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J1第23節 浦和レッズ対川崎フロンターレ データプレビュー

川崎は対戦相手に新型コロナウイルス感染者が出たことによって試合中止となったため、7月はリーグ戦2試合のみで約3週間ぶりのリーグ戦となる。その間にPSG戦が行われたり、塚川と田邉が移籍するなどイレギュラー続きで、さらにトップチーム関係者6名が隔離されるなど厳しい状況だ。そして今節はアウェーで浦和と対戦する。チーム一丸となって勝利したい。

このデータプレビューはデータのみの記事であり、データで見るとこんな試合になりそうだというあくまでも試合予想の一部分です。

1.両チームの成績

浦和は現在勝ち点29でリーグ8位につけている。勝敗を見ると6勝11分5敗と引き分けがかなり多くなっており、11回の引き分けはリーグ最多。失点は1試合平均で0.9と好成績だが、得点があまり取れておらず1.2という数字だ。しかしホームでは得点が1.9へと大きく上昇するため、4勝6分1敗と引き分けも若干多いものの好成績だ。直近5試合では3勝2分で無敗と好調。得点も1.8と多く取れており失点も0.8と低く抑えることができている。

一方の川崎は他チームに比べて2試合の未消化試合があるが、勝ち点37でリーグ3位となっている。勝敗は11勝4分5敗と過去2年に比べて敗戦数が増えている。得失点は得点が1.6で失点が1.1と悪くない数字ではある。勝ち点を落としている試合はアウェーが多く4勝3分3敗で、その要因は得点が1.3へと減少したこと。ホームで勝ち点を稼いでいる浦和とは相性が悪い。直近5試合は2勝1分2敗だが、2勝は札幌とガンバでどちらも大量得点だった。そのため得点が2.2と非常に高い数字となっている。

通算対戦成績では浦和の15勝11分18敗とほぼ互角だが川崎が少し勝ち越している。浦和のホームとなると8勝4分9敗で、今節浦和が勝つと完全な五分となる。

2.チームスタイル指標

まずレーダーチャートを見るとほとんどの項目で川崎の方が高い数字だ。しかし下の表を見るとシュート率はロングカウンター以外全て浦和の方が好成績だ。
浦和は右サイド攻撃の指数がワースト3位でシュート率もワースト5位の数字と、右サイドはそこまで脅威ではなさそうだ。一方で自陣ポゼッションはリーグトップの数字で、シュート率はリーグ4位と量と質ともに高い。敵陣ポゼッションはそこまで高くないため、自陣でボールを繋ぎつつ敵陣に進入して擬似カウンターのように速く攻撃して来そうだ。川崎としてはハイプレスをかわされることが多くなると厳しい試合となってしまう。
そしてもう一つ警戒すべきはセットプレーで、攻撃セットプレーの指数自体は高くないがシュート率はリーグ2位だ。得失点のプレー割合でも述べるがセットプレーは非常に要注意だ。

3.攻守のスタッツ

浦和の攻撃回数は115回でリーグ17位とトランジションの少ないチームであることがわかる。川崎も117.7回でリーグ11位ということであまりハイトランジションなゲームにはならないかもしれない。浦和は攻撃回数が少ないもののシュート数は13.8本でリーグ3位と非常に効率よく攻撃できており、チャンス構築率も12%と高い数字だ。しかしシュート成功率が8.6%でリーグ11位とボトムハーフの成績で、せっかくのチャンスを決めきれていない。
一方の川崎はシュート以下のデータ全てトップハーフでPA進入回数はリーグ2位の14.9回だ。あとはリーグ7位のシュート数を増やしたい。

浦和は被攻撃回数が108.4回でリーグ1位とやはりトランジションは少ない。ボール支配率は52.8%ということで基本はボール保持だが、相手からボールを是が非でも取り上げるというわけではなさそうだ。被チャンス構築率は10.2%でリーグ11位だが、それよりも肝心な被シュート数は11.1本でリーグ5位のため守備はある程度機能していると言える。そして打たれたシュートにもしっかり対応しており、被シュート成功率は8.2%でリーグ3位。その結果被ゴールは0.9でリーグ2位だ。川崎は被シュート成功率が10.3%で16位と低い数字になっている。

浦和のゴール期待値1.61はリーグ2位で質の高いチャンスを多く作っていることがわかる。しかし実得点との差-0.43はリーグワースト4位でそれを決め切れていない。守備面では浦和の被ゴール期待値はリーグ5位で実失点ともあまり変わらない。

川崎はゴール期待値1.202がリーグ10位の数字。しかし実得点との差0.298はリーグ4位の数字で浦和とは逆に決め切ることでゴールを重ねている。
川崎の被ゴール期待値1.037はリーグ4位で、これは浦和と同じく実失点との差はあまりない。

4.得失点のプレー割合

浦和はPKを含めたセットプレーが全得点の半数以上を占めている。特にPKの6得点はリーグ最多。そして川崎が最も多く失点しているのはセットプレーとクロスからで6失点と、二つ54.6%を占めている。浦和の得意なプレーと川崎の苦手なプレーが噛み合っており、川崎としては不要なファールはもちろん、ファールをしなければならないシチュエーションも減らしたい。

そして川崎も攻撃ではセットプレーから多く得点を取っており、全体の29%となる9得点。次にショートパスからが22.6%で7得点だ。そして浦和の失点もセットプレーが最も多く全体の35%で7失点、次にショートパスで全体の20%の4失点。これも嚙み合っているが、この試合はセットプレーが非常に重要だ。

5.シュートエリア

浦和と川崎のシュート数を比較すると、PA右とPA中央はほぼ同じとなっている。しかしPA左からのシュートは浦和の方が多く1.7本でリーグ2位となっている。そのため浦和のPA内シュートは8.4本でリーグ4位だ。また浦和はPA内だけでなくPA外からもシュートを打っており、5.2本はリーグ5位の数字だ。被シュートを比べるとPA内からの被シュートは両チームほぼ同じで、浦和は6.7本でリーグ5位、川崎は6.6本でリーグ4位となっている。しかしその内訳を見ると異なり、浦和はPA中央からの被シュートが少なく4.6本でリーグ2位。川崎はPA左と右からの被シュートがそれぞれ0.6本でリーグトップの数字だ。また川崎は被PA外シュートも少なく3.6本でリーグ4位だ。

6.まとめ

ここまで見てきたように浦和はクローズドな展開が多く守備も固い。そして攻撃ではチャンスを決め切れていない。川崎はそもそものシュート数があまり多くないことを踏まえると、オープンプレーでゴールが生まれる可能性は低そうだ。となるとやはりセットプレー。ありそうなプレーとしては川崎がハイプレスをかけるが、浦和が疑似カウンターを発動してCKを獲得。そのCKからゴールというプレー。これだけは避けたい。攻撃面で言えば浦和の手堅い守備に苦戦するだろうが焦れずに続けていきたい。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

7.データ引用元


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