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会社を辞め、主夫になり、経営者となった夫のこと(前編)

※これまた去年の話になってしまうのですが、ワークワクBarにて夫が登壇したときのことをまとめます。


会社を辞めて、主夫になった理由

私と夫は社内結婚でした。結婚して私が退職をしフリーになってからも、夫は同じ会社で働き続けました。出版社で、とてもハードな職場だったので、午前様になることも多かったですが、夫は仕事も会社のことも大好きでした。私も、大好きな職場だったのでそれはよくわかりました。

そんな夫が会社を退職するきっかけとなったのは、娘の病気でした。

2016年に誕生した娘は、生後2日めに発熱し、すぐに心臓の病気ということがわかり、1ヶ月後に手術。退院後、しばらくして難聴ということも分かりました。

発達も遅れていることもあって、娘のケアで通わないといけない場所はとても多いことが発覚。

・愛大病院(心臓)
・日赤病院(発達)
・療育センター (発達)
・視聴覚福祉センター(耳の検査)
・障害者センター(耳の検査)

これを知って、「あ、私は仕事を半分ぐらいセーブしないといけないな」と思いました。私の仕事は取材がベースです。働き方を変えないと、とてもじゃないけどやってられない。そう感じました。

でも、娘の病気が発覚してから、覚悟はできていました。
当時は、母であり、女性である私が仕事を辞めるべきなんだろうと、何の疑問も持たず

「こんな状況だから、私は今のようには仕事ができなくなると思う」と夫に伝えました。

すると、夫は「俺が辞めるわ」 と、
びっくりするぐらいさらっと伝えてきました。

その理由は、自分も仕事は大好きだけど、妻の場合、今の仕事が天職だから だったそうです。


夫の転職活動

2017年4月、夫は会社を辞めました。
退職のスピーチで大号泣したことは、今でも語り継がれているそうです。

それほど大好きな職場だったのです。

会社を辞めてから、夫は転職活動をはじめます。娘のケアがあるため、「職種問わず。年収よりも、定時で帰れること」を第一条件にして仕事を探し始めました。ところが、仕事が全然ありません。40歳を超えた転職って、こんなに難しいんだなって感じました。いや、年齢よりも「残業ができない」という条件をクリアできる職場がないことに驚きました。


せいかつ編集室へスカウト

転職活動を頑張っている夫を見ながら、今の感じで転職活動をして夫の能力を生かせる職場は果たしてあるのだろうか?と不安に感じました。

私は、夫のいいところをたくさん知っているつもりです。

責任感の強さとマネージメント能力、冷静さと数字を読む力などなど・・・そういうところを生かしつつ、定時で上がれる、そんな職場が果たしてあるのだろうか?

あるかもしれないけれど、見つけるのにはなかなか時間がかかりそうでした。

その時、閃いたのです!

「せいかつ編集室があるじゃん!!!」

私は、わざわざカフェに夫を呼び出し、せいかつ編集室へスカウトしました。今までの実績(売り上げ)の資料を持って、プレゼンをしました。せいかつ編集室のビジョンを熱く語りました。

慎重派な夫は、すぐに「うん」とは言いませんでした。一週間ほど考えて、「やろう」と返事をくれました。

二度と取り戻せない「子どもたちとの時間」をつくるにはどうすればいいのか。ダブルインカムで働くよりも、妻の事業に集中した方が時間を確実に確保できる。売り上げに関しても、もっと工夫すれば伸ばせる自信がある。

「とにかく3年やってみよう。経営が苦しくなったら、貯金を切り崩せばいいし、いざとなったら僕が夜中にバイトすればいいんだし。どうにかしよう。」

そんなことも言っていました。

そう、この世で一番大切なのは「時間」なのです。夫はそのことをとてもよく知っていました。

そうして、2017年7月。
新しい「せいかつ編集室」が誕生しました。

私が個人事業主、夫が専従者という形で私が夫に給料を払うスタイルでのスタートでした。

(つづく)


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