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「効率化」という名の下の的はずれな公務員改革の結果が生み出したもの。

昨日飯田先生が柳井さん発言へのアンサーソング的なコラムを寄稿されていました。国際比較して、日本は十分に小さな政府になっていることを解説されています。

私もこの柳井さん発言には???ということで、noteを書いていました。ロスを少なく、人を安く、結果として商品も安く、という国際的なサプライチェーンでの人件費格差、材料費格差などで儲ける路線は短期的な企業経営としては良いでしょう。ただし、中長期的な経済繁栄というマクロにおいては、構造改革の名のもとに、人を次の成長分野に移動させるのではなく、単に買い叩く、解雇するだけを繰り返した無能経営者たちによって内需は育たず、結果消費市場全体はしぼんでしまう。デフレ地獄そのものでもあります。

○ 行政の誤った効率化が招いた不幸

行政には無駄がある、効率化が必要だ、という話は勿論私もそう思います。行政での仕事をみていて、こんなことやらなくていいのに、ということはあります。

減らすのに重要なのは「やるコト」なんですね。

つまり行政としてやらなくていい業務、手続きなどのタスクを「やらない」と決めていくことが改革なわけです。最近のこんなん窓口じゃなくてオンラインでいいよね、ハンコいらないじゃん、といったことは全くそのとおりです。住民属性から考えて窓口をゼロにすることは難しくても、ネット使える人はネットでやろう、ハンコは不必要にしようという話が成立して、効率化の歯車は動き出します。

ただこの時に結局邪魔をするのは、効率化にも投資する予算が必要ということ、さらにハンコなど何かをやめると言えば政治家が文句を言うという2つの問題が出ます。

オンライン化をするといっても結局膨大なシステム投資をして回していかなくてはならないわけですが、それは短期的に見れば支出が拡大する。窓口やっている役所の人を「じゃいらないので辞めてください」とできるかといえば、そんなことはできない。当然、ちゃんと働いている人を組織として不必要なので解雇します、なんて簡単にできるわけではないからです。それでは別の業務にあたってもらうということができればよいですが、そのためには教育投資をしなければ、ずーーっと本当に手続き的な仕事だけをしてきた人材には無理だったりするわけです。

こうなると、予算が足りないから行政改革といっていたのに、短期的には予算の支出がそれなりに必要になるわけですから、単年度予算の組織ではそれでは困るとなるわけです。選挙公約にでもしてしまっていたら、「成果が出ていない」と言われてしまう。

ハンコやめますと言えば、業界団体が出てきて反対する。政治家の中にはそれで日和る人もでてきて、議会とかでその改革について糾弾したりして動きがとれなくなる。一旦保留にして検討を続けましょう、なんて話になったりするわけです。

ま、つまりは行政改革において越し折れる要因は公務員の反対みたいなこともありますが、政治家がしっかりしていないということも往々にしてあるのです。

こうなると、結局てっとり早くできることって何か。

組織をいじること、もう一つはリストラすることです。

○ 人減らしを効率化と誤読

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