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J1第18節 清水エスパルス対川崎フロンターレ データプレビュー

個人的にも急がしくACLがあったため約2ヶ月ぶりのプレビューとなります。今節はアウェー清水戦。フロンターレは過密日程のACLグループステージを6戦全勝で突破。最後の北京FC戦はターンオーバーし、移動があったたとは言え、主力組はコンディションを整えて試合に臨める。ただ移籍した碧含めて東京五輪組の3人がいない中での試合となる。それでもACLで橘田を中心にこれまで控えだった選手の底上げもできたので期待したいところ。
対する清水は現在13位。ロティーナ体制になって初の対戦となる。

このデータプレビューはデータのみの記事であり、データで見るとこんな試合になりそうだというあくまでも試合予想の一部分です。

1.両チームの成績

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清水は21試合を消化して現在勝ち点23で13位につけている。トータルでの勝敗は5勝8分8敗と勝利はわずか5試合だが引き分けが多く地道に勝ち点を稼いでいる。1試合平均の得点、失点どちらも極端な数字ではないことからよりロースコアな試合展開となっていることがわかる。またホームもアウェイもその傾向は変わらず2勝4分3敗の得点0.9失点1.3という数字になっている。直近5試合では2勝2分1敗と好調。その原因は得点が増えたことで1試合平均得点が1.6に増加している。
しばらくリーグ戦がなかったフロンターレもおさらい。現在清水と同じ21試合を消化して17勝4分で負けなし。1試合平均得点は2.4と昨シーズンよりは減ったものの、得点力は今シーズンも武器に。また即時奪回も定着してきたため失点も少なく0.7となっている。そして今シーズンのフロンターレはアウェイに強い。8試合で1試合平均得点が3.0と鬼木監督が設定したノルマを達成している。直近5試合も好調だが1試合平均得点が2.0にまで減少している。しかし失点が少なくより王者らしい戦いとなっている。
両チームの通算成績を見るとほぼ互角。トータルではフロンターレが勝ち越しているが引き分けも10と多い。さらに清水ホームとなると全くの五分。こちらは引き分けも3と少なく勝敗のつく試合が多い。得点が動かない清水に対してフロンターレは自分達のペースに持って行けるかが鍵だ。

2.チームスタイル分析

チームスタイル (22)

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清水はどの値も低く攻撃的なチームではないことがわかる。その一方で攻撃セットプレー、左サイド攻撃、自陣ポゼッションではシュート率が高くそれぞれリーグ3位、1位、1位の数字。しかし攻撃セットプレーと左サイドの指数はそれぞれ19位と20位。つまり少ないチャンスをシュートに繋げている。ただ質が良くてもやはり回数が少ないとゴールに繋がる可能性は低くなる。清水としてはこの2つのプレーの回数を多くしてよりゴールにせまっていきたい。逆にフロンターレとしてはこれら2つの攻撃を警戒しなければならない。左サイド攻撃ではドリブル使用率が24.7%でロングパス使用率が25.9%。この2つのプレーで50%を超えておりより縦に速い攻撃を狙ってくると言える。そして攻撃セットプレーでキッカーを務めるのは西澤。左サイド攻撃でCKを与えて失点ということがないようにしたい。
また上のグラフにはのせていないが清水はハイプレスの守備成功率がワースト。指数そのものは低くないためハイプレスをかけてくる可能性もあるが、フロンターレとしては焦らずボールを回せば突破できる可能性が高い。

3.攻守のスタッツ

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チームスタイルでもわかったようにあまり攻撃的なチームではない清水。ボール支配率は43.1%で19位の数字。さらに攻撃回数も106.9回で20位。ボール支配率が低くてもボールを奪っていれば攻撃回数は増えるはずなので、ボールを奪うことも少なく基本的に相手にボールを持たせているとわかる。その一方でシュート数は9位、チャンス構築率は7位という数字を残しており、やはり少ないチャンスをより効果的に攻撃できていることがわかる。それでもPA進入回数は8.9回の15位と少ない。おそらくこれが原因でシュート成功率が8.4%と低い数字となりゴール数も少ない。冒頭であまり得点が動かないと書いたがその原因がここでわかる。基本的にボールを相手に持たせ続けてオープンな展開を避け、少ない攻撃でもシュートを打てるがなかなかゴールが決まらない。

