MIRROR ”VOICES” INTERVIEW (後編)
歌詞カードってあるじゃないですか。僕は基本的に歌モノしか聴かないんですが人によっては歌詞とかあまり気にしないとか、メロディーとか曲の雰囲気さえ良ければみたいなんですけど、僕はやっぱり歌詞がもの凄く大事で、歌詞とその曲感みたいなのが大事で。うちらはインストだけど一応僕なりにフレーズ作ってる時のイメージだったり、世界観って言ったら大袈裟だけどこんな感じの事を表現したい曲なんだってのがあるから、それを一度ちゃんと伝えたいなと。(木元)
藤本
今回はバンドや作品の裏側とか、そんな思いとかも伝えたくてこのセルフライナーノーツを作成したと思いますが、音楽自体はインストと言う形態で歌詞がない分、聴く人によって当然捉え方も異なってくるわけですけれども、そういった曲のコンセプトとか、アルバムのコンセプトとかっていうのを伝えたくて、今回このZINEを作ったって、そう思って良いですよね?
木元
そうすね、やっぱ歌詞カードって必ずあるじゃないですか。僕は基本的に歌モノしか聴かないんですよ。で、 よく人によっては歌詞とかあまり気にしないとか、メロディーとか曲の雰囲気さえ良ければみたいなんですけど、僕はやっぱり歌詞がもの凄く大事で、歌詞とその曲感みたいなのが大事で。うちらはインストだけど、一応僕なりにはフレーズ作ってる時とかってイメージしてるものだったりとか、世界観って言ったら大袈裟だけどこんな感じの事を表現したい曲なんだってのがあるから、それをやっぱ一度ちゃんと伝えたいなと。本当はライブの時に「この曲はですね」って、フレンチレストランとかだとシェフが「今日はですね、オマール海老の何々です~」みたいなのあるじゃないですか。あれを本当は曲前にペラ回して説明したいんですけど、だから今回は実際手に取って読んでもらえればこんな事をこの人たちイメージして作った曲なんだなって言うのが1つわかってもらえば良いと思ったのと、実生活とか今まで歩んで来た他愛もない日々の中で起きた事を表現してるので、そこで共感を得てもらえたり、そんな世界感があるんだなって、残念な人たちだなって思ってもらうのもひとつだと思うし笑、そんなのを表現したくてやりたいんです。
藤本
あとは今回のレコーディング自体はさっき森くんが言ったようにレコーディング手法とか曲の作り方からDIYだったよって意味でレコーディング手記を付け加えたわけじゃないですか。逆に福ちゃんとか磯とかは「ちょっと1ページぐらいよこせよ!」みたいな思いの丈を語るから的なのは無かったですか?
磯貝、福山
無い。
藤本
ホントに?CEOの本件のKPIを作成して来ました、的なのとか笑
磯貝
それはヤバイ笑
森
どっちかというとZINEの締め切りもギリだったんですよね。木元さんもかなりの文量を書いてくれて。俺も12ページぐらいでしたけど本当に1週間とかですもんね。1週間で割とすぐに書いて、
藤本
そうだね、雛形は最初早々にもらったんだけど結局文字量がわからないと台割作れないし、台割が無いとレイアウト作れないし、レイアウトが無いと最終的にページ数がわからないって事になっちゃうから、当初は「あれ?結構印刷でお金掛かるかな?」なんて思ってたんだけど笑
木元
あれですもんね、1回叩きの原稿書いて驚愕の2万字インタビューみたいな、すいません!
