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J1第30節 川崎フロンターレ対横浜Fマリノス データプレビュー

11月14日土曜日にベガルタ仙台がガンバ大阪に4-0でまさかの勝利。正直この結果になるとは思っていなかった。しかし試合内容的にも仙台が素晴らしかった。長沢選手はもちろんすべての選手が高いインテンシティで戦っていたのに感動した。その結果によりフロンターレは鹿島に勝利すれば今節ホームで昨季王者のマリノスを倒し優勝を決めることができた。しかし結果は引き分け。鹿島が相手というのを考えると悪くない結果なのかもしれない。厳しすぎるかもしれないが、敗戦の次の試合に引き分けというのはシーズン前半から成長していないと感じた。自分は優勝すれば良いではなく、どう優勝するのかが重要だと思うのでできれば勝利したかった。しかしもう切り替えるしかない。アウェー大分戦で優勝するのに向けて今節マリノスに勝利を収めたい。

1.両チームの成績

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フロンターレは平均得点がまた0.1点減少。最も多かった時期から0.5点減少した。また平均失点も0.1点増加。このデータを楽観視はできないと思う。ここまでも書き続けてきたがここ数試合からこの傾向はある。直近5試合では得点が1.6に減少している。失点が少なかったので気にしてこなかったが、正念場の残り数試合は気合いを入れ直していかないとずるずる引きずってしまう。まだ優勝が決まったわけでないことを再認識していきたい。
昨季王者の横浜Fマリノスは現在7位。14勝5分13敗と敗戦が多くなっている。1試合平均1.7点はかなり多い。昨シーズンは仲川を中心とて攻撃力が武器であったマリノスだが今シーズンも得点力はあるものの失点が多いのがこの順位にいる原因。アウェーでは負け越している。その要因は得点力。失点はTOTALと変わらないが得点が0.4減少している。直近5試合では得点が爆発。土曜日のホーム浦和戦の6-2が影響しているが、その試合を除いても平均1.75得点している。フロンターレとしてはマリノスの攻撃を食い止めたい。それはおそらく難しいことではないが、マリノスの守備が弱いとしてもフロンターレの攻撃も現在少し低迷中なので得点することの方が重要。

対戦成績はフロンターレが2勝分多いがほぼ互角。フロンターレホームでは圧倒的にフロンターレ優勢。しかし昨シーズンの第33節1-4で敗れた。あの試合はフロサポにとって衝撃だったはず。王者として臨んだシーズンをなかなか勝ちきれない中、同じ神奈川のマリノスに敗れ優勝を後押しした形になった。しかし今節は正反対の状況になった。昨シーズンのリベンジを果たしたい。

2.チームスタイル分析

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やはり攻撃力のあるチームであってゴール率がフロンターレを上回っている項目が2つある。これはおそらくプレビューを始めてから初。昨シーズン同様高いボール支配率(58.4%でリーグ1位)のマリノスだが自陣敵陣ポゼッションの指数は高くない。敵陣ポゼッションの定義は”敵陣において20秒以上ボールを保持した攻撃”となっているので20秒以上ボール保持することは多くないが、即時奪回によってボールを奪うことで総合的に支配率が高くなるのかもしれない。となるとお互いに即時奪回を目指すチームなのでボールを奪った後にどれだけボールをつなげるかが注目。マリノスの高い項目はセットプレーと左サイドでの攻撃。しかしセットプレーはシュート率ゴール率ともに高くはない数字。おそらく攻撃力を警戒した相手チームにファールで止められることが多くセットプレーが多いが、シュートにまでは至っていない。左サイドに関してもシュート率ゴール率は高くない。一方で右サイドのゴール率は2位。ただしシュート率は11位。右サイドはシュートにまで至れば高確率で得点が入る。しかしおそらくマリノスはサイドをチャンスメイクとして使っているので、両サイドのこのデータはマリノスのスタイルを表している。
前回対戦ではマリノスがハイラインかつサイド圧縮で守備をすることを利用し、三笘を左サイドで常に張らせてロングボールなどで三笘に勝負させていた。実際に先制点もその形からだった。今節も同じことをやるかは微妙。マリノスはかわらずハイラインだが横方向のコンパクトネスが前回対戦時よりも低い数字なので全く同じ手は通用しないかもしれない。ただやはりハイラインなので裏のスペースは積極的に利用したい。となるとトップはダミアンよりも宮代の方が良い気がする。

