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米国市場:6/24週の振返りと24年7/1週の予定

市場概況

 先週のS&P500指数は、5,460.48と前週比-0.08%で終了しました。NASDAQは17,732.60と前週比+0.24%で終了しました。
 先週の株価は、S&P 500がほぼ横ばいで終了しましたが、第2四半期を振り返ると、S&P500は+3.92%とNasdaq指数は+8.26%それぞれ大きく伸びています。年初来で比較すると、NasdaQが18%以上の上昇で大きくリードして伸びており、S&P 500が年初来14.5%の上昇でそれに続いています。今年は大統領選の年であるためプラスになりやすい年ではありましたが、好調な年といってもいいかもしれません。
 これらの上昇を牽引しているのが、Big TechとAI関連銘柄となります。これらの銘柄はApple(AAPL)、Nvidia(NVDA)、Qualcomm(QCOM)、Alphabet(GOOGL)等に代表され、これらを保有しているか否かでポートフォリオがS&P500をアウトパフォームするかどうかの重要な要因となりました。FFレートが高く維持されているため、中小型株は冴えない展開となった四半期ではなかったかと考えています。
 先週までの経済指標はインフレが抑えられてきていることが確認できてきており、10年物米国債利回りが4.36%付近で四半期を終えたことも、市場にとって好材料となりました。6月中旬につけた安値には及ばないものの、現状は、市場が利下げ回数を再考しなければならなかった4月下旬の4.7%よりもかなり低い水準となっています。CME FedWatch Toolによると、9月に最初の利下げを織り込んでおり7月のFOMCの結果によっては、再度利下げ回数を再考しなくてはいけない場面がやってくるのではないかと考えています。
 S&P 500のPER倍率は2022年から2023年の高値に近づいています。今後も市場が持続して伸びるためには、今後の四半期の利益見通しが上方修正されてくる必要があります。これは、S&P 500のEPS見通しが下半期に市場予想の12.5%の前年比増益を上回ることができるかどうかが明確になるまで、来たる決算シーズンが不安定になる可能性があることを意味します。来週の7月12日(金)より6月期の決算シーズンが本格的に始まります。それまでは、今週は独立記念日をはさみますし、夏休みシーズンということもあり出来高の少ない週になると思います。 

来週の主な決算発表(予定)

7/1(月):
<寄付き前>-
<引け後>-
7/2(火):
<寄付き前>MSC Industrial (MSM)
<引け後>-
7/3(水):
<寄付き前>Constellation Brands (STZ)
<引け後>-
7/4(木):祝日(Independence Day(独立記念日))
7/5(金):
<寄付き前>-

米国の主な経済指標

7/1(月):ISM製造業景気指数
7/2(火):
7/3(水):ADP雇用者数、新規失業保険申請件数、耐久財受注(前月比)、ISM非製造業景気指数
7/4(木):祝日(Independence Day(独立記念日))
7/5(金):失業率

今週の着目点

 今週より2024年第3四半期が始まりますが、株式市場は7月4日木曜日は休場となります。この祝日の関係で、市場は水曜日に早く、特に金曜日は多くの人が非公式の3連休を取る傾向があるため、通常よりも取引量が少なく、ゆっくりとした週になります。
 しかし、取引量の少ない週は一方向に動きやすい傾向がありますので、、市場がその週をどのように見ているかを必ずしも反映しているわけではありません。それでも、来週は6月の経済指標発表祭りが始まります。カレンダーは市場の休日をあまり気にしませんので、引続き、これらの結果を確認し分析し、経済、雇用創出、賃金上昇、そしてもちろんインフレにとって何を意味するのかを評価する週になると思います。
 6月のPMIと雇用統計に加えて、GDPモデルの再修正が行われる可能性がありますが、5月の建設支出報告書も発表されます。季節調整されていない一戸建て住宅着工件数は5月に増加しましたが、まだ建設業界が活況を呈しているとは言えない状況です。この報告書では非住宅建設について注目します。通常、暖かい季節への移行は、建設活動にとって良い兆候ですとなり、インフラ関連の支出が行われていることから、5月のデータでは好ましい結果が見られるはずです。
 7月末に予定されているFOMCまで残り約1ヶ月となる中、火曜日に予定されているパウエル議長の講演には多くの注目が集まると予想されます。FRBは、金曜日の5月PCEであった4月コアPCE指数の上方修正を踏まえ、引き続き良好なデータを求め、政策金利に変更はないという講演になると思います。この結果、9月に利下げを期待している市場が少し混乱する可能性もあります。仮に、混乱した場合、今週は取引量の少ない週ですので変動幅が大きくなる可能性もあると思っています。

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