2023/1/16 読 うつ病および抗うつ薬の使用と認知症およびMCIのリスク
【読んだ論文】
Depression and Antidepressants as Potential Risk Factors in Dementia: A Systematic Review and Meta-analysis of 18 Longitudinal Studies
Joyce Y C Chan et al.
J Am Med Dir Assoc. 2019 Mar.
(DOI:10.1016/j.jamda.2018.12.004.)
【研究デザイン】
meta-analysis (Up to Nov. 2018)
【内容】
・うつ病および抗うつ薬の使用が認知症およびMCIのリスクと関連しているかどうかを調査している。
・うつ病は認知症リスクの上昇と関連しており、抗うつ剤による治療がうつ病患者の認知症およびMCIリスクを減少させることができることは示されていない。
・抗うつ薬の使用は、うつ病患者のMCIのリスク上昇に関連している。
・うつ病患者のうち、抗コリン作用の強い三環系抗うつ薬使用は認知症の発症リスクを上げる。
・うつ病患者のうち、SSRI使用者は非使用者に比べて認知症リスクが有意に高いことが示された。
【要点・結論】
うつ病は認知症リスクの上昇と関連している。
抗うつ薬の使用は、認知症やMCIの予防因子であることは示されていない。
さらに、抗うつ薬の使用は、うつ病患者における認知症およびMCIのリスク上昇と関連している可能性がある。
そのため、高齢者に抗うつ薬(SSRI、TCA)を処方する場合は、必要性を十分に判断してから投与すべきであるし、漫然と続けるべきではないと考えた。
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