのトラウマから男性が好きになってうんぬんかんぬん〜みたいな描写もあっても、別に何とも思わなかったけど
男女逆転するだけで、こんなレビューあるんかいというものもチラホラ。

でも、今だからこそ生まれた作品という感じもあって、
ゆっくりだけど時代が変わってきているなと思った。

一人のLとして、応援しています。