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DMO制度変更。DMO組織維持先行の安易な観光税活用はなぜ危険なのか〜国内問題と、米国における税活用トラブル〜

観光庁はDMO制度を変更。リビングデッドのDMOは認定を取り消すようですが、これで改善するとは思えないので、問題の背景など含めて解説したいと思います。

DMOでなんで登録制度を厳格化したのかという背景には、各地をみていると活動停止しているところが多数あるからというのはよくわかります。なぜそんな組織が乱立したか、それは初期段階で「認定受けて補助金もらうため」というのが正直なところです。けど補助金もらって一回しして、もうなんかあんま美味しくないから、やめよう、ってな話になってそのまま動いていない組織が多発してしまったのでしょう。

つまりは初期に制度作って、活用されないといけないから、予算というニンジンぶら下げたら、そのニンジン目当ての人たちばかりで、自ら稼ぎというような組織ではなく、いかに役所から予算をせしめるか、というような人たちが集まってきてしまったというわけでもあります。

なので、KPIがどうしたとか、PDCAのチェックを役所が厳格に行ったところで、法人が稼げるようになるわけではありません。チェックを受けているから売上が上がる会社なんてないわけです。笑

コンセンサス形成を重要視するというような話は、今後今までも幾度もあがっているDMOの財源を入湯税や宿泊税といったようなもので確保したい、といったような文脈によって、「公共性の担保」を優先するため、というのもあるのでしょう。上記のチェックも同様。

こうなっていくと、もはや地域にどれだけお客さんを連れてきて稼ぐか、ではなく、地域にきたお客さんたちが支払う入湯税や宿泊税をピンハネする団体という世界に入っていくのですよね。

経済学者の飯田さんもこのあたりにより専門的に触れて解説されています。

せめて独自事業で観光客を呼び込む施設や営業活動を行っている中で、地域から資金を集めるフェアな仕掛けとして税制度を使うならまだしも、特段イベントとか、大手企業との送客くらいしかやっていなかったりする程度の組織で税金で維持を続けるというのはおかしな話だな、と。

以下、このDMO政策関係のこれまでの展開と、昨今の観光税議論について日米の状況などを解説していきます。

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