見出し画像

サンタさん問題に決着をつけたいと、ここ数年ずっと考えている。

サンタクロースという存在がいる。
なんかガキンチョに欲しいものをくれてやる爺さんらしい。

表題にもある通りここ数年、ずっと考えている事がある。
仮にもし万が一自分が親になった場合、我が子に対してサンタクロースという人物の存在をどう伝えればいいのか。

親というものは我が子に対して社会で生きる上で大切な事、大事にしなきゃいけない事、ルール、モラル、マナーなどを教えていくものだと思う。
その中で「嘘を吐くことはいけない」と教える親も多いのだろう。

でもここで疑問が浮かぶ。
サンタクロースという存在を信じ込ませるのはどうなんだ?

子供に対するクリスマスプレゼントのシステムというのは、我が子が幼年〜思春期を迎える手前ぐらいの年齢の頃に、毎年「サンタさんがプレゼントを届ける」という大義名分のもと、実際は子がリクエストした何かを親が枕元にそっと置いて去るという仕組みになっている。

そして子供は年齢を重ねるにつれ、やがて真実を知る。
サンタさんなんて存在しなくて、本当は自分の親がプレゼントを毎年くれていたのだと。

私はこの仕組みに関して、嘘の是非というものを非常に考えている。
社会通念上、嘘を吐くというのは良くない行為だ。
しかし人の親とあろうものが、その行為を許してもいいのか? 
子供に夢を与えたいから、子供はやがて気付くからという理由で、我が子に与えている教えに背くような事をしてもいいのか?
(因みに私は小4の頃、何かバタバタと音がして目を覚ましたらプレゼントを置きにきたであろう歳の離れた姉とおもっくそ目があってしまい、焦った姉が猛ダッシュで私の寝室から逃げていくという経験をした。その翌年のクリスマス前に親から何事もなかったかのように「今年何が欲しい? 買いに行くから教えて」と堂々と聞かれ、「大人って色んな意味ですげぇ!」と感じた過去がある)

子供が真実に気付いた時、傷付いてしまうかもしれないという可能性は考慮されないものなのか。私はそれをとても懸念に感じている。
しかもそれが世間では当たり前になっている流れというのが非常に厄介だと思う。それはそういうものだから仕方ないという認識が広まっているという事に、親の身勝手さを感じる。

例えば我が子が何か家の物を壊してしまい、怒られたくないという理由で勝手に壊れたとか自分はやってないとか色々と嘘を吐いてしまうこともあるかもしれない。
その時、何か明確な証拠が見つかったのであれば親としては嘘はいけないと伝えるべきだと思うし、そういう時はどうすれば良いかとも教えるべきだとも思う。

ただ、その立場として教えを説くのであれば。
嘘を吐くのは良くない事という前提の上、何かの折に「嘘も方便という言葉もあって、誰かを傷つけない為に吐かなければならない嘘もある」と教えなさいよ。

子供に夢を与えるからとか、子供が喜ぶからとかで自分の嘘が許されると思っているのであれば都合が良すぎんか?
自分はいいけど相手はダメって、身勝手過ぎる考えだろう。
だからもし我が子が生まれてその時を迎えた時、どうするべきかと私は考えている。

でも、最初から「サンタクロースなんていない」と伝えるのも残酷だと思う。その位の年頃であれば、幼稚園や小学校の友達は大体サンタクロースの存在を信じているものだろう。
もし我が子に「サンタなんていない」と、その存在を否定してしまったら、その子の友達からバッシングを受けるかもしれないし、関係に軋轢が生まれるかもしれない。

サンタクロースという存在やその行動が日本にまで伝えられているのは事実だ。その存在を参照して世の親御さん達は我が子を喜ばす為に尽力している事だろう。
それ自体は嘘ではないし、私だってまだ見ぬ我が子に嬉しい思いをしてもらいたいとは思う。
でも、その行為は結果として数年後に我が子を傷付けてしまう可能性を孕んでいるし、自身が吐く嘘を正当化する為の方便にもなり得てしまう。

その葛藤の中で、どう動くのが最適なのかとこの時期になると考えてしまうという話。

そんなん子を持ってから言えや、何知った口聞いとんねん、と全国の親御さんから怒られるかもしれない。

それはその通りです。ごめんなさい。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?