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生涯忘れない最強のファンコメント

物心ついた時からオタク気質。ゲームを遊びマンガを楽しみ、ライトノベルに親しんで育った私はいつしか、同人作家として創作活動をたしなむようになっていました。
活動を通じて沢山友達ができ、即売会で顔を合わせるのが楽しみになり。決して売れ手サークルでも作品のクオリティが高いわけでもなかったけれど、イベント会場に行くたびにワクワクした青春の一ページです。

創作友人の家に遊びに行ったとき、友人のお母さんが私を快くもてなしてくれました。今度はこれを次のイベントで売るんです、と絵を描いてラミネートしたしおりや便箋などをお母さんに見せたら「あらかわいい!」と喜んでくれたので、遊びにいく折に新作のグッズをプレゼントしていたのです。
そうやって何度かグッズを差し上げていたある日、友人のお母さんが言いました。

私ねぇ、あなたの作るもの全部好き!
また持ってきてちょうだい、大事にするから

お母さんの感想を当時は「すごく喜んでくれてる! 嬉しいな、また作ろう」ぐらいにしか思っていなかったのですが、大人になってから「なんて素晴らしい言葉を私はもらったんだろう」と気づいたのです。
手掛けたものの出来は関係ない。人気の作品のグッズだとか、人気のキャラクターだからではなく、友人のお母さんは私が作ったものであるからこそ喜んでくれている。この先もあなたが楽しんで作品を作るのを待っている、の期待がこもった最高の祝辞であり、創作をする私を全肯定する無限の受容でした。


その後、実際にクリエイターとしてプロの現場に入った私は、作品を完成させて市場で売る難しさを経験しました。プロを辞めて再びいち同人作家に戻った現在も、反応がもらえず気落ちしたり作品が上手く作れずスランプに陥ることもあります。
そんな時に、あのお母さんの言葉を思い出しては嬉しさを噛みしめ、「やっぱりもう少し創作をしたい」と立ち上がることができるのです。

人の心は変化します。いつまでも良い評価がもらえる保証はありません。
それでもあの時、「あなたの作るもの全部好き!」と言ってくれたお母さんの気持ちが確かに在った。そして今も、その言葉に鼓舞される私がいます。
この確かな事実と経験を忘れない限り、私は創作活動を終える時まで、先を照らす小さな明かりを携えていける気がするのです。

友人いわく、お母さんのタンスには私があげたグッズが全部残っているそうです。
昔の自分の熱意に負けないよう、なにかを作り続けられるクリエイターでありたい。そして手放しで誰かを受容できるような人間にも、なりたいと願い続けています。

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