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【現地リポ回】GW恒例!「民族共生象徴空間ウポポイ」でアイヌの歴史と死生観を学ぶニシパとヒンナなオハウ(白老編)115 昭和オカルト奇譚

番組をお聞きの方もそうでない方もこんにちは。
ポッドキャスト番組『昭和オカルト奇譚』のマサです。

 毎年ゴールデンウィークには現地リポ回を配信するのがなんでか恒例になっています。2021~2023年はGWに“現地リポに行く“ので、少し遅れての配信でしたが、2024年はせっかくなのでGWにも行き先候補に選ばれるよう、ピンポイントで配信することにしました。

※このnote記事は、本配信内容を補足するおまけ記事です。本編はポッドキャスト(Apple/Amazonmusicなど)からお聴きください。


民族共生象徴空間ウポポイ

 ウポポイは、白老町にある国立アイヌ民族博物館、国立民族共生公園、慰霊施設の3施設からなるアイヌ文化の復興・創造・発展のためのナショナルセンター。施設がオープンした年に札幌でニュースを見た。滞在最終日で惜しい思いをしたので、今回ようやく念願が叶う。

 チームNACSのロケもおこなわれていた。

新千歳空港からウポポイ直行

 この日有休を取ることをかなり前から計画していたので、LCCの早割でお得なチケットが買えた。当初は、釧路か稚内スタート、函館ゴールの予定も考えていたが、北海道在住リスナーさんたちのアドバイスによりかなり無謀であることを知り、現実的なルートに修正する。

翌日行く予定の洞爺湖と羊蹄山が見えた

 配信でも述べているが、新千歳空港からは札幌方面に向かう観光客が大半のなか、ひとり逆方面へ。経験上、快晴でも飛行機の到着時刻はズレることがあるので、あらかじめ前のほうの座席を予約。(着陸時すぐに出られるように)。案の定、5分遅れという致命的な状況となった。

 具体的には、①9:45 新千歳空港着→②10:09 新千歳空港駅発 (JR区間快速エアポート45号)→③10:12 南千歳下車、10:16 南千歳(JR特急北斗8号)→④10:47 白老 という計画だった。結果からいうと、③で1~2分差でギリセーフだったが乗れた。これを逃すと、④11:58 白老 というかなりの時間をロスすることになっていた。

 今回、帰りは函館からなので、新千歳空港をエンジョイする時間はおかげで皆無だったのが少し残念でもある。もし北斗8号に間に合わなければ、のんびりとスパでも行こうかと思っていた。

 ②でSUICAが使えたので、切符を買っていたりしたら間に合わなかったかもしれない。しかし、思わぬトラップにかかる。なんと、ここから先、SUICA改札が函館まで皆無だった。そのため、南千歳駅では駅員さん了承のもとでそのまま飛び乗り、車内で乗車券・特急券を購入し、SUICA取消の証明書をもらう。これが函館まで取り消せないことになった。

かくしてウポポイに着いた

 世間ではいただきギャンブラー一平のニュースが話題になっているなか、その一平の出身地である苫小牧を横目に、空港からほぼ1時間で白老に着いた。車窓からは春の雪景色を期待していたが、ところどころに残雪があるだけで、ほぼ雪解けしていた。

 白老駅は平日だったのでガランとした構内や駅前を横目に、ウポポイまでの10分ほど道をひとりとぼとぼ歩くと、ゲートが見えてきた。

目線が合わないトゥレッポん

 ゆるキャラGPの終焉に伴い、ブームも過ぎ去って久しいウポポイのゆるキャラ「トゥレッポん」がお出迎え。入口が謎の迷路のようになっていて、おそらく混雑緩和用の待機列待合所的なものかと思う。土日はここが長蛇の列になるぐらい混むのだろうか。

名前の由来は︖ · turep (トゥレㇷ゚) アイヌ語で「オオウバユリ」の意。オオウバユリは北海道、本州の中部以北の林内に⾃⽣するユリ科ウバユリ属の多年草。

ウポポイ公式サイトより

いろんな意味で真面目なウポポイ

 コンセプトがそもそもテーマパークではないので、真面目であることが正解なのかもしれないが、それにしてもちょっと真面目すぎた感は否めない。「シノッ」や「イメル」も演目は素晴らしかったが、区切りがつく度に真面目な紹介が入るので、ぼくや見ていた外国人も拍手のしどころが掴めずにオロオロしていた。もっと観客いじりやエンタメ性があってもよさそう。

