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私の地元、津軽地方でもっともオススメするラーメン

2019年、6月28日だった気がする。弘前地方に新進気鋭のラーメン屋がオープンした。その翌日に初めて訪問し、その味に驚愕した。

その半年ほど前から、「太宰の街」、金木町で物凄く旨いラーメンを食べられるという話を聞いており、満を持してオープンした際は周囲の人々にオススメしまくったのを覚えている。

今回はそんな思い入れのある店を一つ紹介したい。


概要

青森県、藤崎町にある「麺屋謝(いやび)」。オープン以来常に行列を絶やすことのない、今や名店中の名店である。


2019年撮影。国道7号線沿いにあり、青い壁と隣にあるセブンイレブンが目印。

店主は栃木の煮干しラーメンの名店「麺屋天夢」のラーメンを食べ、脱サラし、ラーメン店を開くことを決意。その後、これまた都内の超人気店である「麺屋一燈」の系列店で厳しい修行を積んだのち、実家である金木の「喫茶驢馬」で半年ほどラーメンを提供。地元のラーメンマニアからの爆発的な人気により、独立することを決めた。

この店の売りは数種類の煮干しを用いた濃厚、淡麗、濃密等の煮干しラーメン、加えて青森シャモロックという地鶏を用いた醬油ラーメン、塩ラーメンである。

元来、ご当地ラーメンともいえる津軽地方だが、東京などの関東圏を中心に流行していた煮干しラーメンとは大きく異なり、それを地元に逆輸入する形となった。津軽地方のラーメンに新たな風を吹き込んだ存在ともいえる。

週に1,2回ほど、限定メニューの日も設けており、店主の引き出しの多さを伺える。

私は今年の夏に帰省した際に訪問し、「濃密煮干そば」、「塩そば」を注文した。

濃密煮干しそば


濃密煮干そば、950円。煮干しの大幅な価格上昇に伴い、どの店も値上げせざるを得ない状況。

「伊吹いりこ」を中心に日によって様々な煮干しを使い分け、加えて水と煮干しのみで作られたスープ。原価率を無視したであろうスープは程よい塩味とともにクリアに煮干しの濃厚さと旨味が味わえる。

麺はパツパツの細ストレート麺、歯切れのよい食感強めの麺はパンチの強いスープとも物凄く合う。

毎回のことだが言葉で言い表すことができないほどの旨さ。「中華ソバ伊吹」などにも師事しているらしく、煮干しを用いたラーメンに関しては日本でも指折りであると断言できる。

塩そば


塩そば、900円。創業当時から続くメニュー。

煮干そばをメインウエポンとするなら、こちらはサブウエポン的存在だが、侮ることなかれ。表面に浮いた鶏油の香りが広がる。更には鶏のしっかりとしたコク、それを下支えする乾物系が感じられる。まろやかかつ地鶏の旨味がガツンとくる塩ラーメンだった。

トッピングのチャーシューだが、塩ラーメンと煮干しラーメンで少し異なっている。豚チャーシュー、塩そばのほうが薄切りかつ大判になっている。

これまで謝に訪問して、チャーシューも日々変化を重ねてきたが、この豚チャーシューは特に美味しかったと感じている。

塩そばも文句なしの美味しさで、青森県で塩ラーメンは比較的みられない、あるいは受け入れられず、淘汰されやすいのかもしれないが、謝の人気の一端を担っている。

最後に

煮干しラーメンの聖地とも呼ばれる青森県津軽地方。多くの煮干しラーメン店が林立し、その伝統的な味、製法を長らく守ってきた。そんな良くも悪くも「ガラパゴス化」していた(このガラパゴス化というトピックについては後日また記事にしようかなと考えている)エリアに、20代の新進気鋭の店主が、東京で培ったハイクオリティのラーメンを持ち込んできた。

これを機に、津軽地方のラーメンのレベルが全体的に上がり始めたと感じる。それ程のクオリティ、人気度を誇る「麺屋謝」。本州最北端、青森に佇む日本でトップクラスの味を体感できるこの店に是非とも1度は訪れて欲しい。

今回行った場所

住所 青森県南津軽郡藤崎町藤崎村井24
営業日・時間 11:00~15:00、火曜日、金曜日は昼に加えて18:00~20:30で限定メニューでの営業。日曜日は定休日。
オーダー方法 券売機で食券購入。現金のみ。
アクセス 藤崎駅から徒歩5分。川部駅から徒歩15分。弘前駅から車で20分程。







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