クリエイターと令和5年税制改正 (2)個人事業主の届出の簡素化編
2022年12月16日に令和5年度税制改正大綱がとりまとめられました。
クリエイター目線でどのように影響があるか、シリーズで考察していきます。
クリエイターに影響がありそうなトピック
個人事業主の届出の簡素化(今回の解説)
電子帳簿保存法の見直し
法人税の付加税
個人事業主の届出の簡素化
個人事業の開業・廃業等届出書の提出期限・提出先の改定、記載事項の簡素化
個人事業の開業・廃業等届出書ですが、現在事業の開始等の事実があった日から1月以内に提出が必要ですが、税制改正によりその事業の開始等の事実があった日の属する年分の確定申告期限に改定されます。
個人事業の開業・廃業等届出書の提出期限のみが現行の制度より伸びますが、青色申告承認申請書の提出期限については税制改正大綱で何ら触れられておりません。ですので、青色申告承認申請書の提出期限は現行制度から特に伸びないものと考えられますので注意が必要です。
フリーランスとして初めて独立する方は、開業届と同時に青色申告承認申請書を提出することが多いと思います。
今後開業届の提出期限がその年分の確定申告期限に延びるので、確定申告期限の2〜3月に提出する方も多いと思われます。
しかしながら、青色申告承認申請書の提出期限は、その年から青色申告の適用を受けたい場合には事業開始から2月以内ですので、例えば、5月に開業する場合には7月に青色申告承認申請書の提出が必要です。
上記5月開業の場合で、開業届が確定申告期限である開業の翌年3月が期限だから青色申告承認申請書も同時に出せばよいやと、開業の翌年2〜3月に青色申告承認申請書を提出すると、その提出した年の前年の申告(今回でいう開業年)は青色申告が適用できないため注意が必要と考えられます。
個人事業の開業・廃業等届出書の記載事項が簡素化されます。
事務所等を移転する場合の届出の提出先が納税地の所轄税務署長になります。
これらは令和8年1月1日以後の事業の開始等について適用されます。
青色申告の取りやめ届出書の提出期限・提出先の改定、記載事項の簡素化
青色申告の取りやめ届出書について、その提出期限をその申告をやめようとする年分の確定申告期限になります。
青色申告の取りやめ届出書の記載事項が簡素化されます。
令和8年分以後の所得税について適用されます。
そのほかの届出の簡素化
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
令和9年1月分以後の承認申請から変更
青色申告承認申請書、青色事業専従者給与に関する届出・変更届出書
令和9年分以後の所得税から変更
給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書
令和9年1月1日以後の事務所の開設等から変更
まとめ
開業届の期限は現行制度より伸びるが、青色申告承認申請書の提出期限は伸びないので注意
参考
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