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「売る」営業から「聞く」営業へ。(株)ショーケース トップ営業・安立健太郎の営業スタイル

新年度を迎え、やる気に満ち満ちて入社するも、1年目からすぐに成果を出すのは簡単ではない。でも、それは誰もが通ってきた道。今回は、株式会社ショーケース入社5年目の営業部長・安立健太郎さんに新人時代のモチベーションの保ち方や、トップ営業マンへと上り詰めた営業スタイルについてお話を伺った。

周りの2倍のアポを入れ続けた1年目

インタビューアー:安立さんは、現在ショーケースで営業部長を務められ、大きな案件を受注してくるトップ営業マンとしても社内で知られるほどご活躍ですが、そんな安立さんにも新人時代があったと思います。安立さんはどんな新人だったのでしょうか?

安立:1年目は、“とにかく量にこだわる”というスタイルをとっていました。新人なので、知識も十分でなければ、営業のスキルもない。僕ができることは、お客さんのところへ足を運ぶことだけでした。毎月、他の人の2倍以上のアポを取ると決めて、皆が月に30件アポを入れているなら、僕は60件入れていました。

インタビュアー:一言に2倍と言っても、かなりの数ですね。

安立:はい。日中は電話をかけまくり、アポへ出て、帰ってからはサービスについての知識を身につけたり、営業のロープレなどをしていました。当時、会社から家が遠かったので、同期と一緒にカプセルホテルに泊まって、サウナに入りながらお客さん役と営業役を交代しながらロープレしていました。

インタビュアー:一緒に取り組める仲間がいたのですね。

安立:同期には恵まれていたなと思います。ライバルでありながらも、互いに切磋琢磨できる同期がいたから頑張れました。あの時の経験は今思い返してもすごく糧になっているので、今後、会社でサウナ部を作れたらなと思っています。

インタビュアー:サウナ部、いいですね(笑)。とはいえ、いくら数を打っても、結果が出るまではある程度の時間がかかると思います。どうやってモチベーションを保っていたんですか?

安立:当然、受注額は先輩たちに敵わなかったので、当時はアポ数だけに目標を設定していました。月末に先輩たちの受注額を横目で見ながらも、「俺はこの中で誰よりもアポの件数を入れた」「今月も1位で良かった!」と自分を鼓舞していました。

インタビュアー:何かしらの指標で、“自分が勝てるもの”を作ったということですね。売上にも手応えを感じるようになったのは、いつ頃からですか?

安立:2年目からですね。スキルも身につき、量に対して結果が伴うようになり、かけ算式で受注額が増えていきました。そこからは、目標設定をアポ数から売上へ切り替え、絶対に達成するようこだわりました。

インタビュアー:それでも達成できない月は、どうされていたのですか?

安立:毎月達成していたのですが、月末が迫るなかギリギリ達成できていないことがありました。忘れもしません。2年目の9月。その時、同期はすでに達成していて、焦りやプレッシャーもありました。昼ご飯にサンマを食べていたんですが、全く味がしなかったですね。そして、「今、サンマ食ってる場合じゃねぇな」とハッとして、すぐにお客さんに電話をかけまくり、なんとか目標の売上額を達成しました。あのサンマの味は2度と味わいたくないです(笑)。

インタビュアー:ギリギリの状態でも、絶対に諦めなかったんですね。

安立:どんな時でも、「もう、いいや」とは思わないようにしていましたね。

営業は“お客さんを知ること”から始まる

安立:2年目からは毎月順調に売上目標をクリアしていたのですが、1年も経たないうちにまた悩むようになりました。

インタビュアー:なぜですか?

安立:頭打ちになったんです。自分が達成できる売上額の天井が見えるようになってきました。でも、そんな現状に満足したくないという自分がいて、さらに爆発的に売上を上げるにはどうしたらいいかと悩みました。

インタビュアー:どういう打開策を考えたのですか?

安立:少し視点を変え、まずは“お客さんを知ること”から始めることにしました。単に自社のツールを売るのではなく、お客さんは何を求めていて、今後どうしていきたいのか。それを知った上で提案した方が、効果も高まり、お客さんにもさらに喜んでもらえると気づきました。

インタビュアー:営業と聞くと、売ることに直結しがちですが、“寄り添うこと”を先に考えられたのですね。

安立:はい。僕たちが目標を持っているように、お客さんにも目標があります。「その目標を達成するために、僕たちができることはないですか?」というスタンスに変えました。

インタビュアー:具体的にはどうやってお客さんを知るのですか?

安立:会社の決算資料などを全てチェックし、前期と今期で戦略はどう違うか、どの事業に力を入れているのか、予算の組み方は前年とどう違うか、広告宣伝費はどうか、など隅々まで理解するようにしました。

インタビュアー:結構、膨大な作業になりそうですね…。

安立:最初は特に大変でした。また、資料から見えるものだけでなく、お客さんと話すことで、今抱えている悩みや課題を一緒に可視化し、共通認識を深めていくという過程も大切にしています。

インタビュアー:クライアントによって、状況や要望はさまざまだと思います。すべてに対応するというのは実際には難しいのではないですか?

安立:そうですね。もちろん、自社のサービスでできるかどうかも含めて検討をしますが、既存のサービスにとらわれず、お客さんの要望に合わせてカスタマイズすることも少なくありません。そのためにも、お客さんだけでなく、自社で話を聞くことも大切にしています。エンジニアやカスタマーサクセスのメンバーにお客さんの要望を伝え、どのような提案ができるか皆で話し合います。

インタビュアー:そうやってクライアントとの信頼関係が築かれ、大きな受注や長期的な関係性へ繋がっていったのですね。約3年をかけて、“安立式”の営業スタイルが出来上がっていったと思いますが、一言で言うと“安立式”は、どんな営業だと言うことができますか?

安立:とにかく、“相手”を大切にする営業ですかね。営業は、相手がいないと成立しません。お客さんの要望を叶えるために、自分たちができることを最大限に考え提案し、一緒に成功の喜びを分かち合える。そんな営業が僕の理想であり、営業チーム全体の目指す方向でもあります。チームのメンバーには、お客さんのビジネスを成功へ導ける営業マンになってほしいと思っています。

インタビュアー:営業マンとしてはもちろん、社会人として大切な姿勢を改めて考えることができました。ありがとうございました。

安立:ありがとうございました。

■プロフィール
安立健太郎(あだち・けんたろう)
株式会社ショーケース 営業部長。2015年入社。2018年度上半期MVP受賞。週1でサウナに通う。現在、社内にサウナ部を作ろうと計画中。
安立さんのショーケースでの仕事内容や入社経緯など、仕事に関するインタビューはこちら↓
https://recruit.showcase-tv.com/interview/detail08.html

文/坪井安奈

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