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守備的な清水だがやはり相手にボールを持たせるので被攻撃回数は少なくなりリーグ2位の110.9回。そして被PA進入回数は9回で6位。しっかりと守備ブロックを敷いて相手をゴールから遠ざけて守備をしている。しかし被シュート数は11.8本で12位と少なくはない。これについてはまた後ほど。被チャンス構築率が高いのは少ない被攻撃回数でシュートを打たれているから。意外だったのは被シュート成功率が11.3%で14位という数字。GK権田はセーブポイントが10.57で4位の数字なので防いではいるがシュートが多いと防ぎきれないシュートも出てくるということか。
補足するとフロンターレの被攻撃回数が多いのはボールを握っている時間が長いためその分ボールを奪われることも多くなるから。しかし今シーズンのフロンターレは即時奪回でボールを奪い返すため攻撃回数も多くなる。

ゴール&被ゴール期待値 (32)

ゴール&被ゴール期待値 (33)

次にゴール期待値を見てみる。清水のゴール期待値は攻守ともにリーグで真ん中あたりの順位。期待値と実際のゴールとの差もそこまでなく期待値そのままの成績となっている。攻撃時間が少ないなかでゴール期待値が中位の成績というのは単純に凄いと思う。
フロンターレの得点数が多い原因はここ。もちろんシュート数や決定機も多いため期待値もリーグ2位の数字だが、それを上回るゴール数を決めている。

4.得失点のプレー割合

清水エスパルス 得点割合

川崎フロンターレ 失点割合 (18)

ここでも清水の攻撃面での特徴が表れる。チームスタイルで、少ない攻撃セットプレーをシュートに繋げていると書いたが実際にゴールにも繋がっている。清水の総得点22点の内36.4%にあたる8点をセットプレーから決めている。さらにクロスを加えると60%近くの得点をこの2つのプレーから決めていることになる。フロンターレはセットプレーからの失点は少ないがクロスからの失点は最も多く5失点している。この2つのプレーはフロンターレとしては警戒したい。

川崎フロンターレ 得点割合 (17)

清水エスパルス 失点割合

おもしろいことに清水は失点も得点と同様にセットプレーとクロスが多い。PKを入れるとこの2つだけで総失点の約8割を占めている。特にセットプレーから14失点はかなり多い。しかしフロンターレが狙っていきたいのは最も多く得点しているクロス。昨シーズンはセットプレーから多くの得点を決めていたフロンターレだが今シーズンは少ない。しかしクロスで29.4%にあたる15点決めており、ダミアンを使って積極的にクロスを狙っていきたい。

5.シュートエリア

シュートエリア (4)

まずは清水の被シュートから。PA内からの被シュートは6.2本でリーグ8位、そしてPA外からの被シュートは5本でリーグ15位。つまりPA外から打たれるシュートが多い。攻守のスタッツで被シュート数が多いことがわかったが、内訳を見るとPA外からの被シュートが多い。従って清水はPAに進入させずゴールから遠い位置でシュートを打たせているということだ。実際の失点が少なくはないため結果だけ見ると守備が上手くいってないようだが守備のやり方としては上手くいっている。この守備ブロックをフロンターレは崩さなければならない。清水はPA右からの被シュートが左に比べて若干多くフロンターレとしては左サイドを使って攻撃したい。三笘がいないだけに長谷川や遠野もしくは宮城がどれだけ貢献できるかが注目だ。

6.まとめ

ボールを握る時間が短くても東京のようなボールを多く奪ってカウンターに転じるチームもある。しかし清水はそうではなく相手にボールを持たせ遠い位置からシュートを打たせる。ロティーナらしいサッカーとなっている。五分五分のIAIスタでフロンターレは清水の守備ブロックを突破できるのか。三笘がいない左サイドに注目したい。またセットプレーで1発やられないよう集中力を持って試合を進めたい。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

7.データ引用元


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