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二・二六事件を考える④2月23日の行動

二・二六事件を起こした青年将校らの行動記録。短いが、2月23日の行動記録を磯部浅一『行動記』より抜粋して紹介する。

栗原は二十三日に豊橋に行き、対馬部隊と細部の打ち合わせをなす事になる。この時当然に、栗原は平素準備しておいたが小銃弾(二千発)を携行した。村中は、演習出張の為不在であって、未だ決定事項の連絡或いは意見の聴取をしていなかった香田と連絡し、余(磯部)、中橋等と各々連絡を担任する。

※栗原=栗原安秀陸軍歩兵中尉 歩兵第一連隊機関銃隊
 対馬=対馬勝男陸軍歩兵中尉 豊橋陸軍教導学校歩兵学生隊
 中橋=中橋基明陸軍歩兵中尉 近衛歩兵第三連隊第七中隊

二十三日夜は歩三週番司令室において安藤、村中、香田、野中、余(磯部)、坂井(直)の会合ないし、いよいよ計画の細部打ち合わせをする。

※安藤=安藤輝三陸軍歩兵大尉 歩兵第三連隊第六中隊
 村中=村中孝次陸軍歩兵大尉(事件当時は民間人)
 香田=香田清貞陸軍歩兵大尉 歩兵第一旅団司令部
 野中=野中四郎陸軍歩兵大尉 歩兵第三連隊中隊長
 磯部=磯部浅一陸軍一等主計(事件当時は民間人)
 坂井=坂井直陸軍歩兵中尉 歩兵第三連隊第一中隊

具体的な襲撃対象や決行日時、兵力部署は前日の二十二日に決定された。磯部は逮捕後「計画がずさん」と憲兵に突っ込まれ憤怒しているが、それでも計画通り占拠を実行できたのは、ほとんどの同志に一貫した行動決意と心の準備ができていたことの表れだろう。


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