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自分の意見で生きていくとはなにか。

ちきりんさんの新著が発売になりました。「自分の意見で生きていこう」というタイトルの通り、これからの若い世代に向けた「自分の意見」をどのように持って生きていくか、を主題にした一冊です。

と、この本の解説の前に、この本を読み解く上で、これまでのシリーズも併せて読むのがかなり重要と思いますので、これらの本の私なりのポイントに触れたいと思います。

○ 自分の意見の基礎を形成していくシリーズ

そもそも自分の意見を持つというのは、自分のアタマで考えるロジカルシンキングの基礎が必要です。人の意見を自分で考えたかのように話をしている人は多いですが、それでは自分で考えていません。考えるというのは結構難しいもので、意識しないとすぐに考えずに、誰かの考えをパクって終わります。ここがすべての基礎と思います。

マーケット感覚は、自分で生きていく上ではとても大切な視点です。私は生きづらさというのは、マーケット感覚のなさも大きいと思います。マーケット感覚があれば、なにかビジネスというだけでなく、自分なりの価値を高めていくことの道筋が見えるものですが、それができないとそもそも自立した意見を述べるのは難しいです。自分の意見を言いづけるためには、自分として自立した価値を持つ必要があります。それがないと自信も持てないので、なんとなくふわふわとした反応ばかり示してしまい、意見になりません。

さらに自分の意見を導き出すためには時間が必要です。考えるためには時間が必要で、毎日押し付けられた仕事とか作業ばかりをして意見をいったら潰されるような環境では、自分の時間は持てず、結果意見を考え抜く時間が持てないと思います。つまり生産性を高めた日常を送って、時間に余裕を出さないと、意見をじっくり考えることとかは難しいのです。

よく意見を出せない、いい意見を考えられないという人によくあるのは、自分の頭を回すことになれていなくてすぐに集中力が切れてしまうというのがあります。が、そうなるのは、そもそも1分くらいしか考える時間の余裕がないようなパツパツの状態で、20分とか30分とか考え抜いてみる習慣がないからです。時間を持ち、さらにそれだけの集中力を発揮してみないと、意見ってばりっと出てくるようにならないのです。だから自分の時間を作ることは大切なのです。

○ 国民総SDGs時代の大学入試

先日ツイッターでも大学入試の面接で多くの受験生が「SDGsが大切です」ということをなんの疑いもないように答えることが多くて、大学教員としても心配というお話がありました。

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