藤本
そうそう、「おお!そう来たか!」とか思って、
木元
特集号みたいな感じになっちゃって「曲解説は既存曲やめませんか?」 って藤本さん1回言って来たじゃないですか、でもその時に初めて聴く人は全部これ新曲だし、だから全部載せたいんですってわがまま言わしてもらったんですけど
藤本
もうワサッと来たからね、本当に結構ビックリしちゃって笑
木元
そう、怪文書みたいになっちゃって…
森
でも明確にサブスクとCDだとZINEが付く、記念品としての物としての価値はあれのおかげでかなり上がってる部分があると。であれを見る限りだと喜んでくれてる人も多い様なので、見て聴いて、また印象が違うとか言ってくれる人もいるので、そこはまさに嬉しいですよね。、
木元
だから次こそは俺と森くんは何も語らず、書かずに、磯貝くんと福山にZINEをね、なんかMIRRORのリズム隊って謎のベールに包まれている感じがあると思うんだよね。
磯貝
そんなことないよ笑
藤本
CEOと部下みたいな笑
木元
いやむしろ孫請け企業との関係みたいな笑
福山
もう俺はむしろ話が出てる時にとにかく自分に1ミリも振られないようにって事しか、ってかそもそも機材の話が出た時もずっとストレスって言うか笑、どうしようかなって。使用機材無しとかの方が逆に面白かったんじゃないかなとは思いますけど笑
木元
あれは藤本さんが俺んとこに、ほら、みんなにも言ったけど福山の機材紹介のとこだけとにかく薄いと。いや、藤本さんはドラマー目線。ドラマーだから、うん、なんかもっとね笑
藤本
そう、ダゼくんのセットも知ってるしさ、その名誉みたいな感じで…
福山
でも藤本さんと俺のこの長い付き合いの中で、ある程度俺がそういう男だってのは藤本さんもよく知ってるはずなので、
木元
知ってる上で、俺にどうにかならないのって笑
福山
あの兵糧攻めみたいになってて、もうどうしようかなって思ってましたよ、本当に。だから俺が箱のスネア使ってるって藤本さん知ってるでしょって、
木元
だってスティックだってこいつ、昔なんか前のドラマーが忘れてったやつとか、ステージに置いてあるやつを何か試し振りして、まさか使うつもりじゃねえだろうなって思ってたら「全然いいっすね」みたいな笑
福山
どうも笑 うん、そうなんですよ。だからZINEなんて本当に冗談じゃないっていう感じですけど。俺なんかが何も書けないですけど、なんかあのZINEを見て、木元さんがよく曲作り中に「この曲はこういう曲で」、「その都会でどうたらなんたら」とか色々ある中でわかったのは、ワウンドの時から1回も無いんですけど、ただ、あのZINEを見てこう言う事だったんだってのをこっちも発見できたっていう意味でだと、思い入れが少し上がりましたよね。
木元
ありがとうございます笑
磯貝
なんでそんなお客さんなんだよ!中の人だろ笑
福山
いや、そういう目線で読んでください。「うん、なるほどね」っていう感じでした。それが良いんだと思いますよ。そのバランス。うん(自己完結)
木元
いや、でも俺は1番福山と付き合いが長いし学生の頃から知ってて、これが福山の良さであり、 だからこそ福山なんだ。みたいな。
藤本
木元さんが方々でそれを言って福ちゃんをフォローをしてるっていう感じだったね笑
福山
ありがとうございます。とんでもないです。大丈夫です笑
バンドの中で頑張って解決した物って、最終的には成立しないなと。だからもちろん我々も頑張るんですけど基本的に自分たちは他のバンドとか「他者に活かされてる」って感覚もあってそれも忘れないってのと逆に、我々がこうやった時はその周りがこう活きるような形にしたいし、逆に周りから活かされる事にちゃんと感謝を持ちたい。(森)
藤本
あとはですね、今回は Xの反応なんかも見ると本当に待っていた方々が多く、色々と反応見てこっちもグッと来るものがありました。しかもリリース告知は3日間で10万インプレッションを弾き出したりもするんですけども、本当に凄い。そもそも最終的には聴く人の感覚に委ねられるものだと理解した上で、当然MIRRORも永遠に不滅だとは言い切れませんけれども、これからも少しずつでも前に進んでいくために必要なものって、なんだと思いますか。バンドを続けて行くためのモノ。
森
他力本願ですね(即答)。というかバンドの中で頑張って解決した物ってのは、最終的には成立しないなと。だからもちろん我々も頑張るんですけど基本的に自分たちは他のバンドとか、例えば藤本さんとかもそうですが「他に活かされてる」って感覚もあってそれも忘れないってのと逆に、我々がこうやった時はその周りがこう活きるような形にしたいし、逆に周りから活かされる事にちゃんと感謝を持ちたいし、バンドのこの4人のところだけで頑なにならず、ちょっと外側に広げたりとか、内側だけで解決出来ない問題に関しては場合によっては外に委ねてとか頼ってみたいな感じを、少しゆるくグラデーションを持って境界をハッキリこうMIRRORだってバンドで区切るよりは、少しそれを外側に広げて行く様な形でやって行くのが良いのかなって、結局長く続いたバンドってみんなそんな感じがしてます。
藤本
MIRRORの立ち位置ってすごい面白いよねって思うんだよね、昔から。
木元
あー、えどんなところすか?
