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「かつおぶし」は水晶なみの硬さ、「あずきバー」の硬さはサファイア超え、のウワサは本当か?

世の中には、いろいろな尺度や単位というものが存在しますが、硬度(硬さ)にも、もちろんあります。
そのひとつが「モース硬度」と呼ばれるものですが、ざっくり言うと「物質同士を互いに傷つけあったときにどっちが硬いかを相対的に示した数値」となります。
最近15段階になったとも言われてますが、10段階で語られることが多いようですね。
もっとも硬い物質が「ダイヤモンド」でモース硬度10。モース硬度1は「タルク」と呼ばれるもので、もっとも傷つきやすい石とも言えます。ちなみにモース硬度2の物質は「石膏」です。

相対値なんで、6と7では一段階違うだけだけれど、絶対的な数値では5と6の一段階とは大きく違うかもしれないということですね。
つまり、クラスの10人を背の低い順に並べたとして、5人までは140cm台で、6人目から180cm以上になったとします。そんなに大きな差があったとしても、4と5、5と6はそれぞれ一段階しか違わないことに変わりはないよねってことですね。

「かつおぶし」は、水晶なみに硬い

「かつおぶしは世界一硬い食品としてギネスブックに掲載されている」という情報がありました。かつおぶしのモース硬度は7だと言われてましたが、これ、物質で言うと「クォーツ」、つまりは「水晶」と同じです。
そんなに硬いのか! とびっくりしましたが、どうやらこれはネット界隈で広まったガセネタのようです。
ギネスワールドレコードからも「載ってない」と公式に否定されているそうです。

じゃあ本当はどのらいなの? ということになりますが、だいたい2.5から3くらいじゃないかと言われています。
これ、物質で言うと「方解石」レベルだそうです。方解石には、石灰岩や大理石、鍾乳石などがあります。ある程度硬くとても加工しやすいため、インテリアによく使われている石ですね。
まぁそれでも十分硬いですね。食べ物なのに、石と同じなんですから…。

「あずきバー」の硬度は、サファイア超え

「あずきバー」と言えば、ご存じ井村屋の人気アイスですが、非常に硬いアイスとしても知られています。
実際パッケージにも「硬いので気をつけろよ」的なことが書いてあります。歯の弱い人にはかなり厳しいアイスですね。

この「あずきバー」の硬度を実際に測定器で計測した方がいます。ロックウェル硬度という別の尺度での測定でしたが、これね、びっくりしますよ、実際にサファイアより硬いことが判明したんです。

金属材料の硬度を測る機器「デジタルロックウェル硬度計」で計測。この硬度計では、「HRC」(ロックウェル硬さCスケール)という尺度でものの硬さが表され、数字が大きければ大きいほど硬いということになります。

ダイヤモンドで「HRC711相当」、一般的なナイフのブレードで使われる鋼材だと「HRC56~61」くらいだと言います。
で「あずきバー」の硬さはと言うと「HRC300」を突破! サファイアの「HRC 227」を余裕で越えていきました。数値の上では、ダイヤモンドに次ぐ硬さの宝石・サファイアを超えたというわけです。

ただし、ここからが重要なんですが、しょせんはアイスです。溶けます。そのため、硬度が長続きせず、硬い硬い硬度もほんの一瞬で終わってしまいました。

それにしても食べ物ですからね、どえらい硬さです。
「あずきバー」は、食べられる鈍器とも呼ばれていて、「釘が打てる」という話もあり、実際嘘ではないようです。さまざまな人が試して、木の板に「あずきバー」で釘を打ち付けている実証映像が存在します。

おそろしいアイスです。

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