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J1第25節 サンフレッチェ広島対川崎フロンターレ データプレビュー

前節の柏戦は今シーズン初の無得点となった。その後の天皇杯清水戦では脇坂が獲得したPKを夏男我らがエースの小林悠が決めて先制。その後1点奪われるも途中出場のダミアンが決めて勝利。試合映像は観てないがスタッツだけ見ると19本のシュートと良い展開だったのだと思う。ただ谷口が負傷したらしく今節の広島戦も欠場が濃厚。シーズン終盤戦で負傷者が増えるのは痛い。前節と繰り返しになるが三笘や碧などの主力が抜けた中で他の選手の台頭が今後の成績を左右すると思う。そして今節の相手は前半戦ホームで引き分けてしまった広島。今節もあのジュニオール・サントスは要注意だ。

このデータプレビューはデータのみの記事であり、データで見るとこんな試合になりそうだというあくまでも試合予想の一部分です。

1.両チームの成績

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広島は7勝10分6敗で勝ち点31の11位。引き分けが10試合は仙台と並んでリーグで最も多い。1試合平均得点が1.1で失点が1.0という数字からもロースコアの引き分けが多いことがわかる。ホームになると失点が0.9と好成績だが得点が0.8とかなり少なくなる。たいていのチームはホームになると得点が多くなる傾向が多いが広島は少なくなる。その影響かシーズントータルで6敗しているうちホームでは4敗している。そして直近5試合では得点が0.6とかなり少なくなる一方で失点も0.6と少なくなりロースコアな展開で1勝3分1敗という結果になっている。この傾向でいくと今節もロースコアな展開になるかもしれない。

それに対してフロンターレはここ数試合でこれまでのフロンターレのイメージと逆転しているようなスタッツが残っている。昨シーズンは爆発的な攻撃力が武器だったが、今シーズンはトータルで1試合平均失点が0.6と守備が良い。アウェーにいたっては0.5という数字。直近5試合に限ると得点が1.6とかなり減少しているものの、失点は0.2と5月に行われた鹿島戦の1失点のみ。この守備力が公式戦無敗という記録に繋がっている。リーグで優勝するためには得点が少なくても失点せずに負けないことが重要なのでより手堅いチームになっている。
通算対戦成績は広島の10勝10分22敗とフロンターレが大きくリードしている。広島ホームになっても6勝6分9敗とあまり変わらない。これまでの傾向からいくと両チームともに失点が少ないためロースコアな展開になりそう。

2.チームスタイル分析

チームスタイル (25)

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個人的に広島はバランス型という印象。違ったらすみません。こうしてチームスタイル指標を見ても何か飛びぬけて高いものも低いものもない。それでも広島の武器は何かわかる。最も高いのはロングカウンターで66。ショートカウンターも59と比較的高い数字。前節の柏がロングカウンターがリーグトップで広島はその次の2位。シュート率も柏の6位に次ぐ7位の数字。そしてロングカウンターではドリブル使用率が22.4%で最も多い。広島のトップに入るジュニオール・サントスはドリブルポイントがリーグ2位の数字。広島のロングカウンターではジュニオール・サントスが起点となって攻撃してきそうだ。これは警戒する必要がある。ここまでカウンターについて書いてきたが柏ほどカウンターに振り切ってはいない。ボール支配率も49.1%で12位とたしかに高くはないが低い数字でもない。敵陣ポゼッションも55と高い数字でシュート率はこれも柏と同じ数字の27.3%でリーグトップ。柏よりもより多用な戦い方を高いレベルで遂行できるチームだ。

3.攻守のスタッツ

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チームスタイル分析で見たように広島と柏のスタイルは若干似ていた。それはこのスタッツでも同じような結果になっている。柏の攻撃回数は3位だったが広島は7位。あまり大きな差はないが広島の方がボールを保持しようとする傾向があるからなのかもしれない。チャンス構築率は11.2%と約9回に1回はシュートに繋げている。またドリブルを使った速いカウンターだけでなくポゼッションからも攻撃できるためPA進入回数は高く13.2回で4位の数字。こうした質の高い攻撃のためシュート数は1試合で13.5本とリーグ6位。これまた柏と同じだがシュートまでの過程は上手くいっているが、シュート成功率が8%で15位と低い数字。

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攻撃に関してはゴール前での質があまり伴ってなかったが守備面になるとそうでもない。被シュート成功率は10.1%と9位で中位の数字。しかし被シュート数は9.5本で4位と好成績ということもあり1試合平均失点は先述したように1.0で5位の数字。柏もそうだったがボールを持たれる時間が長くてもPAに進入される回数が9.4回のリーグ7位と少ないためシュート失点も少ない。ここ3シーズンのアウェー広島戦での得点は全て後半に決めたもの。この広島のPAに入れない守備に焦れずにいつものように続けることができるか。

ゴール&被ゴール期待値 (38)

ゴール&被ゴール期待値 (39)

広島の攻守のスタッツを見ると攻撃ではゴール前の質が若干低めだったが、守備面では好スタッツだった。ゴール期待値にも表われており被ゴール期待値と失点に差はあまりない。となるとより上位に進出するには実得点を期待値よりも多く決めることが必要。それには以下のようなご意見のようにストライカーだけの問題ではない。

4.得失点のプレー割合

サンフレッチェ広島 得点割合 (1)

川崎フロンターレ 失点割合 (21)

冒頭に広島はバランス型のチームという印象だと書いたが得点のプレー割合も比較的様々なプレーで得点している。その中で最も多いのがセットプレーで7得点。チームスタイルでは書かなかったが攻撃セットプレーの指数はリーグ2位の数字。シュート率は11位と高くはないが回数が多いためセットプレーからの得点が多い可能性がある。それに対してのフロンターレの失点はクロスからが最も多く広島の得点プレー割合と噛み合っているわけではない。ただフロンターレの失点が少ないのでなんとも言えない。

川崎フロンターレ 得点割合 (20)

サンフレッチェ広島 失点割合 (1)

次はフロンターレの得点と広島の失点について。フロンターレの武器はクロスが16点でパスが15点とこの2つのプレーが主。それに対して広島はクロスからの失点は少ないがショートパスは6本と全失点の4分の1の数字。とは言え広島の得点同様、両チームそれぞれの得意なプレーと苦手なプレーが噛み合ってはいない。となるとやはりロースコアの展開になる可能性が高い。

5.シュートエリア

シュートエリア (7)

まず見てとれるのが広島シュートのPA内で左右差がある点。PA左からのシュートが1.4本に対してPA右からのシュートは0.8。意図的なのかどうかはわからないが結果としては左右差がある。ちなみに左サイドに配置される選手は森島司で1試合1.4本シュートを打っている。しかし今シーズンは1ゴールのみ。
そして広島のPA中央での被シュート数は5.4本でリーグ3位の数字。攻守のスタッツでも見たようにPAに侵入させず、侵入されても最も危険なエリアでシュートを打たせないことで失点を防いでいる。

6.まとめ

こうしてデータで見てみると広島は柏に似ているところがある。細かいところでは広島の方が多用な戦い方をしているが、カウンターが武器なのは同じ。今節の広島が前節の柏のように自陣に退いてカウンターを狙ってくるのかどうかはわからないが、前節柏戦のリベンジのような気分で見るのも面白いかもしれない。前節は無得点に終わっただけに厳しい戦いになるが複数得点で勝利したい。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

7.データ引用元


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