藤本
もう、企画も本当にやらないよね笑 磯が入って1回ぐらいしかやってないんじゃない?ERAで。
磯貝
俺が入った時と、あと、malegoatと企画やったよね。
森
共同企画を一応シリーズ化しようかと思ったら、1回だった笑
木元
いやなんかね笑 それでこんな期間だけやってるって、すげえニッチな何かがあんだろうな、みたいな感じしますよね。なんかね笑
森
でもZINEの最後に木元さんがそのバンド関連図を書いたのは俺は凄い感動的で、基本的にMIRRORと言うバンドがあるんですけど、それはMIRRORと言うバンド1と言うよりは色んなバンドの集積のうちのここに今あるってだけなんだみたいな感じのイメージとか、 3cmtourがあって自分は杏露虫があってとかもありますけど、その純血ってよりは、色んなものが混じり合って結局残っていったみたいなところが、
藤本
でも木元さんだけはずっとだからね、
森
そうそう、木元さんという正当なる血統があって、
木元
いえ、汚れた、汚れた血ですよ笑
森
福山さんの、正当なる血統のうちの1番初めの嫡子な皇太子なんですけど、 あそこに対して天皇の系譜みたいな、
木元、福山
それはおこがましい!
森
いや、ただ色んなバンドでってのも、全体を含めてZINEにも書いたんですけど、我々のカルチャー全体としてのモノとして考えた方が良いのかなと言うのはやっぱりあって、凄い頑ななポリシーってのを逆に持たなかったが故に伸びて行ったと。最近ちょっと歴史とか好きな、そういう国が伸びるんですよ。ローマとかそういう国が割とスパルタみたいな、こう内側に籠って純血主義的な、
木元
ローマは国じゃねえよ笑
森
そんな色んな異文化を取り込んで、 どんどん取り込んで行くものっていうのは長く続くんですけど、純血主義でみたいなのは大体内輪揉めとかして、大体無くなるんですよね。そういうのがあって。はい、
藤本
ここらへん界隈だと、本当にMIRRORとakutagawaの立ち位置はすごい面白いなって。
木元
あれで定期的にスタジオ入ってるっていうのはヤバイ。
磯貝
毎週入ってるからね。
木元
って言ってるのがakutagawaのヤバイところって言う笑
なんか勿体ないなってのが思ってるところで、じゃあどうやって広げて行こうかみたいなちょっと戦略的にやった方が良いなって思っていて。(磯貝)
「嬉しい勘違いをし続ける事」って結構大事じゃないですか。傍から見れば「あいつ浮かれてんな」みたいな。でも結構それによって自分がポジティブになれたりするってあるじゃない。(木元)
磯貝
今まではなんかそれで続けさせてもらったんだろうなと思ってるんですよ。MIRRORって俺も途中から入った人だけど、いやCEOな発言になっちゃうけど、続けさせてもらった周りの人たちが続けられてなかったりとかするわけじゃん。極論言っちゃうとね、なのでちょっとスタンスや考え方を変えていかないと続けられないんじゃないのっていうのはすげえ思ってて。 そういう意味でだとこの間もさ、サブスクの再生比率見して「今まで聴いてくれてた人が聴いてくれただけじゃん」みたいな、言い方悪いけど。で、もうちょっと良いもん作ったっていう自信も持ってるんであれば広げるって事も含めて自分たちで次は動くって事もやってかないと続けらんねえんじゃねえのかなって思う。なんかこのまま続けても言い方悪いかもしれない先細りするだけなのかなっていう。活動としてね。バンドとして「なんかそれでも良いよ」って思うのもアリかもしれないけど、なんか勿体ないなってのが俺が思ってるところで、じゃあどうやって広げて行こうかみたいな俺はCEO的にちょっと戦略的にやった方が良いなって思っていて、ちょっと考えてやってみたらどうなのかなってのは、それが上手く行くかどうかわかんないけどね。
木元
