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小さな頃、遊んでいた場所は変わっていなかった。

小学生のときの遊び場は自然そのものだった。
山に囲まれた盆地の町だけれど、山で遊んだという記憶はあまりない。

稲が植えられている時期にはカブトエビやタニシを捕まえたり、稲刈り後には白鷺を追いかけ回したり、泥だらけになりながら田んぼで遊んだ。

町には4つの川が流れている。その川が町を抜けた辺りで合流して豊後水道へ流れる。その内の1つが家の裏を流れている。

鯉やフナ、ハエがよく釣れた。
小遣い稼ぎでスッポンを捕まえてはスッポンセンターに売りに行ったりした。
今ではそんなことをしている小学生なんていないだろうと思うけれど。

橋の下に秘密基地を作って捨てられた子犬を内緒で育てたりした。
結局、その子犬はいつの間にか秘密基地からいなくなっていた。

今日は兄夫婦が帰省して姪っ子たちと裏の川へ遊びに行った。
小さい頃はもっと水位があった気がしたけれど、こんなに浅かったのかと思うくらい水位は低かった。

昔は川を上から覗いたら大きな鯉やフナが泳いでいるのがよく見えた。
今日はそんな面影もなく、魚の気配すらなかった。

平成の間に川の環境も変化したのかもしれない。
その変化は自然環境ばかりではない。

小さな頃は綺麗に整備されていた農道や裏の川は、草が背丈以上に伸び、山に面した道は折れ曲がった木がそのままになっていたりしていた。

実家がある地区には8世帯あったけれど、今では5世帯になっている。
3軒が空き家になって、地区で一番若い世代が60代後半。
あと10年もすれば、ほんとうに誰もいなくなるかもしれない。

そんなことを思いながら釣りをしていたけれど、結局何も釣れなかった。

それから水切りを始めた。
姪っ子が「それ、ちびまる子ちゃんで見たことがある」と、そうか水切りなんてやったことないんだと思いながら教えたけれど、なかなかうまくできなくて、一度だけ一回跳ねたら大喜びだった。

小さい頃の遊び場は鯉やフナがいなくなり、草は背丈以上に伸びていたけれど、その場所自体は今も昔のままだった。

倉庫に今年も何個かツバメの巣ができていました。


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