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日進月歩 ~Road to MBA~#117

2021/5/29:ビジネス・オーガニゼーション3⑦
 土曜日は、経営組織論を専門とされている山中先生の講義をとっており、7回目の講義(春学期1の最終講義)となります。前講義(#113)から組織デザインのフレームワーとデザイン変数について学んでいますが、本講義ではこれまでの組織デザイン変数のまとめについて講義いただいた。

■組織のデザイン変数(前講義のまとめ)

 前講義の内容をまとめると以下のように整理ができる。また、組織のデザイン変数(ピコ―・ディートル・フランク,1999)と組織の設計パラメーター/構成要素(Mintzberg,1979・1991)による理論をまとめた表で、ご説明をいただいた。

(ⅰ)専門家と分業のシステムのデザイン
(ⅱ)調整と管理のシステムのデザイン

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■職務および部門の編成と配分について

 職務の専門化を実施することでの利得や特徴としては、①構造化の程度、②変動性の程度、③頻度の程度で構造的に区分けされ、それぞれの程度によって利得の幅が決まってくると考えられる。また、利得を最大限に高めていくためにはどうしたらよいのかについて考察していった。

➀構造化の程度
 職務が整理された(曖昧のない)処理手続きに分解される程度のことを指し、「自動化」と「形式化」の可能性を規定している。さらにアウトプットとインプットの因果関係が明確かつ既知である程度を示しており、プログラム化できる可能性も考えていく指標となる。

②変動性の程度
 職務達成に関わる「不確実性」の程度が問題となり、職務の質・納期・量・価格などの変更や予測可能性によって変わってくる。変動性が大きいほど柔軟に変更が可能な組織化が必要となる。
※変更されることが予測できる場合は、自動化やプログラム化は可能

 ここまでの①と②の内容を基に、グループディスカッションで自身の仕事はどの「程度」にプロットされるかを考えながら、学びをアウトプットしていった。定型化することで「効率性」を高め、組織が目指している変化の排除といった部分についても、程度から理解できる内容があると感じた。

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③頻度の程度
 職務の反復可能性(回数)とも考えることができ、さらに活動規模(量)においても重要な要素となってくる。それなりの反復的活動(回数)や活動規模(量)がない場合には、「専門化の利得」は生じてこない。また、取引量が多くない顧客に対して専門窓口や専任顧客担当を設置することは、決して効率的ではないことも例としてあげられていた。

■「専門化」の利得と特徴

 ここまで3つの観点から考えてきたが、どのようなときに「専門化における利得」を最大限に高めることができるか。関係性から考えると、①構造化の程度は高く、②変動性は低く、③頻度が大きい職務ほど専門化した場合に利得が大きくなることが分かってきた。
 しかし、過度な専門化や不適切な専門化をしてしまうことによるデメリットもあるので、注意が必要となることも忘れないようにしよう。

◉過度な専門化
⇒調整コストの増加、組織の柔軟性の欠如などの問題
◉不適切な専門化
⇒学習効果の阻害、熟練形成の阻害、規模の経済性低下などの問題

 こういった程度の問題を考えながら、組織をデザインし、仕事を編成していくことが必要になってくる。最後に、グループディスカッションにて自社における問題点と解決策について考えて春学期1を締めくくった。
 次回の春学期2からは、このような程度を考える際の基準となる「取引費用に基づく職務編成の指針など」について考えていきたいと思います。

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平岩 宗(ひらいわ しゅう)
1986年12月14日生まれ(34歳)/愛知県出身
【サッカー】春日井JFC/FC.FERVOR/中京大中京高校/駒澤大学/横河武蔵野FC(JFL)/エリースFC東京(関東)/ラスタサッカーファミリー(埼玉)
※U-12日本代表候補/愛知県国体選抜(高校)/JFL108試合・天皇杯7試合(通算115試合1得点)
※https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%B3%E5%B2%A9%E5%AE%97
【ビジネス】株式会社ビーコンインフォメーションテクノロジー/コムテック株式会社/株式会社ミスミグループ本社/独立行政法人日本スポーツ振興センター(西東京市スポーツ推進委員)
【学校】中京大学附属中京高等学校/駒澤大学経済学部/立教大学大学院ビジネスデザイン研究科

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