いや、俺ね、磯貝くんの言ってた事に結局紐づくんだけど、今藤本さんの質問に対して俺がバンドをやり続けてこれから続けて行く為に必要な要素って何かなっていうのは結構ずっとあって、要は「嬉しい勘違いをし続ける事」で、勘違いしてるのって結構大事じゃないですか。傍から見れば「あいつ浮かれてんな」みたいな。でも結構それによって自分がポジティブになれたりするってあるじゃない。若い頃とか高校生ぐらいの時で言うと、なんか何組の後輩の1個下のなんとかちゃんが「なんかお前のこと良いって言ってるらしいぞ」みたいな。
藤本
またそういう例えか。
木元
でもなんかそれ聞いた時って「嘘!?マジで!? え、それ何?どういうこと?」みたいなのを感じて次の日からその子のことを変に意識しちゃったりとか。で、蓋開けてみたら全然ガセネタだったみたいな「全然向こう彼氏おるやんけ」みたいなのあるじゃないですか。だけどその浮かれた期間ってめちゃめちゃ、なんかすごく自分をブラッシュアップするし、ちょっと良い風に見せようとするし、ちょっとキラキラした日々みたいなのってあるじゃないですか。そういう意味でなんか「MIRRORって誰?なんか良いらしいぞ。とかっていう声があるらしいぞ」ぐらいあって「本当っすか?」みたいな、
森
まさにそれが今であるってこと。
木元
そうそう、それ。なんかやって良かったね、じゃあこれからも頑張ろうよってなんか勘違いし続けてでもポジティブになれてることが大事なのかなって、俺は思ってるんですよね。
藤本
本当それ。それで言うと今回のレビューで面白かったのが3LAの水谷くんのレビューで、
全員
はいはいはいはい。
藤本
『MIRRORがやっているようなアプローチも今や標準化され珍しいものではなく、時代を追い越してさらに先へ行ってしまった。 ここに完成された作品は、音源と合わせてファンジンに込められたテキスト&歴史を総括するファミリーツリー全部含めてのトータルな表現になっていて、それ自体がこの時代において失われたもの=人間を人間たらしめる「無駄」の素晴らしき蓄積。おそらくもう若者には通じない。それでもそんなことは関係ない。2000年代を本気で続けている中年だけが出せる味、食い上がれ』 って掲載があったのですよね。でも本当これスゲェ言いえて妙だなって超納得してしまって。木元さんもこれにはXでも反応してましたけども。逆にこれ今聞いてみて、皆さんどう感じますか?
森
水谷氏は大学の同期なんですよ。 なので彼の性格からそう言う事を言ってくれる、あと援護してくれるっていう気持ちはよくわかるんですけど、反論はしたいですね笑 だからちょっと火が着きましたね。そこはね、正直ありがとうだけど、ムカつくって話笑
木元
それはもうさ、森くんは大学とかの関係だから。俺はあれ見た時に「よくわかってくれてんだな」っていう気持ちになったの。俺は本当に嫌な感情1ミリもなく、まさに芯食ってるし、だけど彼もアンダーグラウンドってかこの界隈から始まって今色んな音源、世界中の音源とかそれもかなりハードコアだったりとかいインディーを追っかけてる中で、彼が我々の事をちゃんと見てくれて感じてくれてああ言う風に言ってくれてるっていうのは、これはもうリアリティで、多分こう言う事とかやってるのも居ないじゃないですか。さっきレビュー、この絶妙の立ち位置っていうところにも付随するんすけど、だからここはあれ見て「お!なんかちゃんと感じてくれてんだな」っていう風に、どっちかというと感謝の気持ち。
藤本
そうですね、個人的には僕も本当に良いレビューだなと思いました。
磯貝
俺も「食いやがれ」が良かったよね。食わず嫌いしてんじゃねえよって、食って判断しろみたいな。食わねえとわからない事いっぱいあるからねっていう。
木元
いや、でもこれ、藤本さんに言ってないですけど、やっぱ若者にはやっぱ通じないですかね?
