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「知ってる知ってる、パソコンのゲームのことじゃなくて、もともとあるトランプのゲームのことでしょ。まぁ、ゲームとしては一緒だけど…」という答えが返ってきそうですが、あのゲーム、ほんとは「クロンダイク」と言います。

「じゃあ、ソリティアって何なの?」という話になりそうですが、「ソリティア」というのは、ボードゲームやカードゲームなどのうち、「一人だけで遊ぶことのできるゲーム」のことを言います。つまりは「総称」、「ジャンル」みたいなもんですね。代表的であるカードゲーム(トランプ)のそれを指すことも多いようですが…。

ここまで「ソリティア」という名が知れ渡ったのは、やはりMicrosoft Windowsに標準搭載されていた「クロンダイク」のゲームプログラムが「ソリティア」という名前だったためでしょうね。「あのゲームがソリティアというゲーム」だと、非常によく誤認されています。

発明者が一円もお金を受け取っていない発明のひとつ。それが「ソリティア」

この人物の名は「ウェス・チェリー」と言います。「史上もっとも遊ばれたコンピュータ・ゲーム」と言われている、この「ソリティア」の発明者・開発者です。

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このゲームは、世界中のすべてのWindowsにバンドルされているにも関わらず、彼は一円も受け取っていないのだそうです。

1988年、このゲームを開発したとき、彼はマイクロソフトのインターンでした。しかし、これは正式なプロジェクトではなく、時間に余裕があり、退屈しきっていたというのが、そもそものきっかけだったそうです。
彼曰く「ソリティアのプログラムを書こうと思いついたのは、本当に暇だったからです。当時は、今ほどゲームが豊富ではなかったので、自分で作らざるを得ませんでした」。

マイクロソフトによると、当時はマウスがまだ一般には普及しておらず、マウスに馴染んでもらうために、ゲームをOSの一部に含めたとのことでした。
「でも、正直なところ、遊んで面白いゲームっていうだけで十分ですよね」と彼は振り返ります。

「年度内にバグをどうにかするようにと、会社から当時IBM XTを支給されただけで、金銭的な報酬は一切ないからねと、明確に告げられていました。とても暇だった私にとっては、むしろ願ってもない好条件で、その気持ちは今でも変わりません」と彼は語りました。

ビル・ゲイツからは「ソリティアは難し過ぎる」とクレームが…

ソリティアを初めてリリースしたときには、ビル・ゲイツから「ソリティアは難しすぎる」とクレームをつけられたこともあったそうですが、このゲームは、瞬く間に多くの人の心をつかんでいきます。

仕事中にも関わらず、つい息抜きに遊んでしまった、という方も少なくないかと思います。
彼が考えたアイデアのひとつに「ボス・キー」というものがあります。仕事中にソリティアでこっそり遊んでいたとしても、特定のキーを叩くだけで、画面にExcelなど表計算ソフトの画面が瞬時に表示されるというもの。この案はあえなく却下されたのだそうです。

いまは〝アップル〟で仕事をしています。

iPhoneやMacのほうの「アップル」ではなく、サイダーのほうの「アップル」ですね(笑)。
現在の職業は、コンピューター業界を離れてシアトルにほど近い場所にあるバション島で、アップルサイダー(ハード・サイダーとかシードルとも言いますね)を生産する企業「Dragon's Head Cider」の経営を行っているのだそうです。
なかなかの畑違い(笑)。

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