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【インタビュー】本当に大事なことはあなたの目の前ではおこらない:俳優・岸本昌也

Continue関連企画 case.2|和田ながら
“本当に大事なことはあなたの目の前ではおこらない”
https://askyoto.or.jp/e9/ticket/20200721
 では終演後に、演出家と俳優へそれぞれに質問を出し合うインタビューを行いました。
俳優:岸本昌也  出演回:7月13日(月) 14:00

Q1. 【共通】本番を迎えるまでの準備の段階で、『どうしてもしないでいられなかったこと』を一つだけ教えていただけませんか。

「私にとっての本当に大事なことを深く思い出さないために、当日の朝に急いでバタバタと準備をする」を意識したように思います。

Q2. 【共通】「これが劇場の性質なのだから仕方ない」と言えるような、「劇場」を「劇場」と呼べるための「劇場」を構成する最低要素は何か? 「劇場」がしないではいられないことは何か?

場所がないと集まれないし、時間が違うと会えないので、場所と時間かなと思います。ただ、これは上演に限ったことなので、劇場の機能をいろいろ考えると、要素が増えたり減ったりすると思います。


Q3.【俳優あて】「他人に見られている時とそうでなときでは違うことになるだろう。」という仮定が戯曲にあります。見られている時とそうでないときは違いがありますか?またそれはどんな違いかを教えてください。

今回の上演は誰にも目視されていなかったので「ひとりで贅沢だな」と思っていました。誰かに目視されていれば「ああ見てるな」と感じたと思いますが、作業の内容は変わらなかったと思います。
普段の日常生活を他人に見られるときは、自分を良く見せようとしたり、その時々によって必要な役を演じる時もあると思います。

Q4. 【共通】「本当に大事なことはあなたの目の前ではおこらない」を考えるにあたり、戯曲以外で参考にしたあるいはイメージがつながった文献や映画、音楽、ドキュメンタリーなどの「作品」があれば教えてください。

作品ではないのですが、スティービー・ワンダーとピアニストの辻井伸行さんのライブ動画を見ました。また、これも作品ではないのですが、高校生の時に自分が描いた大量の絵が参考になりました。当時は大学受験のために画塾に通っていて、鬱々とした気分で青色と紺色の絵ばっかり描いていました。


Q5. 【共通】再演したいですか?

再演したいです。ただ、反復できない内容なのでリメイクになると思います。


Q6.【俳優あて】俳優として今作品への関わりが、これまで経験した演劇作品への出演と、何か違う部分はありましたか? もしあれば、それはどのような部分でしたか?

「いつもは多人数ですが、今回はひとりでやりました」と回答しようと思ったのですが、和田さんとの事前打ち合わせや、劇場の福森さんとのやりとり、終演後お客さんとの会話、岸井さんの戯曲本を読み返したりしたので、結局全然ひとりじゃないと思いました。なので、いつも通りでした。(岸井戯曲に何度か取り組んでいるのでそう感じるのかもしれません。)


Q7. 【共通】本番の日、劇場に向かう道のりは、"どんな”感じ”でしたか。そして劇場から帰る道のりは、"どんな感じ”でしたか。考えたこと、感じたこと、見えたもの、空気や光、自分の足取り、など自由に教えてください。

小雨の中、車を運転してひとりで劇場に向かいました。劇場の周りの道は一方通行が多いので、道を間違えないように気をつけました。劇場横の関係者用スペースに駐車したのですが、初めての場所なのでバックでぶつけないか心配でした。
終わった後は、また車を運転してひとりで帰りました。上演で使ったものを処分するため途中ある場所に寄りました。処分の様子を最初から最後まで見ておこうと思ったのですが、途中で飽きてしまい、しばらく近くを散歩しました。また雨が降ってきたので、処分の終わりを確認した後、車に戻って家に帰りました。


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岸本昌也
滋賀県出身・在住。神楽舞を始めたことをきっかけに舞台に立つようになる。京都造形芸術大学卒業。現在はフリーランスの俳優として演劇、映像作品、オペラ、神楽ライブなどに参加。これまでに「地点」「エイチエムピー・シアターカンパニー」などのカンパニーに出演。和田ながらが主宰するしたためには#3『わたしのある日』#4,#6『文字移植』#5『ディクテ』#7『擬娩』に参加。
撮影:宇田川俊之

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