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日進月歩 ~Road to MBA~#57

2020/12/2:スタートアップ・ストラテジー2③
 水曜日はスタートアップ・ストラテジー2となり、引き続き数ある企業の経営者だけでなく、スポーツ(スキー)においても共通点が多い高柳先生の講義の3回目となります。本日は、医療×ITでサービスを提供されている株式会社アルムの坂野社長をお招きし、ご講演をいただきました。
※株式会社アルム(https://www.allm.net/)

 まず経歴から簡単にご紹介があり、とても興味深い内容でした。現在では医療市場に参入して6年となるが、経営者・大学教授・医療法人の理事も兼任されております。大学時代に動画領域×ITで起業してEXITし、事業を全く変えて新しい起業をしている点も、市場を見通す力があったに違いない。

 学生の時に最初の起業(テクノロジー/動画領域)をし、順調に事業を拡大するも、IPO直前で”リーマンショック”に遭遇して断念。その後、その経験を生かし「テクノロジー×医療」領域で株式会社アルムを立ち上げ、グローバル製薬コングロマリットから投資を受けるなど順調な資金調達を繰り返し、現在国内で有数のバリュエーションを誇る医療系のスタートアップとなる。IP(知財)に着目した経営などがユニークである。

 講義の中ではとても興味深い内容が多く、自主的な勉強会でHさんに教えていただいた事前知識があったことで、全部ではないがイメージができる内容であった。また、オリンピックに関する部分のお話もあり、改めて振り返ってみて開催の可能性を考えるいいきっかけとなった。
 今回の講義では、その中でも「マネタイズの仕組み」と「新型コロナウイルスへの環境適応」が印象的な内容となっていた。株式会社アルムが提供している「医療業界をPHSからスマホ・クラウド化へ」というプラットフォームを展開していく上で、参入していくための障壁は4つあげられる。

 ✔  セキュリティやプライバシーの問題(クラウドのデータ)
 ✔  効果を明示(使用したことないのに効果を求められる)
 ✔  コストがかかる(転換費用・・・病院はお金がない)
 ✔  変化しない理由を考えやすい(人の命に関わることだから)

 これをどのように解決したのか。講義を受けて、私が理解した内容については以下の図で示させていただこうと思います(あくまでも私の認識)。

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 今回で重要と感じた要素は、①最初の事業領域、②組むべき相手、③社会課題(政府課題)を捉える、④ピボットの柔軟性であると考えている。また、マネタイズは国の予算をうまく活用して取組みをしている企業であると考えている。スポーツ業界も同じような国の仕組みがあるが、効果や成果は雲泥の差・・・何が違うかは深堀りして考えていこうと思う。。

①最初の事業領域
 上記の参入障壁がありながら、壁とならない市場から参入が出来ている
②組むべき相手
 医療従事者には派閥があるが、最初に組んだ相手が派閥に影響がなかった
 ※東京大学と慶應大学の2大派閥が存在(日本には「医師会」も存在)
③社会課題(政府課題)を捉える
 政府の次期予算を把握することで、どの領域に課題があるのかを把握
④ピボットの柔軟性
 新型コロナウイルスの影響を受けて、既存サービスをピボットして適応

 日本の医療制度には大きな可能性があり、生まれる前から死んでしまうまでの間すべてで「行政のサービス」として医療が受けられるのは日本特有である。また、補正予算などで無限に国債が発行できる、医療ICTは外交関係には医療と重要な関係性があり安くて効果が高いといった要素があり、海外へのSDGsの取組みが定着している。新型コロナウイルスの影響によって、医療業界のDXは加速しAIの活用は今後も拡大されていくため、今後は「感染症対策」と「経済・文化活動」を両立させるサービスが出てくるのではないか。


        立教大学大学院ビジネスデザイン研究科   平岩 宗

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