アイヌの集落(コタン)を再現したもの

 この日は平日ということもあると思うが、明らかに客よりアイヌ民族衣装を着た演者やスタッフのほうが多いぐらいだったので、せっかくこういう施設や広大な敷地があるのだから、観光客一切無視の"アイヌの生活”を疑似的に営む様子とかコタンを守るカムイなんかのARを見せてくれてもいいのに…(´・ω・`)

 年間100万人の来場を目指すなら、修学旅行生だけというわけにもいくまいに。観光客、インバウンド客はもう少しエンタメ性を求めている。また、15:00からの体験学習館の調理体験「ポントキッチン」は受けたかったが2組定員は少なすぎ、気づいたら満席に…。年間100万人を受けるコンテンツの受け皿が用意しきれていない感は否めなかった。

チタタプはなく、代わりにチェプオハウのランチ

鮭(チェプ)のオハウセット 1,400円

 こちらはウポポイのゲート前にある「CAFE RIMSE」で食べることができるアイヌ伝統料理のオハウ。食レポは本編でお聞きください。

オハウは、魚や動物の骨で味付けされた、アイヌ民族の風味豊かなスープです。昆布は出汁に風味を加えるためにも使われます。日本の伝統的なスープの大部分とは異なり、アイヌのスープには味噌や醤油を使いません。

wiki

 飲食店が3店舗(内1店はフードコート)しかないので、選択肢は限られる。とはいえ、ウポオポイに来たならということでアイヌ伝統料理ランチを楽しんだ。ヒンナであった。

オソマは「うんこ」のこと

 ゴールデンカムイの杉元が持つ、伝家の宝刀オソマ(味噌)。
オハウは割と薄味で仕上がっているので、これがもし鍋でぐつぐつ煮立っている本来のスタイルだとしたら、味噌がとても合うだろうなと思った。

アイヌの死生観に触れる

死出の旅に用いる衣装

 配信でも触れている、資料館に展示されているアイヌ民族の死出の衣装。手甲は狩猟民族であることのあらわれだろうか。意外にも、カムイとなった動物を一緒に埋葬するような風習はなく、和人(我々)の儀式に近い気がした。詳しくは、本編でお聞きください。

ヒグマ(キムンカムイ)の子熊

 人を食ったヒグマは悪い神、ウェンカムイになる。
そんな伝承をアシリパさんが語っていた。ウェンカムイとなったヒグマは退治されてしまうが、その子熊に罪はないということで、集落(コタン)で来る日まで丁寧に飼われる。それがこの剥製のような装飾をもって、カムイ(神)として祀られるということだ。自然や動物との共生が、北海道という地が生んだ概念であるのか、深い文化が存在している。

そして室蘭へ…

 きっかけなんてなんだっていいと考えているが、ぼくの場合はゴールデンカムイだった。作中で生き生きと自然の中を駆け回るアシリパさんや、アイヌの人々の様子を見て、実際の文化を知りたくなったのだ。事前にアイヌ本を購入して読んでいると、つくづくミステリアスな民族だと感じた。

 結局、ほぼ閉館時間までいた。ウポポイではさまざまなアイヌ文化に触れることができ、人生の良い体験になった。このゴールデンウィークや夏休みの予定にひとつにぜひ加えてほしい。

札幌にはいかず室蘭へ

 次週は、アイヌの民話と続きのプチ北海道旅、洞爺湖伝説、函館編をお届けします。

おまけ:白老町のマンホール

 当番組の準レギュラー、山本ミッシェールさんは知るひとぞ知る、屈指のマンホーラー。毎年のマンホール学会(2023年は岡崎市)では登壇してのゲストスピーカーを務めるほど。というわけで、毎回どこかへ行く度にマンホール画像を撮影してさしあげる「もらいマンホール」(ミッシェールさん側から見て)を行っている。

 白追町は、牛とカニとサケのデザイン蓋。牛は白老牛というブランド牛。なかなかかわいいデザイン。

結構レア蓋っぽい

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