藤本
あー、
木元
音的で、そのビジュアルとかじゃなく笑
藤本
いやー
木元
いや、それ、藤本さんがどう思ってるか聞きたくて、
藤本
う~んそうだね、多分今の若者にはなかなか通じないんだろうなって気もしますよね。なのでどうやって10代後半20代 をターゲットにどういったアプローチをしてったら良いのかなっていうのはね、CEOと考えなきゃダメかなっていう。
磯貝
超むずいよ。
藤本
そうですよね、やっぱり年齢層とかも配信のデータで出て来るので、30代、40代がやっぱり多いっすね。
磯貝
でもこれがさ、直近見るとそうでも無くなって来たんだよね。20代後半、30代前半も増えて来てて、あと 日本のリスナーが今まで当然多かったけど、急にアメリカがトップになってます。
藤本
お!何かあるじゃないですか?
磯貝
ピンポイントな日付だけどなんか再生数めっちゃ増えてて、アメリカのね、これはどこだ?あ、ブルックリンだ。
藤本
spotifyだとリスナーが元々多い都市だね。
磯貝
うん。なので何かのプレイリストに乗ったのか、ローカルのラジオで紹介されたか。ただspotifyだけなんで。なんかそんな意味だと、海外の方が全然反応あるかもなって思ったりする。
森
草の根活動で。
磯貝
向こうにアプローチするのは難しいんだけど。
藤本
そうですね。でもなんだかんだMIRRORの知名度はそれなりに海外でもバンド界隈としてはあるとは思ってるので。 それこそTTNGのHankとかも。この前ハジメがツイートしてたりもしましたけども、MIRRORのファンだからみたいな事。
木元
ありがたいです。
藤本
なのでこの辺りの突き方みたいなのは、ちょっとまた考えていかないと行けないのかなと思います。はい、ちょっとそろそろ時間もあれなので、締めの方に行きたいと思うんですけども、今後の展望ですね。今回のアルバムは別にバンドのゴールって訳でも無いので次の新しいスタートと捉えると。そこでこれから活動を続けて行く中で、改めてチャレンジして行きたい事って何かありますか?それは別に安定的にライブ活動して行きたいとかそう言った事でも良いし、個人的にもっとギターの練習をして行きたいとか、もうベースのペダルをひたすら買いまくりたいとか、そういうのでも良いし。
森
自分はクラシックギターをずっとコロナ禍からやってるんですよ。で、指弾きだからちょっとスタイルもピックから別のスタイルをやりたいなと個人的には思ってるんですけど、まだちょっとね、バンドで出来るとこじゃない。
藤本
あれ?森くん前から弾いてなかったっけ?
森
ちょっとそこまでじゃなかったんですけど、割と近年は本格的に、それこそバッハをひたすら練習するぐらいやってます。で、クラシックギターとか割とポストロックのイディオムだとやっぱりポストロックイディオムがあって、 フレーズとか指使いって形でそれが耳馴染みが良いんですけど、でもその根っこの引き出しの部分で言うと、ブルースとかジャズとかポストロックではなくて、木元さんもそうかもしれないですけど、元々は俺がクラシックギターの方が全然好きなんですよ。だからそっちのイディオムからそんなポスロックを持ってくるみたいな感じでなんか凄い古いものから新しいものに繋げるための自分のスタイル、ギタースタイルをちょっと模索したいなと、ちょっと凄い真面目でつまんないんですけど、そういうことをやりたいと思ってますね。
藤本
木元さんはもうね、NINE DAYS WONDER一択ですからね。
木元
ですね、 国内はNINE DAYS WONDER一択で、海外だとFaraquet一択ですね。うん、それぐらいじゃないですか。
藤本
あとはひたすら歌謡曲って感じですよね?
