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J1第16節 京都サンガF.C対川崎フロンターレ データプレビュー

前節はホームで0-4と湘南に大敗した川崎。前節のプレビューで、直近5試合平均で川崎は無失点、湘南は2失点というスタッツを取り上げたが、見事にそれをひっくり返されてしまった。川崎がホームで4点差をつけて負けるのは22年ぶりだそう。
他のレビュアーさんもおっしゃっていたが、正直がっかりな内容だった。自分たちのスタイルどうこう以前の問題で、裏を狙うことで相手を押し下げることができてその結果手前が空く。裏ばかり狙っていたらそりゃ対応されてしまう。そういう基本ができていない試合だった。
そして今節の相手は昇格組の京都。監督はかつて湘南の監督を務めていた曺貴裁さん。湘南同様にハードワークしてくるはず。連敗は許されない。

このデータプレビューはデータのみの記事であり、データで見るとこんな試合になりそうだというあくまでも試合予想の一部分です。

1.両チームの成績

京都は現在4勝5分6敗で勝ち点17の13位につけている。トータルでは1試合平均得点が1.0で失点が1.2と良くも悪くもなく、言い方悪いかもしれないが無難な数字だ。それはホームでも変わらず2勝2分3敗で得点が0.9で失点が1.1という数字。ただ直近5試合を見ると0勝2分3敗と不調。その原因は攻守両方にあり得点は0.4で失点が1.4とゴールを奪えない上に失点も多いという結果になっている。

そして京都に乗り込む川崎は9勝3分3敗で勝ち点30のリーグ2位。神戸戦で首位に上がったが湘南戦の敗戦により、勝ち点は並んだものの得失点差で逆転されてしまい2位に転落した。そこでトータルの得点と失点を見てみるとそれぞれ1.3と1.1で、1試合平均での得失点差は0.2しかない。ただアウェーになると得点が1.5に増加し失点が0.9に減少したことで、4勝3分1敗と比較的良い成績となっている。直近5試合では得点が1.0とあまりとれていない。失点0.8は湘南戦での4失点のみでそれ以前の4試合はクリーンシートだ。

京都は2010年より12シーズンぶりの昇格となるため、あまりこの対戦成績はあてにならないかもいれないが、通算対戦成績では京都の7勝1分14敗と川崎が大きく勝ち越している。それは京都ホームでも変わらず京都が4勝で川崎が7勝という結果になっている。

2.チームスタイル指標

チームスタイル指標は25日のゲームで更新された。まずお互いのスタイルを見ると川崎は敵陣ポゼッションが78と非常に高い数字でこれはリーグダントツで1位の数字。個人的にはそんな敵陣でボールを握っている印象はないが。一方の京都はショートカウンターが59で高い数字。前節の湘南と同様に川崎のボール保持対京都のカウンターという展開が予想される。
シュート率を見ると川崎が上回っているのは攻撃セットプレーと左サイド攻撃。ただこの二つは京都も川崎もほぼ同じ数字で川崎が京都よりも大きく武器になる攻撃はない。シュート率で差がついているのは右サイド攻撃で川崎は8%という数字。これはリーグワーストの数字で家長山根の武器となるはずの右サイドからシュートに繋げられていないことがわかる。一方の京都も特別シュート率が高いプレーはなく、正直どっちのチームのどのプレーを警戒すべきかはわからない。

3.攻守のスタッツ

今季は三度の4失点など苦戦している川崎だが一応どのスタッツも京都より好成績を残している。まず京都から見ていくとチャンス構築率が8.4%でリーグ16位とかなり低い数字。シュート数も10.1本で同順位と、シュートをなかなか打てれていないことがわかる。その要因として考えられるのがPAへ進入できていないこと。PA進入回数は10.4回で14位。なかなかゴール近くにボールを運べれていない。だがシュート成功率はウタカのおかげか9.9%でリーグ7位の数字と、これはトップハーフに入っている。今節もウタカがシュートをどれだけ打てるかで勝敗が分かれそうだ。

