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【狂犬の本音+】地域事業でも、自分の人生にも役立つ、不動産投資の基本の「き」

地域活性化といえば自治体区分にこだわって、その全てを活性化するなんてことは日本のようにマクロの現状が厳しいところで、非常に難易度が高いものでもあります。とはいえ、特定エリアを再生していく、つまりはそのエリアに「住みたい」「事務所を構えたい」といったようなニーズを作り出して、経済活動の基盤を作り出し、平均所得が従来よりもあがるようなインパクトを作ることは十分に可能であります。

そのときに重要なのは不動産投資の基本でもありますが、日本においてはまちづくり分野で「不動産学」的なものを積極的に学び、都市計画と横断させるといったような取り組みはまだまだ少ないところです。実はリノベーションまちづくりの基本は不動産の視点なわけですが、あまり理解されていないところでもあります。だからリノベーションといっても、既存建築活用もあれば、新築開発も行うわけでもありまして、それはエリアの価値向上(=エリア単位での不動産価値の改善)をいかに行うか、という視点が基本になっていくわけです。

そんな中、大学の同期にあたる上田真路くんが建築を学んだ上で、まちづくりにも関心があり、ハーバードの不動産学を大学院で学んで帰ってきて日本で新たな学生寮を仕掛けたり色々と面白いことを始めたということで連絡があったので、言ってきました。ついては、彼がやっている不動産開発や学んだことをまとめた「ハーバード式不動産投資術」というこちらの本も読みまして、大変よかったのでぜひ多くの方に読んでほしいと思います。

そもそも米国にえけるエリアマネジメントは、ランドオーナーなどの不動産オーナーたちが中心となって、自分たちの持つ土地、建物の価値を高めるため、「エリア」単位での人気を作り出し、「エリア」単位での売上を作り、「エリア」単位でのコストを引き下げていくことで個別不動産では到達不可能な再生を目指すアプローチが多くあります。いわゆるBIDなどもそのための制度的な手段でしかありません。

しかし日本においてはまだまだこの不動産の価値創造であったり、そのマネジメント、はては適切なエグジット戦略までを包括しているものというのは本当に乏しいところです。私の取り組む中でも、やはりエグジットの部分は弱いところでもあり、ここはむしろ今後ローカル系の様々なプロジェクトで開発段階での調達の問題以上に、エリア変革において大切になるポイントだと思って、ちょいちょいそこにつながるような仕掛けを皆で模索しています。

上田君の著書などにかかれているフレームも意識しつつ、私なりにまちづくりと不動産における話を整理したいと思います。

同時に、上田君との対談動画も末尾につけておきますのでどうぞ。彼のUShare早稲田という国際学生寮で生活する学生さんたちからの質疑も大変有意義でした。優秀な学生さんたちの質問はどんどん出るので楽しいっすね。

○ BOE分析の徹底と、客付けによる根拠作り

BOE分析とは、Back of Envelope つまり封筒の裏という意味らしいですが、まずは不動産取得前にかんたんな目算を自分でやってみる、というお話だそうです。なるほど、たしかに地域分野での物件取得、再生プランを組み立てる時にやるけどそんな名前があるとはw

取得する物件において、満室時家賃収入を想定し、その上で空室率でストレスをかける。これは私の鉄則解説でもいつもしているところ。同時に衰退地域での投資の場合には満室時家賃収入はまずはBOEレベルでは期待値を書くとしても、実際の値にならないと事業計画は大変なことになるので、客付けを先にやっていく逆算徹底で重要。

同時に、不動産の取得などのPM、およびメンテナンスであるBMにはコストがかかる。これらを統合してOperating Expenseといって、OPEXと呼ぶわけですが、ここもしっかり見込む必要があります。同時に、後で解説しますが、エリア単位での事業をすすめる上では個別物件で実施不可能なOPEXの削減方法を作り出せるのも重要なアプローチになります。

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