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日本の名城100選をマンションポエム風に表現 に挑む③「多賀城」

「日本のお城をマンションポエム風に表現」企画の第3弾。

マンションポエムとは、たとえば南麻布の高級タワーマンションを指して、「見果てぬ上質の丘に感動の風が吹く」みたいなキラキラした調子のあれです。

今回は、宮城県多賀城市にある「多賀城」に挑戦します!

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多賀城の創建は神亀元年(724)といいますから、奈良時代の終わりごろですね。聖徳太子の時代より200年くらい後で、この70年後くらいに平安京が創建されています。

多賀城は陸奥国(現在の青森県、岩手県、宮城県、福島県に相当)の国府として設置されました。行政・政務・軍事の中心地。県庁のような高度な行政機能を持つ場所と言えばわかりやすいでしょうか。

この時代のお城というのは、行政機能や都市機能を持つ形態を言いました。政務や警察を司る行政機関に加え、そこに出入りする役人たちの住居も併設されていたようです。お城というより街という感じでしょうか。

ちなみに、街の形跡はほとんど残っていません…。

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多賀城の南門近くに「多賀城碑」なる石碑が建立されています。多賀城を創建した人物の氏名に創建の日、都(当時は奈良の平安京)から多賀城までの距離などが刻まれているそうです。江戸時代初期にこの石碑が発見されたときは、多くの文化人や学者たちに騒がれたとか。あの松尾芭蕉も、往時の姿をとどめる石碑に感動し、「一千年前の石碑がこんなところにあるぞー、すげー、涙止まんねえ!!」みたいな調子で『奥のほそ道』に書いています。

われわれは、その芭蕉の時代からさらに300年後、時の流れと隔絶したように建つ多賀城碑をみることができます。涙が止まらないどころか逆流してしまうくらいの感動があるかもしれません。

さて、そんな多賀城に、例のごとくマンションポエム風のコピーをつけてみます。言葉と想像の力で古代人たちの生活を鮮やかに蘇らせましょう!


あの頃の「おかえり」「ただいま」が駆け巡る

目をつぶって想像の翼を広げてみよう。遠いむかしのこの地にもあった、何でもない生活の風景。虫の鳴き声や子どもたちの遊ぶ声、かまどから立ち上る夕餉の煙。感動の扉が開かれる(開いてください)。

懐古と愛惜の交響楽

懐古の愛惜の交響楽→✕ 懐古と愛惜の交響楽→〇

ノスタルジーなる不思議な感覚は、何かをみて発するのではなく、何かを思い出して沸き起こる魂の発露である。

古代の雫を 望郷のグラスに注いで 見果てぬ浪漫に乾杯

古代ロマン。それは現代人を酔わせる魔法のワイン。しかも気持ち悪くならない。いつまでも心地よく溺れさせる。温泉のような微幸感(ワインどこいった)

多賀城を感じる それは今日のメモリーに歴史のロマンを上書きする作業だ

容量注意です。なんせ1300年分ですから。

大地を刻む 浪漫の爪痕

物理的な痕跡は何もない。だからこそ、物言わぬ存在感というものをひしひしと感じることも。



松尾芭蕉はじめ、歌人や俳人たちも愛してやまなかった多賀城。日本のお城100選のひとつですが、お城好き以外の方でも楽しめる観光地です。




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