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【AIRアーカイブ】なぜ大学は『地方創生』で生き残れないか

大学の地域貢献、と唱えられて久しいですね。最近数件相次いで大学関係で、いいこともあれば、なんなんだろこれ、みたいなこともあったのでツイッターであれこれつぶやきました。

最初に言っておきたいこととしては、もちろんいい大学もありますし、いい先生もいます。だからこそ地域系でうりを作ろうと考えるのであればそれはそれなりに覚悟して大学としても、一教員としてもやってね、ということです。

以下にまとめているのは結局4年前のコラムですが、地方創生一巡した今読んで、正直ほぼこの通りになったなと思います。提言の一部はコロナによって実現されたところもありますが。が、実現されない提言、課題はそのまま残っていると思います。たかだかCOCだのCOC+だのの予算規模で大学は救われないし、こんな予算有りきだけであれこれ地域にちょっかい出して、若い学生たちのリソースをだだ漏れで使って、地域はどうにもなっていないところが多発しているのです。

少なくとも予算なくなっても、身銭きって真剣にやってほしいなと思います。そこからか勝負なのではないでしょうか。大学が地域と共に行きていく上では。

私が高校時代、つまりもう20年前には確実に言われていて、そのような中で、自らそんなの無理だよと言われたりしていたことを型破りでやった関西学院大学の片寄先生という先生がいました。私が高校生の頃でしたが、早稲田商店会にもよく来られていたのですが、会う時は大抵は飲み会の席だったので(私は飲んでないですよw)真っ赤な顔していたのが印象的ですが、大学の中で研究室もって地域のこと、商店街のことなんて分かるはずはない、と言い切って、自分で研究室を研究対象の商店街の中に移動させたという人物。その模様は本になっているのでぜひどうぞ。

勿論これも今はないわけですが、学生に商店街の各店舗の商売の歴史などを聞いてまわったり、その事業の中身とかも整理したりしてフィードバックして、何かいわゆる「まちづくり活動」みたいな拠点でもなく、ちゃんと商店街の各店が自分なりの商売と向き合う機会にもなっていました。さらに全体としてもどうするかという議論もやっていた。双方にとってやりとり、密着したつきあいがあったわけです。

が、そうしたら、成功事例の横展開みたいな話になり、文科省が地域貢献すると補助金出します、ってな事業が始まったりしたんですよね。商店街ラボの流行です。けど片寄先生は反対されたり、そんなの無理と言われながらも自分で空き店舗につくったわけです。必要だと思ってやった。

一方で、予算が出るから、地域貢献しろというから、商店街の空き店舗にラボ作ったりしただけでは、本当に作っただけ。けど数年で予算は打ち切られて、結局次の事業に、という「補助金自転車操業」の取り組みが沢山ありましたが、そんなことやっている文科省の予算制度もクソですが、そういうかき回し方を地域で自分たちの存亡のためにやってしまう大学もまた、どうなのと思うのです。

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○ そもそも競争型資金って成果ではなく、予算獲得の不毛な競争。そこに巻き込まれる「地域」というネタ

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