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ラストエリクサー症候群を克服した男

ラストエリクサー症候群という言葉、というかスラングがある。
主にRPGにおいて希少な高性能アイテムの使用を惜しんでしまい、結局使うことなくゲームをクリアしてしまうというプレイスタイルの事を指す。

昔確かに自分も使い惜しんでその恩恵を得られないままエンディングを迎える事が多かったが、ある時から使える時にはバンバン使ってまえという意識に変わっていった。

明確にいつからかはもう覚えていないんだが、RPGをプレイするにあたってゲーム開始時から初期装備・初期スキル・拾ったアイテムのみで出来る限り進行していき、途中のボス戦などで限界を感じた時にたんまり溜まった金でその時点の最強装備を身につけ、スキルボードを全開放し、回復アイテムやドーピングアイテムを買いまくり無双するという楽しみ方を覚えてしまった。
私はこれを「初期限定マゾプレイ」と呼んでいるんだが、もうこのままじゃ勝てないというボスをボッコボコにして得られるカタルシスのおかげでドーパミンやアドレナリンがドッパドッパ出るのが堪らなくてしょうがない。

このプレイスタイルを嗜むようになってからはアイテムを惜しむという感覚が減退してしまった。
というのも初期装備のまま出来る限り進んでいくので時には雑魚敵にすら苦戦することも少なくないので、状況によっては希少なアイテムを使わざるを得ない局面が必然的に増えていってしまう。

例えば初期装備のままギリギリ勝てそうなボスが相手の場合、装備やスキル全開放の旨みがだいぶ減ってしまう。
次に立ちはだかる強敵のために温存をしておき、その時点での戦闘は辛勝を遂げなければならない選択を強いられる場面が多々ある。
そんな時に序盤に手に入る希少な回復アイテムが手元にあるなら、私は躊躇なく使うだろう。
ここで使わずいつ使うのだ。
これを使ったからこそ次のボスとの戦闘を迎える事ができ、一度ボコボコにされた後お礼参りとしてボコボコにし返せるんだ。

そういうプレイスタイルをもう何年も何年も繰り返してきた結果、どんなアイテムでも使うのに抵抗が全くなくなってしまった。
今の私なら別にラストエリクサーを使わなくても勝てるボス相手でも普通に使ってしまうだろう。
希少性に価値を感じる事がもうないので、ポーションもラストエリクサーもそんな変わらないものという感覚になっている。

これがいい事なのか悪い事なのかもう分からないが、もしレアアイテムを使うタイミングがないという事で悩んでいる方がいれば是非「初期限定マゾプレイ」をお勧めする。
アイテムの使い惜しみとかしてる場合じゃねーから。

でもフル開放した時の脳汁やべぇから。飛ぶぞ。マジで飛ぶぞ。

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