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J1第13節 川崎フロンターレ対アビスパ福岡 データプレビュー

ACL後の初戦となったアウェー清水戦を勝利した川崎は約1ヶ月ぶりにホームに帰還し、アビスパ福岡と対戦する。清水戦はACLの疲労があったはずだが2-0と内容面も悪くなく勝利できた。一方の福岡は昨シーズンを8位で終えJ1残留を達成。今シーズンもこれまでと同様固い守備が特徴のチームとなっている。川崎としては3連覇を目指す上でこのような相手はしっかり倒さなければならない。久しぶりのホームで勝利して欲しい。

このデータプレビューはデータのみの記事であり、データで見るとこんな試合になりそうだというあくまでも試合予想の一部分です。

1.両チームの成績

川崎は現在勝ち点23で2位につけている。1試合消化の多い鹿島が勝ち点25のため、未消化の試合を勝利すれば首位に戻ることができる。ホームでは4勝1敗という数字で、1試合平均得点は1.2で失点は1.0となっている。失点に関してはセレッソ戦で4失点しており、それを除けば浦和戦の1失点のみで基本は堅守を保っていることがわかる。直近5試合(清水戦より前は約1ヶ月だが)では3勝1分1敗。得点が1.4で失点は1.0となっている。なおこの失点もセレッソ戦のものが含まれている。

福岡は勝ち点15で11位。トータルでは3勝6分3敗と引き分けが多く手堅い印象だ。得点は0.8と1試合平均1点を下回っており若干得点不足気味だ。しかし失点が0.6とかなり低い数字で、守備がチームと基盤となっていることがわかる。アウェーでもその傾向は変わらず失点が0.8と増えたこともあり、2勝1分2敗と勝敗がつく試合が多い。直近5試合では2勝2分1敗と好調で、得点はトータルの0.8から1.2に増加し、失点は0.6から0.4へと減少している。非常に調子が上がってきている。

トータルの対戦成績は川崎の15勝1分7敗と川崎が大きく勝ち越している。川崎ホームとなるとさらにその傾向は強まり、川崎の10勝2敗と必ず勝負がついている。福岡のアウェーや直近5試合での傾向も踏まえると、引き分けという可能性は低そうだ。

2.チームスタイル指標

前述したように福岡のチーム基盤は守備。従って攻撃のスタイルを示すチームスタイル指標は低い数字が多い。しかしロングカウンターに関しては58という数字で川崎よりも高い。ただシュート率はそれほど高くなく13.1%という数字だ。福岡は敵陣ポゼッションのシュート率が高く31.4%となっている。しかし試合展開としては川崎がボールを持ち福岡がカウンターとなるはずであまり警戒する必要はない。ただカウンター後の二次攻撃は危険なのでカウンター後はしっかりボールを奪うかプレーを切りたい。後述するが福岡の守備は相当固い。川崎はチームスタイル指標を見てもわかるように敵陣ポゼッションと中央攻撃の指数が非常に高い。おそらくその展開にもちこむことはできるが、福岡の守備を崩すためには中央攻撃に拘らず守備ブロックを左右に振っていきたい。

3.攻守のスタッツ

福岡の攻撃回数が121.6回でリーグ15位と低い数字なのは清水と同じ原理で守っている時間が長く、ボールを奪う回数が少ないからだ。しかし清水はシュート数やチャンス構築率などで好成績を残していたが、福岡はのきなみボトムハーフの数字で攻撃面に問題点を抱えていることがわかる。ロングカウンターのシュート率も低かったことを考慮すると、川崎としてはカウンターのリスクを負ってでも、チャレンジングなパスを入れて福岡の守備ブロックを崩していきたい。

福岡は守備がチームの基盤となっているだけあって、守備面では良い成績を残している。被攻撃回数はそもそもの攻撃回数が少なく、ボールを奪われたり相手のセットプレーでスタートすることが少ないためこのような数字になっている。被PA侵入回数が10.1回でリーグ6位の数字とこれだけでも、しっかり守れていることがわかるが、その他のスタッツは全てリーグ2位の数字。質と量どちらも福岡の守備は優れている。どうやってこの福岡の守備を崩すのかが注目だ。川崎の被シュート成功率と失点の数字に関しては前節のプレビューで書いたのでぜひ。

川崎は実得点がゴール期待値を0.376上回っており、これはリーグでダントツ1位の数字。理想はゴール期待値が実得点を上回り、実失点が被ゴール期待値を下回ること。上のグラフだと山形になることだ。川崎は徐々にその形に近づいている。どれだけ期待値よりも実失点を減らしていけるかが今季の川崎としてはポイントになるかもしれない。

福岡のゴール期待値は1.356で川崎を上回っておりリーグ8位の数字。しかし実得点は0.8と低い数字で、実得点との差0.606はリーグワースト3位の数字。川崎とは正反対の数字となっている。一方で被ゴール期待値0.969はリーグ2位の数字で、さらに実失点はそれを下回って0.6という数字になっている。

4.得失点のプレー割合

福岡はそもそも失点が少ないためデータ数としては不十分なので、この傾向=そのままチームの弱点ではないと思うのであまり触れません。川崎に関してはやはりショートパスからの得点が多く全得点の約35%である6ゴールを決めている。前述したように福岡の守備は固いはずで、それをショートパスで崩すことができるのか。ただ川崎としてはショートパスで崩しきれなくても、セットプレーからも得点が奪えており、それは福岡にとっては警戒すべき点かもしれない。

福岡の得点も失点と同様だか、得点よりも特徴が顕著に出ておりショートパスからが4得点で全体の4割となっている。それに対して川崎はクロスからの失点が4点で最も多い。両チームの得意なプレーと苦手なプレーは噛み合っておらず、この試合の注目点はやはり川崎の攻撃と福岡の守備になる。

5.シュートエリア

福岡のシュート数は11.1本でリーグ14位の成績だったが、そのエリア別内訳を見てみるとPA中央でのシュートが最も多く7.1本。これはポゼッション型の横浜FMに次いでリーグ2位の数字だ。チャンス構築率は低かったがシュートを打った場合のほとんどはPAとなっている。しかし見方を変えればPA外からのシュートは3.3本のみでこれはリーグワースト2位の数字。福岡としては遠目からでも積極的にシュートを打っていくべきなのかもしれない。
福岡の被PA内シュートは6.9本でリーグ7位と特別良い数字ではない。しかしPA外からの被シュートは2.8本でこれはリーグ1位の数字だ。たとえPAの外であってもしっかりプレッシャーをかけてシュートを打たせないという福岡の姿勢が見える。

6.まとめ

ここまで読んでいただいたらわかる通り、福岡の守備は相当固い。PA内だけでなくPA外でもシュートを打たせない。守備の時間が長いという意味では前節の清水と同じだが、清水の方が攻撃に特徴を持ったチームだったが福岡は完全に守備から入るチームだ。そのためカウンターの対応さえしっかりできればため攻撃に警戒すべき点はあまりなない。川崎としては福岡の守備をどうやって崩していくのか、これが今節の見所だ。個人的には古巣対決となる遠野に福岡の守備を撹乱して欲しい。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

7.データ引用元


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