【インタビュー】本当に大事なことはあなたの目の前ではおこらない：出演・飯坂美鶴妃

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“本当に大事なことはあなたの目の前ではおこらない”
https://askyoto.or.jp/e9/ticket/20200721
では終演後に、演出家と俳優へそれぞれに質問を出し合うインタビューを行いました。
俳優：飯坂美鶴妃　　出演回：7月14日(火) 14:00

Q1. 大熊ねこさんからの質問
【共通】本番を迎えるまでの準備の段階で、『どうしてもしないでいられなかったこと』を一つだけ教えていただけませんか。

空想せずにはいられませんでした。
本番の60分で何をするか現実的に考えるというよりは、ありえないようなことまで出来てしまうのではと頭の中で空想するのが楽しかったです。

Q2. 佐々木峻一さんからの質問
【共通】「これが劇場の性質なのだから仕方ない」と言えるような、「劇場」を「劇場」と呼べるための「劇場」を構成する最低要素は何か？ 「劇場」がしないではいられないことは何か？

9には安定性があっていいなと思いました。ほどよい静寂と外の気配。世界との一区切り。

Q3.岸本昌也さんからの質問
 【俳優あて】「他人に見られている時とそうでなときでは違うことになるだろう。」という仮定が戯曲にあります。見られている時とそうでないときは違いがありますか？またそれはどんな違いかを教えてください。

違いはあると思います。一人で物事と向き合うときのチャンネル。観察されない時間、物事の主導を握らなくてもいい時間。

Q4.紙本明子さんからの質問
【共通】「本当に大事なことはあなたの目の前ではおこらない」を考えるにあたり、戯曲以外で参考にしたあるいはイメージがつながった文献や映画、音楽、ドキュメンタリーなどの「作品」があれば教えてください。

太田省吾の「舞台の水」を読み直しました。生きているということ、そこに在るということ、からだで感じるもの、触るということ。
当たり前すぎて通り過ぎてしまっていたことを改めて捉え直す時間でした。

Q5. 飯坂美鶴妃さんからの質問
【共通】再演したいですか？

終わったときはもう出来ないだろうと思っていましたが、今はまたやりたいと思います。観客側でも参加してみたい。
多くの俳優に経験してもらって感想を共有したい。

Q6. 松田早穂さんからの質問
【俳優あて】俳優として今作品への関わりが、これまで経験した演劇作品への出演と、何か違う部分はありましたか？ もしあれば、それはどのような部分でしたか？

とても違う、と最初は思いますが、考えを進めていくと結局変わらないのではと思います。
セリフや細かな段取りがなかったので、そういうのを覚える作業はないという点、共演者や演出家は、共同作業の時間はほとんどないけど存在はしているということ、本番時間に起こったことはそれぞれがいた場所で起こったことしか知り得ないなど、構造上のちがいはたくさんありましたけど、俳優としての作品の関わり方や作業はあまり変わらなかったかもしれません。

Q7. THEATRE E9 KYOTOからの質問
【共通】本番の日、劇場に向かう道のりは、"どんな”感じ”でしたか。そして劇場から帰る道のりは、"どんな感じ”でしたか。考えたこと、感じたこと、見えたもの、空気や光、自分の足取り、など自由に教えてください。

上演内容のことを考えて、出来なかったらどうしようという不安と緊張がありました。
出来なくても別に上演的には失敗にはならないし別にいいんですけど、でもできればやりたい、というか成功？させたいなと思っていました。
当日は雨でした。服が濡れるかなと思ったので劇場で着替える用に服と靴を持っていって、そのあとの仕事に必要な荷物もあって重たかった。
E9に行くのは初めてで、とてもそわそわしていました。
スマホのマップを見間違えて行き止まりの道に入ってしまって、辿り着けなかったらなんて謝ろうと一瞬だけ考えました。
終わってからは開放感に満ち満ちて、ふわふわ軽い気持ちで帰りました。
荷物が重いのが嫌で、いったん帰って上演用の荷物を置いてから仕事に向かいました。もう雨は上がっていて、とても晴れやかな気持ちでした。
上演内容的には成功というか満足できたので、本当によかった、なんて素晴らしい企画なのだろうと思いました。

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飯坂美鶴妃
静岡県出身。高校より演劇を始め、大学では演劇サークル劇団西一風に所属し、フリーで京都を中心に活動中。現在はNPO劇研に所属し、制作としてアクターズラボ事業に携わる。主な出演作品に、したため#5『ディクテ』(2017)、下鴨車窓route1『漂着(edge)』(2019)、夕暮れ社 弱男ユニット 春の試技祭vol.2『恋するフォーク、京都で』(2020)、劇団なかゆび10『さよなら、を言い忘れた』(2020)などがある。
撮影：木村成宏