木元
そうっすね、80年代歌謡曲 のエモーションに揺さぶられてるって。
藤本
メロディアスなところにね。
木元
そうですね。うん、間違いないです。
森
でもリバイバルでも無いモノねだりみたいなところをイメージしてて、そのリバイバルってなるとあるジャンルをやっぱりこれだよねって感じの部分とか、あと最新の部分で言うとやっぱりみんな感じが良いよねって染まるものって言うのかな、ある程度整頓されたものになるかもしれない。とにかく、そうではないモノという形ではやりたいです。
藤本
それは、曲の作り方ってこと?
森
バンドもそうですし曲もそうですけど、なんて言うのかな、ポストロックと言われてMIRRORはポストロックのスタイルで慣れ親しんでるって思われるかもしれないですけど、個人的には中の構造としては全然違うと思っているんですよ。やろうとして元々作ろうとしてる事とか、それぞれのアプローチの部分である意味整合を取らない部分とか、そう言うのもあるんですけど。だからそのある意味ごった煮感がちゃんと残ってると言うか、それぞれみんなやりたい事を完全に整頓させていないんですね。音楽的なジャンルとしてはそれが良いなと思っているのである意味それぞれが勝手にやりたい事をちゃんとこう詰め込んで、それがちゃんと形としてこれ面白いじゃんって、まさに「食らいやがれ」に繋がれば良いんじゃないかなと思いますけれども。
藤本
逆に、なんだろう、ポストロックっていう風に自分たちも思う、思ってる?思ってない?
森
ポストロックって多分今はちょっと意味合いが変わって来てるんですけど、自分の中ではポストロックって言われるのはもう基本的にシカゴなんです。シカゴアンダーグランドとかあそこら辺の事をポストロックって言う、いわゆるオルタナとかそこら辺のロックのジャンルじゃないよって意味でポストロックって名前を使ったと思うんですけど、なんかそれもポストロックっていうジャンルになったら、もうポストロックじゃないというか。なんて言ったらいいのかな、もうポストがないっていうね。次のあれです。すごいそう、だから、
木元
ポストロック調の曲をやってるバンドって多いじゃないですか。
藤本
うん、ポストロックって言ってもポストロックじゃないんだよね。
木元
そうそう、だからポストロック「調」の曲をもうやっちゃってる時点で、
藤本
やっちゃってるって笑 ポストロックじゃないですよ。
磯貝
ポストしてないんだよね。
木元
俺、昨日思ったんですけど、最近シューゲイザーとかなんかのバンド見て、シューゲイザー風のあれでってので見たら、全然シューをゲイズしてない。
藤本
足元を見てない。足元見ろ!
木元
めっちゃ動いてるし、もうシューゲイザー「風」やん!みたいな…
藤本
まぁ最終的に音での判断にもなりますしね。
木元
そう、だから家系「風」ラーメンみたいな感じっすよね。
藤本
めちゃめちゃわかりやすいかも!
