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生成AI使ってますか?:仕事の効率化が進まない根深い原因

みなさん、仕事で生成AI使っていますか?


私は最近、定型業務の効率化のためにChatPGTにpythonのプログラミングを書いてもらいました。基本的なロジックはある程度頭の中にあったのですが、今回はそれをGUIアプリにしたいと考え、その辺りを書いてもらいました。

結果として、私はGUIはほぼ初学者でしたが1週間もかからずにアプリの骨子が完成し(おおよそ全体の8割)、残りは手で直しながらアプリの形と機能を整えています。

話題になっている割に使われていないChatGPT

さて、ここからが本題。日本人のChatGPTの使用率は12.1%だそうです。思っていたより低い!

プログラミングに限らず、文章の要約など使い所はあるはず。大きな企業だと利用を制限しているところもありますが、厳格に禁止することなど難しいだろうし、そもそもそこまで追いついていない企業が大半でしょう。

業務の効率アップを図るためにChatGPTは有用だし、少なくともこれだけ話題になっているのだから、スマホの普及率などを考えると、使ってみる人がもっといてもおかしくはないはず。

その割に、使用率は低いように思いませんか?

マクロ視点でAIの活用が進まない理由

ChatGPTのようなAIの活用は、広義のDX(デジタルトランスフォーメーション)と考えることができます。そして、AIの活用が中々進まない要因は、既存の企業でDXが進まない理由と根本的には同じではないかと思います。

そもそも、DXは既存の企業がデジタル化をして躍進する、という構図ではなく、新たな企業がデジタルを駆使して産業に参入して既存の企業を駆逐する、という構図によって成り立つと言われています。これは著名なソフトウェアエンジニアである、中島聡さんがおっしゃられていることです。

デジタルを業務に適用する場合、既存の企業は業務を根本的に見直さなければならず、それだけのパワーが社内からは中々かけられない、という背景があります(既存の小売産業を駆逐しつつあるAmazonが好例でしょう)。

これは、企業単位というマクロの視点で見たDXの場合です。しかし、もっとミクロな視点、個人単位でみても、DXやAIを使った業務効率化は中々起こりにくいと思っています。

それは、そもそも人間が変化を嫌う生き物であるというだけでなく、圧倒的な効率化は意外と恩恵が少ないという側面があるからです。

既存企業だと、そもそも業務効率化の恩恵は小さい?

DXの本質とは、デジタルやAIを駆使することで業務効率を圧倒的にあげることができることにあります。例えば一人当たりができる業務が10倍になる、あるいは同じ業務にかかる時間が1/10になる、といった具合です。
(私がChatGPTで簡単にGUIアプリを作って業務効率化を実現できたことを考えると、この極端な例もあながちあり得ない話ではありません)。

しかし、仮に10倍の仕事ができるようになったと仮定しましょう。その場合、単純に自分が負う責任も10倍に近くなるのかもしれない。それを望む人はどれだけいるでしょうか?結構な人が「そこまでしなくていいや」と思うのではないでしょうか。

なぜなら既存の企業では、業務効率が10倍になったからといって給与が10倍になることはまずあり得ないからです(倍になることすらないでしょう)。逆に、仕事にかかる時間が1/10になったとしても、じゃあ働く時間を1/10にします、とも言えないのが実情です。

そのような業務効率が完璧にできたとしても、じゃあ仕事に必要な人員が1/10になったんだから、社員も1/10に減らしましょう、といった結論にもならないのではないでしょうか。

AI活用(=DX)の本質

一つの仕事を効率化して、かかるリソースを1から0.9や0.8程度に減らすのは、たとえデジタルを使っていたとしてもDXとは言えません。0.5や0.1にして初めてDXが実現できたと言えるのです。そして、既存の企業はマクロな視点においてもミクロな視点においても、そのようなDXを推進するインセンティブが働かないのではないでしょうか。

だからこそ、最初からデジタルを駆使して他社の10倍の仕事をこなす企業が登場し、既存の企業を駆逐する構図が生まれるのではないかと思います。

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