見出し画像

会社を辞め、主夫になり、経営者となった夫のこと(後編)

こちらのノートの後編です。

営業をしない、記事も書かない。

前職は営業マンだった夫。
「せいかつ編集室」に入ったら、当然営業をしてもらう予定でした。そして、あわよくば取材や記事作成の手伝いもしてもらおうと思っていました。

どの部分を手伝ってもらうか探るため、しばらく私の取材や営業に同行してもらったのですが、すぐに夫は「僕は営業をしない。記事も書かない」と決めることになります。

その理由は、

◼️お客さんは完全に大木春菜という人間を頼ってきてくれているから

◼️自分が中途半端に手伝うとクオリティを下げてしまい、信頼を下げてしまうから(アウトソーシングするなら信頼のある外注さんに出そう)

そして、
◼️編集者は最強の営業マンだから、わざわざ自分が出ていかなくてもいい

ということでした。

「編集者は最強の営業マン」

この言葉には驚いたのですが、確かに私の提案はいつも通りやすく、私自身、執筆よりもデザインよりも、営業が得意という自覚はありました。

まずはひたすら傾聴し、クライアントのいいところを見つけ、もっと良くなる案を客観的に提案する

編集の仕事で自然と身についていたことを、夫の言葉でしっかりと自覚した瞬間でした。


時間をつくることが仕事

営業をしない、記事も書かないと決めた夫。
では、「せいかつ編集室」ではどんな役割を背負うことになったのか。

それは、「わたしの時間をつくること」でした。

私が最大限、集中して仕事ができるよう、

✔️娘の病院や療育、保育園の送り迎え
✔️息子の宿題をみる&明日の準備
✔️洗濯
✔️毎日の料理

等をこなしてくれるようになったのです。

明らかに私の料理の腕を抜きました(笑)
段取りもいいので、毎晩夕飯がスムーズです。

その他、事業面では

✔️経理全般
✔️見積もりの作成
✔️入力などの単純作業
✔️戦略

を請け負ってくれています。

名称未設定のアートワーク 13

私は、本当にのびのびと仕事ができるようになりました。

固定収入をつくる

夫が入る前は、私の収入はガッタガタでした。
めちゃくちゃ稼ぐ時もあれば、ガーンと下がることもあり、全く安定していませんでした。

夫が会社員の時はそれでもよかったんです。しかし、今は「せいかつ編集室」の売り上げに家族4人の運命がかかっています。家のローンもあります。売り上げガッタガタでは、露頭に迷ってしまいます・・・。

そんなわけで夫は、すぐに固定収入をつくるための作戦を考えました。

正直、選ばなければ仕事はいくらでもありました。
しかし、夫は私の「編集の仕事をしたい」という意向を組み、私が好きな仕事で安定的に稼ぐ仕組みをつくってくれました。

それが、「編集のサブスクリプション」です。

以前から、私は人からいろんな相談を受けるタイプの人間でした。
「教えて欲しい」と言われたことを、お茶を飲みながら教えちゃうような暮らしをしていたのですが、それに目をつけた夫が

「相談も仕事にしていこう!」

と提案。
クライアントの相談に乗り、ブランディングしながらコンテンツを作る一連の流れをメニューにし、月額契約を結んでいきました。

最初は、このメニュー展開に全く自信を持っていなかった私ですが、
夫に応援され、自信をつけてもらい、クライアントに提案していくと、すんなり受け入れてもらうことができました。

今、私のほとんどのお仕事はこの「編集のサブスク」です。

数字にするとびっくりなのですが、固定収入は私が個人でしていた時の15倍になりました。


法人化!→夫が社長に

2019年9月9日、「せいかつ編集室」は法人化し、「株式会社せいかつ編集室」となりました。

いつかは法人化したいな〜と思っていたのですが、なぜこのタイミングだったかというと・・・完全なる私の直感です(笑)

このイベントに参加し、
「本当の意味で地域の問題を解決するのは、個人の力では難しい」と感じたのです。

また、個人だと受けれれない仕事が増えてきていたという事実もありました。自治体系は特に、個人では仕事が受けられないため、どこかの会社に依頼して間に入ってもらい、敢えて下請けになって仕事をしていました。

勢いで説得したのですが、夫は

「わかった。法人化しよう」

とすんなり受け入れてくれました。

夫と事業をともにして、わずか2年。

収入がどんどん上がってきているのは、夫の経営能力とサポートのおかげでした。

「せいかつ編集室」の顔は、相変わらず私だと思います。
しかし、明らかに夫の方が経営者に向いている。

そう判断し、私から「社長をやってください」と伝えました。

社長になってからもずっと、私の時間をつくること・子どもたちの時間をつくることを一番に考えて動いてくれています。

一番大切なのは「時間」。

慌ただしいとついつい忘れそうになってしまうけれど、
夫をはじめ、いろんな方からいただいた時間を大切に。
最大限に使っていきたいと思う、今日この頃です。



サポートいただけると、とっても嬉しいです。 コーヒーかおやつでもいただいて 次の記事を書く原動力にさせてもらいますね。