木元
セントラルキッチンみたいな、足りてないな~みたいな。そういうラーメンは俺好きじゃないし、やっぱりうまかろうまずかろうは別として、切磋琢磨して作り上げてる音楽が好きだし、そんな思いがあってみんなやってんだろうけども。例えばこの間もメンバーで話してたんだけど曲を作る上でこのバンドのこの曲、みたいな風にしてはやりたくない、あくまで僕がこうひねり出してきたものだったりとか、メンバーがこう色々寄り集めて作ったものがMIRRORの曲になるし、そこはなんかのバンドの曲のコピーでは無いってところはずっとポリシーとしてあってやってるところだから、だから…若者に受けないんでしょ、
藤本
若者ウケ…。そして自己完結。
木元
若者はなんかほら、セントラルキッチンスープの家系ラーメン最高。って言うらしいです(偏見)。
森
前ちょっと話したかもしれないけど、だから自分は90年代の音楽が好きで、90年代のイメージとかってなんなんだって言ったら、永遠の未完成だと思ってるんですよ。だから最終的にNirvanaとかもそうですけど、いろんな音楽をごった煮にしちゃうけど最終的にまとめきれなくて、例えばカートも自殺して死んじゃったりとか、グランジとか言うジャンルになるってんじゃなくて、色んなモノをなんでも良いから混ぜちゃう方で、でもそれを完成形にはしないと、様式美にしないって言ったところがマナーで、そのごった煮感を、カオス感って言うのがその時代の空気としてあって、で、ポストロックって自分が言ってるのは、その2000年代のそれのことを言ってるんで、例えばkarateとか自分的にはOwlsとかですけど、この音楽とこの音楽が混ざってこうなったみたいな、しかもこれってこれからどうなっちゃうの?みたいな、そんなごった煮感とや完成していないモノとしての何かみたいなのをポストロックと呼称してるだけで、そんな事を自分たちはやっているってつもりは、そう言う意味では水谷氏が言ってた2000年代をこう生きてって言うのは、その通りなんですけど、 だからそういった形の事をやりたいと思う気持ちはありますけれどね。
結果としてライブの本数が増えるかどうかってのはまたちょっとわからないけど、MIRRORの魅力が確実に音源よりライブの方が良かったなって言う事に、良くも悪くもきっと思う人が多いだろうなってのは感じる。(福山)
磯貝
個人的にMIRRORの1番の魅力はライブだと思ってるんですよ。曲がポストロックと言うか、ちょっと一筋縄でいかない音楽だと思ってるし、4人全員が絡み合ってるのが妙だと思うんだけど、それをライブで高いクオリティでやる、熱量高くやるのがMIRRORの1番の魅力ってライブなのかなと。ってなるともう50間近のおじさんたちなんで高い熱量でいつまでライブやり続けられるかってのは正直マジでどうなのかなと思って。やっぱその熱を高くライブを継続的にやり続けられる為にも、ちょっとずつやって行きたいなと個人的には思っていて、その為に自分たちのフィジカルを作って行くって事もあるしその曲を練習する以外にもやんなきゃいけない事があって、普通にまず演奏の前にフィジカル作んないとなって、 そんな現実も出てくる気がする。
藤本
ライブで足首とか捻らない。
磯貝
そうそう、それ。マジで腰やるとか、腰やると40分弾ききれないとかね、そう、走りきれないとか出てくるから、ライブを熱量高く続けて行くってところと、あと、やっぱ海外でライブやりたいね。
藤本
良いですね。
磯貝
国内じゃなくて国外もちゃんとやって、今回のZINEも英訳したけど、何人がその英語版を読んでくれただろうってのも気になるし、あれだけ海外から日本に来てくれて結構色んなバンドと一緒にやってんだから、そろそろ行くかみたいな事を考えても良いんじゃねえのかってね。現実問題として出来るかどうかってとこはあるかもしんないけども、ちょっとそこを敢えてやるってのは今後やってみたい、やって行きたい事として俺はあるかな。
森
とりあえずリベンジの台湾には行きたい。
藤本
それは八角嫌いの福ちゃん次第で笑
木元
町が八角の匂いがする、吉野家行ったけど吉野家ですら八角の味がするって笑
福山
ちょっとあれじゃないですか!嫌われるんでやめてください!でも本当にライブが魅力なのは間違いないと思うんで、だからそれをどう効率的にってか、なかなかスケジュールの件も色々ある中で、モチベーションを保つためにも音源もアルバムかサイズ的にどうかとかってのはちょっとわかんないけど定期的に出していくって事がライブ活動のモチベーションにも繋がるんじゃないかなって今の現状を見てて感じるので。 結果としてライブの本数が増えるかどうかってのはまたちょっとわかんないけど、MIRRORの魅力が確実に音源よりライブの方が良かったなって言う事に、良くも悪くもきっと思う人が多いだろうなってのは感じるので、逆に言うとこれ以上良くもならないのかな笑、現状はって感じに俺は客観的にそう思いますんで、なんとかそこはやっていきたいなと思いますね。
