黒歴史に光さす

追っかけをしていた時代のことを

最近思い出します。


ステージに立つ彼はとてもキラキラして見えました。

私は、まばたきをしたくないと思うぐらい

彼の姿、一挙一動を記憶に刻み付けようとしました。

本当に素敵でした。

これは、恋(リアコ)だったのかな?


彼が客席を見回すとき、

私は最前列にいることも多くありましたが、

目が合ったことはまったくありませんでした。

そんなに大きな舞台でもないし、

私のことを知らないはずはないんだけどな…と

いつも少し寂しい思いがありました。

見返りを求めているわけではないけど、

私の"ファンとしての愛"を受け取ってほしい、と思っていました。


私は常連だったし、

彼は「ファンにはぜひ声を掛けてほしい」という発言をしていたので、

勇気を振り絞って声を掛けたことがあります。

声を掛ける行為は、私の苦手なことですが、

彼に喜んでもらえると思ったから、頑張りました!


その時(初回)は優しい対応をしてくれたけど、

それ以降は、塩対応。

迷惑なファンだと思われているんだ、と落ち込む日々でした。

(滅多に声を掛ける機会はなかったのですが、反応が悪いので、

嫌われているんだなと思っていました。)


ごく最近まで、その頃のことを思い出しては

「自分は痛いファンだった。」「迷惑をかけて気持ち悪い。」と

自分を責め続けていました。


それから10数年経った今、

「あの頃はあの頃で、楽しかったよね。

追っかけという貴重な経験ができた」と

思えたのです。

お風呂に入っているとき急に、そんな言葉が浮かんできました。


今までは「黒歴史だ、消したい。無かったことにしたい」と

思っていたのに!

こうやって、悪いところばかりではなく、

良かったところに目を向けられるようになって、

黒歴史に光が射したような気がしました。




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