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日進月歩 ~Road to MBA~#60

2020/12/7:シードマネジメント特講1B④
 月曜日はシードマネジメント特講1Bとなります。先生は変わらず実務家であり、実務と学問を融合させている笠原先生の講義4回目です。

 本日の前半は、秋学期1のケース課題であった「MeeTruck株式会社」の内容整理から先生のケース回答を基に確認した。整理していく要素を私が感じたフローで以下にまとめてみる。

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 このような企業が出てきたことによって、ディスラプトされていくプレーヤーを考えみると、まず「中小企業の荷主や運送会社」、次には「日通などの大手企業」における脅威にもなる。MeeTruck株式会社の株主比率(ソフトバンク社51%、日本通運社49%)を確認してみると、脅威にもなる日本通運社が含まれている。この互いの思惑をどう隠し、このジョイントベンチャーを発展させていくか、ソフトバンク社の戦略から明確化していこうと思う。

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 ソフトバンク社は、プラットフォーマーとして”コングロマリット企業”を目指していると理解できており、それぞれの事業でどう価値提案(VP)していくか。自社で対応が可能な場合は「バリューチェーン」を変革、自社で不可能な場合は「サプライチェーン」を変革しながら明確化していく。このようなコングロマリット企業にも特有の悩みがあり、様々な事業を展開していくことで異なった文化が生まれていく実例を、受講者の中で話し合った。

(例1)総合商社の場合
 ※繊維や鉄鉱などの分野によって顧客も相違してくるので、統一が難しい
(例2)ソフトウェア開発企業の場合
 ※B2B(ウォーターフォール)やB2C(アジャイル)などシステムが違う
(例3)JRグループの場合
 ※”鉄道ビジネス”と”メンテナンス”、”デパート・ビル”の文化の違い

 実例でも話があがったが、重要な要素として「組織」をどう構成していくかがある。評価制度や組織体制によっては対立が起きたり、横軸を入れて統一しようと思うと煙たがれるなどの問題がある中で、GEのDX推進におけるケースを基に紐解いていった(ウェルチ時代とイメルト時代)。外部環境や顧客の知識有無が大きな要因として左右されていると感じたが、大企業において文化を変革するのは難しい(反体勢力がいる)。まずは小さく始めていくことが重要ではないか、これまでの自分自身の経験からも障壁となったことが多くあったため、「戦略」を変革するためには「組織」も変革が必要であると改めて感じさせられるケースとなった。


 後半は、前回もきていただいたゲストスピーカーである株式会社エクサウィザーズの大植取締役から講話をいただいた。AIを用いた社会課題解決を通じて、幸せな社会を実現することを目指している企業で、今回は「製造業におけるAI活用事例」を中心に議論をしていった。
 事例は、商品企画⇒製造⇒物流⇒販売⇒メンテナンスといった各バリューチェーンと、それを支える本社・管理部門に分けてご紹介いただいた。製造業は「製造領域」で活用される事例が多いが、他の領域でも実績が出てきている。ベテラン技能の継承やリスク回避(安全性向上)など、11事例を基に「人間の置き換えに適用」されているケースが多く存在した。AIを利用していくためには、過去の学習と統計データが必要なため、投資コストと削減コストの比較によって、導入を検討し選択していくようになる。

AIの活用事例(抜粋)
 ✔  新しい市場への投入商品の需要予測モデルをAIで予測(需要予測)
 ✔  物体の表面にある不良部の有無と種類をAIで識別(不良検知)
 ✔  最適な倉庫内人員配置をAIが提案(物流)
 ✔  ドリルが自律的に摩耗度を検知し、製品寿命を延長(メンテナンス)

 将来的にAIがどうなっていくか。現在では最先端な技術となっているが、そのうち技術が「コモディティ化」して低コストになっていく可能性は十分にある。現在は個別のカスタマイズをしているが、サービスの提供になっていくことで更に効率化される。AIを活用した理想系は、「AIによって効率化し、人は人にしかできない業務をする」というように、ポジティブに促すことでプロスペクト理論に基づいた選択が可能となる。以下は、コールセンターにおける効率化によって、人にしかできない業務に集中させることで、顧客満足度を上げている成功事例といえよう。

(例)コールセンターのAI活用事例
  第一窓口(フロント)を人間からAIへジョブローテーション
  ※従業員への負荷を下げて効率化、顧客への満足度もあげる



        立教大学大学院ビジネスデザイン研究科   平岩 宗

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