3.攻守のスタッツ

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攻撃回数っが1位なのは先述した支配率とポゼッション指数と同じ原因。ボールを取られたら取り返すことができているので、必然的に攻撃回数が増えている。ボールを奪って奪い返してを繰り返しているのでそもそもしっかりと攻撃できた回数が少ないはず。となるとこのチャンス構築率6位はむしろ良いデータなのではと思う。シュート成功率に関してはやはりチーム内得点ランキング上位3人のブラジル人が高い数字を残しているためチームとしても高い数字となっている。守備面では良いデータはならんでいない。被攻撃回数が18位なのもまた同じ理由。被チャンス構築率や被シュート数も悪くないが被シュート成功率が15位でかなり悪い。今季マリノスの失点が多い直接的な原因、もっと言えば7位という順位の原因でもある。これに関してはゴール期待値で検証する。

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得点はフロンターレと同じように期待値を実際のゴールが上回っている。しかし失点に関しては期待値以上の失点をしてしまっている。この差0.3は清水と神戸に次いでリーグワースト3位。期待値以上の失点をしている原因としてGK梶川と朴のセーブポイントがあまり高くないことも挙げられるが、失点についてGKだけの責任にするのは短絡的すぎる。これについては失点のプレー割合でも触れたい。

4.得失点のプレー割合

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マリノスの失点は圧倒的にクロスからの失点が多い。これもマリノスの失点が多い理由。ゴール期待値がどう計測されるかはわからないが、クロスからのシュートの期待値が低く算出される可能性もあるかもしれない。クロスに対しての対応が悪いのかクロッサーに対するプレッシャーが甘いのかは映像を見ないとわからない。あとはロングパスからの失点が5点というのは多い方。これは間違いなくハイラインの裏を狙われた結果。フロンターレとしてもハイラインの裏は狙い、グランダーでマイナイス方向へのクロスから得点したい。

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マリノスはやはりショートパスからの得点が多い。ただそれ以上に警戒しなければならないのはクロスとドリブルからの得点。ドリブルからの得点8点はリーグトップの数字。特にジュニオールサントスのドリブルポイントがリーグ2位。三笘の1つ上の順位。チームスタイル分析でも述べたようにサイドを起点にして特にグランダーのクロスを入れてくるのが、クロスからの得点が多いことからもわかる。クロスとドリブルともに両サイドハーフが起点になるのでそこをどう抑えるかが注目。

5.両チームの注目選手

フロンターレの注目選手は宮代。ハイラインの相手ということを考えるとダミアンではないCFの選手の方が良い。悠が負傷中かつ山村も気になる状況で宮代の活躍を期待したい。今シーズンまだブレイクしたとは言えないが残りのシーズンでブレイクしてほしい。
マリノスの注目選手はジュニオールサントス。昨シーズン柏でオルンガに隠れて目立っていなかったが、マリノスに移籍してから爆発。チーム内得点ランキングでエリキとともに13ゴール。シュート成功率は18.1%で決定力も高く、先述したとおりドリブルポイントがリーグ2位。一人で打開してゴールまで決めてくるFWはかなりやっかい。

6.まとめ

書いている側としてはマリノスのようなチームはデータを見てるだけで面白い。ただそれは手強い相手だということ。お互いにポゼッションをしたいチームなのでボールを支配することができたチームが優位に試合を進められる。マリノスは奪われても奪いかえしてというのをしてくるので、フロンターレとしてはそこをどう突破いていくのかが鍵。神奈川ダービーで昨季王者を倒して優勝に王手をかけたい。

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