異性「君のことが…す、す…」主人公「す?」←これだけで察せられんか?

スレタイっぽい表題になってしまったが、実際そう思う。
これから書く事は創作物に対して物凄い野暮なものになるし、何もそういうノリみたいなものを否定したい訳ではないのだが、ずっと疑問に思っていた。
正直このくだりの元ネタがなんなのか知らないけど、たまにアニメなり漫画なりで見かける気がする。そして主人公はその後相手が何を言うか大抵察する事ができない。

フィクションだから成り立つと言ってしまえばそれまでだが、真剣に考えてみたい。

実際にこう言われたとして、何となく察せないものか?
そういう言動に疎い人物は所謂「鈍感系主人公」と呼ばれるものではあるが、じゃあ異性からこう言われたとして次に相手が何を言うのかどう想像しているのであろうか。

まぁ何かを言いかけている以上、必ずしもこの後の台詞が「好きです」とは限らない。このシチュエーションに至るまでの文脈次第では全然違う言葉が出てきてもおかしくはない。

異性「君のことが…す、す…」
主人公「す?」
異性「すっげぇ嫌い」

かもしれない。
高校入学後、友達ができずいつも一人でいたら、それを見かねて良かれと思って接してきた主人公の事をとても鬱陶しく感じていた、みたいな。

まぁ文脈がどんなものにせよ、問題なのは主人公だ。
何を言うつもりだったのか想像すらしていないのか?
それが答えならこの話は終わりである。
しかしこういった感覚を持っている人物が主人公の物語は異性が沢山出てきたり、アプローチをすれど気にも留めてくれない人物が登場している作品な気がする。そして度々ラッキースケベ的な何かに遭遇するし、その度に主人公は赤面する描写があったりする。

赤面している以上は、相手を異性として意識はしているのであろう。
であれば尚更だ。
意図せず赤面するような状況に出会したとはいえ、かといって相手は自分の事を色恋の対象として見ている筈がないと思い込んでいるのであろうか。

そりゃあたまにベタなシチュエーションとして、意識している異性が

「き、君の事が…!」

みたいな騒音が流れて、ドキドキしたまま結局何を伝えたかったのか分からずじまいなのは理解できる。
この場合は恐らく主人公も相手が言う事に多少なりとも期待と不安を持っていると解釈できるからだ。

逆に考えて相手が自分に好意を告げようとしてる事を察せられない状況や関係ってどういうものだろうか。
デスゲームもので各々自分だけに使命が与えられ、それを周りにバレることなく達成しないと次のステージに行けないとして、「好きでもないそこまで話した事がない相手に「好きです」と伝える」というミッションを課せられた場合ぐらいしか考えられない。

それだったら確かに、急に脈絡もなく相手が言い淀んで何を言い出すか分からないというのは理解できる。

寧ろそれぐらいしか無いのでは?

烏滸がましい話だがある一定の関係性がある以上、やはり好意を伝える可能性が高いと考えてしまう気がする。

いや、最早ほぼミームと化しているようなそういうシチュエーションを見すぎた故に私はそういう考えに至っているのかも。

主人公の心理としては、「相手が自分に好意を持っている」という前提が本当に全くないのかもしれない。それが自己否定的なものなのか、シンプルにそう考えているのかは分からないけど。

見方によってはそういう人物はとても謙虚な考えをしているんだなという気がしてきた。

高校生ぐらいの私だったら絶対「え、え、ひょっとしてこの人、わたしの事を好いているのでごじゃるか…???」みたいなキモい発想に至ってしまうもん。実際今でこそ何とも思わないが、仮に自分がFF8のスコールだったとして、リノアから「私のことが……好きにな~る、好きにな~る ダメ?」って言われたら一発で好きになる自信がある。というかその場で「好きーー!!」って言うと思う。(その場ではスコールは拒絶していたが、それがきっかけで好きになった説もあるらしいけど)

そう考えたらすぐにそういう考えをしない主人公は慎ましいな。
相手の発言・思考を決めつけず、言葉を言い切るまで待てるというのは中々出来ることではない。

最終的な結論は出ていないけど、こういう心構えで生きていきたいなと思う次第であった。

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