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父の日と母の日、そして何よりの親孝行

210620 親の恩

「袖振り合うも他生の縁」ならば、親子の縁はどれほどのものなのだろう…

 本日、6月20日は父の日ですが、みなさんはその由来をご存じですか?
実はわたしもあまり関心がなかったのと、毎年「父の日のプレゼントは…」という広告を目にするので、なんとなくバレンタインデーやホワイトデーのようなものなのかなと思っていたのですが、今回これを機に父の日について調べてみました。すると母の日との関連も明らかになり…。

 そもそも、世界中に父の日も母の日もあるのですが、実は国によって日にちが異なっています。そして日本の場合はどちらもアメリカ由来の日程で行われています。

 さて、父の日の由来ですが、日本ファーザーズ・デイ委員会(このような組織があることすら知りませんでしたが…)によると、その起源は今から100年以上も前の1909年、アメリカはワシントン州のジョン・ブルース・ドット夫人が母の日の存在を知り、父の日も作ってほしいと教会に嘆願したことに始まるとのことです。

 ドット夫人の父であるウィリアム・ジャクソン・スマートはアメリカ南北戦争に従軍した北軍の軍人でしたが、復員後に妻が他界、その後は再婚することもなく6人の子供を男手一つで育て上げたのだそうです。そして、その6人の子供のうちの末っ子が父の日の創設を申請したドット夫人でした。

 ドット夫人が父の日を申請したのは1909年ですが、7年後の1916年には父の日が認知されるようになりました。そして1926年になるとニューヨークでナショナル・ファーザーズ・デイ・コミッティが組織され、1972年には6月の第3日曜日が記念日となりました。

 ちなみに母の日は、ウィキペディアによるとこちらも今から100年以上も前の1907年5月12日、アメリカのアンナ・ジャーヴィスが、社会活動家であった亡き母を偲び、母と縁故の深い教会で記念の会を開いたのが始まりのようです。

 その翌年5月には、アンナの母への思いに共感した人々が集まって母の日を祝い、また参加者にはアンナの亡き母が好きだったという白いカーネーションが配られたとのこと。それでアメリカでは白いカーネーションが母の日のシンボルとなったようです(今ではカーネーション以外にもバラなどいろいろな花が贈られているようです)。

 その後、母の日は全米に広まり1914年には、5月の第2日曜日が母の日としてアメリカの記念日に定められました。

 アメリカで母の日が制定されたのが1914年、父の日が制定されたのが1972年。その間半世紀以上もの隔たりがありますが、両親のことを祝う日が国の記念日として制定されたというのは素晴らしいことですね。

 さて、「父母の恩は山よりも高く海よりも深し」という言葉もあるように、親から受けた恩は計り知れないほど大きいものですが、忙しく過ごしていると、親の恩に思いを馳せたり感謝することはあまりないのではないかと思います(わたしだけ?)。

210620 父の日-01

 とはいえ、せっかくの年に一度の父の日ですから、プレゼントを贈るのにあわせて親の恩に思いを巡らせてみたいものです。そこで「恩」といってもどことなく漠然としていますから、ここでは「思い出」と言い換えてみることにしましょう。

 すると…父親がお元気な方もすでに他界されている方も…ふりかえってみるとどんな思い出がありますか。子供の頃一緒に遊んでもらったり何か買ってもらったりしましたか。それともどこかに連れて行ってもらいましたか。あるいは仕事が忙しくて一緒に過ごす時間はあまりなかったのでしょうか。

 みなさんが成人してからはどうでしたか。親と同居していた方、離れて暮らしてきた方。みなさんの人生の転機、入学や就職、結婚などの時にはどうでしたか。

210509 47_母の日カーネーション

 せっかくなので父親だけでなく、母親の恩についても同じように思いを巡らせてみてはいかがでしょう。子供の頃のことで何か思い出に残る出来事はありますか。その時母親はどんな気持ちだったのでしょう…。あの時は、親の言うことは分からなくても、今こうして時がたってみると親の気持ちが理解できる、ということもあるものです。

 さて、人と人との出会いを縁といいます。そして「袖振り合うも他生の縁」という言葉があるように、縁がなければこの世で出会うことはありません。

 人生には嬉しいことや楽しいことはもちろん、辛いことや悲しいこともまたたくさんあるものです。嬉しいことや楽しいことはお互い喜び合い、辛く悲しいことはお互い励まし合って生きていくのですから、今生で苦楽を共にする家族として生まれたということは、やはりそれだけ深い縁があったということなのでしょう。

 みなさんのご両親はご健在ですか、それともすでに他界されていますか。お元気なら感謝の気持ちを伝えてあげればきっと喜んでくれるでしょう。また、たとえすでに他界されていたとしても、この世に残された子供が親の恩に思いを巡らせ感謝の気持ちを贈ってあげることは、何よりの親孝行になるはずです。



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