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連載小説マザーレスチルドレン 完結済

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【ディストピア・暗黒小説】完結済 パラレルワールド近未来、資本主義社会の崩落。この国の平均寿命は五十歳足らずになっていた。子供の頃に生き別れた母親を探す主人公ハルト。彼の前に現れ…
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記事一覧

【連載小説】マザーレスチルドレン 第一話 廃棄物処理場【創作大賞2024漫画原作部門…

 創作大賞2024参加作品 #漫画原作部門 <あらすじ>  パラレルワールド近未来、資本主義社…

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【連載小説】マザーレスチルドレン 第二話 連続バラバラ殺人事件【創作大賞2024漫画…

「おーい、ハルト君、今帰りかい?」 そう言うとモリタはロビーを歩いていたハルトを呼び止め…

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【連載小説】マザーレスチルドレン 第三話 東和食堂とマスター【創作大賞2024漫画原…

「いらっしゃい……。おおー久しぶりだねぇ、ハル」  カウンター内の厨房で仏頂面してひとり…

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【連載小説】マザーレスチルドレン 第四話 I Shall Be Released 【創作大賞2024漫画…

The Bandの演奏するアイ・シャル・ビー・リリーストが天井から吊るされた小型スピーカーから流…

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【連載小説】マザーレスチルドレン 第五話 お誕生日会の夜【創作大賞2024漫画原作部…

「じゃーねー、ユイちゃんまたねー!」 「またねー、リカちゃん、ユウジくん」ユイがリカとユ…

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【連載小説】マザーレスチルドレン 第六話 ドブネズミ料理?【創作大賞2024漫画原作…

「いただきます!」そういうとハルトは出された料理に箸をつけた。  下味をつけた食材に薄い…

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【連載小説】マザーレスチルドレン 第七話 ゼンタイシュギシャ?【創作大賞2024漫画原作部門応募作】

「ねぇーマァマァー、ユイちゃんちのバースデーケーキすっごくおいしかったねー」  リカが楽しそうにレイコに話しかける。月のない暗い夜道。商店街の店舗は早々とシャッターを閉じている。レイコたち親子三人レイコを真ん中にして手をつなぎ並んで家路を急いでいた。  リカは今年でもう十歳だ。最近は急に生意気になって、何気ない会話をしてるつもりが時々レイコを驚かせる事を言う。 「そうねえ、本当に美味しかったわね」左側のリカの方を向いてレイコが言った。 「リカ、また食べたいよぉー」

【連載小説】マザーレスチルドレン 第八話 最悪の食糧難【創作大賞2024漫画原作部門…

「ねえマスター食糧難のときってそんなにひどかったの?」 「うん、世界的な大不況が来たかと…

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【連載小説】マザーレスチルドレン 第九話 饒舌なるヨシオカの独白【創作大賞2024漫…

「おう、ヒラヤマ。オレだ。例の食堂のガキさらってこい」 「そうだ今すぐに行け。何回も言わ…

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【連載小説】マザーレスチルドレン 第十話 のんだくれカジさん【創作大賞2024漫画原…

 どんっ!   入り口のドアが勢い良く開かれて一人の男が転がるように入ってきた。大きな黒…

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【連載小説】マザーレスチルドレン 第十一話 シークレットルーム【創作大賞2024漫画…

 センター通りを抜けて花屋の角を右折し千歳通りに入る。明滅するきらびやかな風俗店のネオン…

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【連載小説】マザーレスチルドレン 第十二話 マザーレスチルドレン【創作大賞2024漫…

「まあまあ二人とも、もういいじゃないですか、やめましょうよ、いい加減で。マスターもボクが…

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【連載小説】マザーレスチルドレン 第十三話 鬼畜の所業【創作大賞2024漫画原作部門…

───ヨシオカが経営するラウンジのシークレットルーム 「先天性の重症疾患かなんかで臓器移…

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【連載小説】マザーレスチルドレン 第十四話 役立たずの黒服 【創作大賞2024漫画原作部門応募作】

「ヤマサキ先生、びっくりするじゃないですか! ……驚かせないでくださいよ」  その男はヤマサキという年齢不詳で、でっぷり太った体躯に顔は色白で丸々と膨れ上がっている。見るものにすべてに西遊記に出て来る豚の怪物を連想させた。先生というのはマスターがそう呼んでるので、皆もそう呼んでるのだが、どこの何者か、なにをしてるのかマスターも実は知らなかった。最近になって急にあらわれ今では毎日欠かさず顔を出すこの店の常連のひとりだった。 「そうだ、先生は、早い時間にきて、すぐにトイレに入