続いて守備のスタッツ。こちらもほとんどのスタッツで川崎が上回っているが、唯一京都の方が好成績となっているスタッツは被シュート成功率でリーグ4位の7.9%だ。一方の川崎は9.6%で15位という数字になっている。他のスタッツを見てみるとシュート数やチャンス構築率などは川崎の方が良い数字で、被PA進入回数に関しては京都が14.9回で17位なのに対して川崎は8.9回でリーグトップの数字。PAに進入されてシュートを打たれているが止めている京都とPAに進入させずシュートを打たせないが決められている川崎の対戦となる。川崎としてはしっかり決定機を決め切りたい。

京都はゴール期待値が0.987で実得点が1とほぼ期待値通りのゴールを決めており、前述した攻撃のスタッツを踏まえても決定機を決め切ることでゴールを稼いでいることがわかる。ただゴール期待値0.987はリーグワースト1位の数字でできればもう少しチャンスを作りたいはずだ。そして被ゴール期待値1.603もリーグワースト2位の数字だが、実失点との差-0.403はリーグでトップの数字ということで、やはりチャンスは作られているが止めることで失点を防いでいる。

一方の川崎がゴール期待値が1.036でこれはリーグ14位の数字。しかし実得点との差0.234はリーグ2位の数字で、期待値のあまり高くないシュートを決め切ることでゴールを増やしていることがわかる。そして失点に関しては期待値とほぼ変わらない。これはプレビューでたびたび書いているが、被ゴール期待値と実失点が同じくらいなのに被シュート成功率が低いということは相手のシュートシーンの内ほとんどが期待値の高いシーンだということ。川崎に当てはめてみると失点するシーンは被カウンターで決定機が多いということだ。実際にそれでマリノス戦もセレッソ戦も湘南戦も4失点している。

4.得失点のプレー割合

京都は得意なプレーがはっきりしており、クロスからが最も多く全得点の3割を占めて5得点。次にセットプレーからが4得点で26.7%を占めている。一方の川崎はクロスからが全体の約3割で5失点している。ここは京都の得意なプレーと噛み合ってしまっている。湘南戦でもクロスに対してドフリーで打たせてしまい失点した。そのようなことはなくしたい。

川崎はセットプレーからが全得点の35%を占めて7得点、ショートパスからが30%で6得点と、セットプレーとショートパスを武器にゴールを奪っていることがわかる。一方の京都はショートパスからの失点が最も多く27.8%で5失点。これも川崎の得点と噛み合っている。おそらくある程度PAに進入できると思うので後はパスを繋いでゴールを決め切りたい。

5.シュートエリア

両チームのシュートと被シュートが打たれた場所について見ていく。まずは京都。京都のシュート数は10.1本でリーグ16位の数字だったが、PA左から打たれたシュート数は1.1本でリーグ10位。ただこれ以外のエリアから打たれたシュート数はすべてワースト2位の数字だった。川崎としては京都のPA左つまり川崎の右サイドは警戒しておきたい。
つづいて京都の被シュートについて。被PA内シュートが6.3本で13位、PA外は8.7本でワースト2位という数字。やはりシュートはPA内外を問わず打たれてしまっている。しかし一方の川崎のPA内シュート数は6.9本で14位の数字と少ない。果たして川崎は京都のPA内でシュートを打てるのだろうか。

6.まとめ

これは数日前の筆者のツイート。このツイートに書いてある通り川崎はよく走りトランジションの多いチームに勝ち点を落としている。そして今節の相手京都は攻撃+被攻撃回数がリーグ3位。走行距離はリーグ中位だが川崎が苦手とするタイプのチームではある。また得失点のプレー割合なども噛み合っており失点する可能性はある。となった時に川崎のアイデンティティであるゴールをどれだけ奪うことができるのか。大事な一戦になる。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

7.データ引用元


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