J1第32節 川崎フロンターレ対清水エスパルス データプレビュー
川崎は前節アウェーで札幌と死闘を繰り広げた結果敗戦したしまった。マリノスは勝利したためこれで残り4試合で勝ち点差8と可能性はまだあるもののほぼ優勝は不可能になってしまった。さらに札幌戦でジェジエウの車屋のCBそしてGKのソンリョンが負傷。メンタル的にもフィジカル的にも難しい中で今節はホームで清水と対戦する。
1.両チームの成績
川崎は勝ち点54で2位につけているが、3位の広島は1試合消化が多いとは言え勝ち点で並んでいる。もし今後勝ち点を落とせば2位も怪しくなってくる。トータルでは16勝6分8敗という数字で優勝するには敗戦数が多すぎる。1試合平均得点は1.8と好成績だが失点が1.2と多くなっている。しかしホームになると2敗しかしておらず(大敗のため印象は強いが)、得点も2.1と非常に多く、失点も1.0と及第点。
直近5試合では1勝2分2敗と不調。得点は2.0で失点は1.6という数字だが、得点は広島戦の4得点に影響されており、失点は前節札幌戦に影響されている。
一方の清水は勝ち点32で14位と残留争い。王者川崎のホームとは言え調子を落としている相手に勝ち点を奪いにくるだろう。トータルでは7勝11分12敗でわずか7勝のみ。これはリーグワースト2位の数字だ。その要因は失点で1試合平均1.5失点してしまっている。しかし川崎とは逆にアウェーでは5勝4分6敗でトータル7勝のうち5試合がアウェーということになる。得点はトータルと変わらず1.3だが、失点が1.2へと減少している。アウェーではより守備的になるからかもしれない。
川崎も直近5試合は不調だったが清水も同じで1勝2分2敗で得点が1.0へと減少し、失点が1.4へと増加してしまっている。
通算対戦成績では川崎の18勝10分11敗と川崎が比較的優勢。しかし川崎ホームでは9勝7分4敗となっており、グラフを見れば分かるように引き分けの割合が高く、トータル10分のうち7分が川崎ホームとなっている。
2.チームスタイル指標
まず表を見ると清水の方が攻撃セットプレー以外の項目で川崎よりシュート率が高くなっているが、そもそも母数となる清水の攻撃回数自体が少ないため、1本のシュートで大きく変わるためこのような数字になっている。
清水は攻撃回数が少なく、攻撃セットプレーとショートカウンターはリーグワースト、左サイド攻撃はワースト2位の指数となっている。
シュート率は前述したように高い数字が多く、左サイド攻撃と右サイド攻撃はリーグトップ、中央攻撃はリーグ2位、ショートカウンターと自陣ポゼッションもリーグトップの数字となっている。
注目ポイントとしては自陣ポゼッションだ。他の項目がほとんど50を下回ってるのに対して、自陣ポゼッションは55と比較的高めの数字で、さらにシュート率はリーグトップの数字。
3.攻守のスタッツ
川崎はボールを奪われず保持する時間が長いため攻撃回数が少ないが、清水はボールを保持されてる時間が長く奪う回数も少ないため18位の数字となっている。しかしシュート数は12.3本でリーグ9位と攻撃回数に比較すると好成績だ。そのためチャンス構築率も高くリーグ4位の11.5%。しかしPA進入回数は10.3回でリーグ13位、シュート成功率は10%でリーグ10位の数字だ。川崎としてはボールを保持していたとしても油断すれば奪われてシュートまで持っていかれる可能性があるので注意したい。
攻撃回数と同様に被攻撃回数も原因は異なるが両チームとも同じような数字。川崎は失点が多めだと前述したが、スタッツを見ると被シュート数は10本でリーグトップ、被チャンス構築率は8.8%でリーグ2位、被PA進入回数も9.1回でリーグトップと良い数字が並んでいる。しかし被シュート成功率が11.7%でリーグ16位のため失点は1.2でリーグ9位となっている。この現象の要因は後ほど。
清水は守備の時間が長いとは言え被シュートから被ゴールまで16位と17位のスタッツという成績になっている。
川崎はゴール期待値1.391に対して実得点は1.8となっており、期待値自体はリーグ4位だがその差0.379はリーグトップの数字だ。一方で被ゴール期待値1.027はリーグトップの数字。しかし実失点は1.2となっており、被シュート成功率が高かったことからもわかるように、実失点との差0.143はリーグワースト3位の数字だ。これから推測できるのは、川崎がシュートを打たれるシーンは決定機が多いため決められてしまうというもの。今シーズンの川崎はセットした守備を崩されることよりも、カウンターや速い攻撃でシュートを打たれてしまうためこのようになっている。やはり今節もカウンターは警戒したい。
清水はゴール期待値1.124に対して実得点が1.2と上回っている。守備的なチームとしては好成績だ。被ゴール期待値は1.326でこれはリーグワースト5位。さらに実失点との差0.104は川崎に次いでリーグワースト4位。これは川崎とは違いシュート数も多かったことから、単純に守備の時間が長い時間からだ。
4.得失点のプレー割合
川崎はセットプレーからの得点とクロスからの得点が最も多く11得点。さらにショートパスからの得点が10得点と、この三つだけで約60%を占めている。一方の清水はクロスからの失点が最も多く10失点、次にショートパスからが9失点、セットプレーからが7失点と続く。川崎としてはある程度押し込めることが予想されるので、クロスやセットプレーからゴールを狙いたい。
清水の得点割合を見るとクロスからが12得点とこれだけで約30%を占めている。一方の川崎はショートパスからが9失点で最も多いが、クロスからの失点も8失点とほぼ同じ。川崎はここ数年クロスからの失点が多い。今節の相手清水はクロスから多くの得点を上げており、特にクロスポイントがリーグ4位の山原から得点ランクトップのチアゴサンタナへのクロスは要注意だ。
5.シュートエリア
清水は攻守のスタッツで見たように攻撃回数が少なくシュート数も多くはなかった。しかしシュートエリア別に見ると、PA右からのシュートがリーグ2位の1.1本でPA左からのシュートはリーグトップの1.7本だ。川崎としては被カウンターでのクロスというシチュエーションを考えると、戻りきれてないSBのスペースは狙われる可能性がある。一方で守備面に関してはPA中央からの被シュートがワースト2位の6.5本と最も失点しやすいスペースでシュートを打たせてしまっている。またPA外からの被シュートもワースト2位の5.9本だ。
川崎はシュートにおいてあまり目立つスタッツはなく、被シュートにおいてはPA中央からの被シュートがリーグトップの4.9本、PA右からの被シュートが0.8本でリーグトップ、PA外からの被シュートが3.8本でリーグ3位だ。
6.まとめ
今節川崎が引き分け以外だとマリノスの優勝が確定してしまう。川崎にとって逆転優勝はかなり困難だが少しでも争いたい。もちろん清水にとっては残留争いのために勝ち点が欲しいゲーム。川崎としてはコロナ禍初のホームでの声出し応援がある。その力を受けて勝利したい。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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