藤本
はい。
木元
僕は今回アルバムを出させてもらって、結構リアクションも良くてってところで少し客観的に見てる部分もあって、やっぱちょっとご祝儀的な17年ぶりで久しぶりのMIRRORのあれって言うので「なんかまだ頑張ってるみたいだぞ」みたいな感じの状態だと思うんですよ。だからこれがうちらとしてはずっと継続して続けて来てる事だから老いぼれてるつもりもないし、ずっとアクティブなつもりなんだけど、うまく発信出来て無かったと思うし今回このアルバムでまだMIRRORは生きてたってところが示せたと思うので、いや、こっちはずっと生きてたし、ずっとやってたんだよってところをちゃんとフレッシュな状態で今度は新しい音源を出してまた始めたので、その延長なんですじゃなくてその立ってる部分はずっと立ち続けてんですよって所をやっぱりキチンと示して行きたいです。それはリリースもそうだしライブもそうだし。だから次はアルバムなのかミニアルバムなのかわからないけども、さっきも森くんが言ってたように色々な楽曲パターンをやって行こうって、やって行きたいなってのもあるので、なんかオムニバスみたいなアルバムになっても良いのかな。演奏してるのはMIRRORなんだけども曲としてはいろんな曲調やもっと幅もあって、次のタイトルは「Various MIRROR」でVMみたいな、それぐらいの決め打ちせずに出来た物をバーっと突っ込んでコンセプトとしては「今のMIRRORが作ってる曲ってこれなんだぜ!」ってのをバンって出すぐらいの潔さがあっても良いんじゃないかな、なんて事をこの1、2週間でちょっと考え始めました。あとライブはメンバーでもこの間話をしてやっぱり来年から企画を打って行った方が良いのかなって思ってます。それが2ヶ月に1回とか、3ヶ月に1回でも。毎月は流石にしんどいと思うんで。で、それが馴染んで来れば「じゃあ次どうする?」みたいなと流れでまた考えられる。 あとは藤本さんとも言ってましたけど、フリーライブをやりたいのですよ。 出来ればオープンな環境で。ほら、1番最初のリリース、2007年catuneからリリースした時に渋谷のApple Storeでやったんですよね。レコ発をフリーで。で、あの時すげえ通りすがりのお客さんとかも店内に入れなくて、なんか人だかりがやたら出来てて「何やってんの?」みたいな感じでドバって人が入ってきて、最終的には苦情が来て Apple Storeではもう演奏出来なくなっちゃったと笑 そんな見ず知らずの人の目とか耳にも触れるような環境で、当然MIRRORを見に来てる人も居て、なんかよくわかんないけどなんかやってるって、こんなバンドが居るんだってロケーションとかシチュエーションでやってみて、度胸試しもあるし腕試しっていう部分もあるだろうし掛け値無しのそんなライブをやってどれだけリアクション貰えるかってのをやってみたいなと思うところはあります。あとは、喋ってばっかであれなんですけど大学の軽音サークルのドサ回りみたいな事をやりたいなと思ってます。とにかくコミュニケーションを取りたいです。同じプレイヤーってか、楽器上手い下手関わらず僕らもみんな軽音楽部上がりだし、今の軽音楽部の子たちがどんな感じでその軽音楽部に属してどんな事をやってんのかって僕が興味があるし、おじさんは軽音楽部卒業してから今やオリジナルバンドやこんな事やってんだけどって。もう楽器持っちゃえば年関係なく同じ目線だって思うから、そこで色々コミュニケーションを取りたいな、なんて妄想もあります。とにかく垣根をなるべく無い様にして、そんな意味でどんどん接点を色んな人と持ってけたら良いなと思います。
藤本
まとめて頂いてありがとうございました!それでは引き続きのご活躍?継続に期待してますね!
全員
ありがとうございました!
MIRROR
・streaming http://linkcloud.mu/2a0b2460
・bandcamp https://mirror-jpn.bandcamp.com/album/voices
・X https://x.com/mirror_jp_2007
・instagram https://instagram.com/mirror_jpn2007
・YouTube https://www.youtube.com/@MIRRORMUSICjapan