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【AIR】12年で忘れ去られた、津波被害の教訓。子供に老人避難を練習させる地域防災の狂気と美談にするメディアの愚

地域防災に関して、私も早稲田商店会時代から東大地震研の皆さんとの防災キャンプなどの企画など参加したりしてきたので、あれこれ思うところがあります。さらに東日本大震災後の被災地、そして復興事業についても一部関与させて頂いたところもあり、非常に強く学んだ内容があります。

そんな中、NHK高知が南海トラフ巨大地震に向けた避難訓練の模様として、高知県での取り組みで「小学生に高齢者を助けさせる」という訓練をやっているというのを美談で伝えていて、世の中でもちょっとした騒動に。その後に、内容を改変したりしています。

12年前にあれだけ映像でも到底個々人の努力などではどうにもならない、自然の力を見せつけられているにも関わらず、最近では当時の津波映像はショックが大きいということであまり公共電波で流されることもありません。

おそらく学校教育とかでも当時の映像などを見せることは控えているケースも多いのかもしれませんね。だからこそ、こういう牧歌的な避難訓練が「良いこと」にされるのでしょう。

私は災害救助など含めて非常時においては平時の「美しいこと」「正しいこと」なんてきれいごとは成立しないということを前提に考えるべきと思っています。何より未来ある子どもたちの命こそ優先されるべきであって、彼らが逃げること以外に注力することなどは決して誘導すべきではないと思っています。

いいですか、全てに優先されるのは子どもたちの命です。全力で逃げたとしても間に合わないかもしれない津波の力を忘れてはいけません。

○ 津波の持つ恐ろしさ、も12年ですでに忘れている人が多数いる

死が遠い存在になっている現代において、我々人間がどんなにきれいな心、率直な気持ちで、善意をもとに行動しても、死んでしまうなんてことは到底受け入れがたい、あってはならないこと、だと思ったりしていますね。

しかし、現実は自然を目の前にしたり、強大な地獄のような境遇の前には個々人の善意などはなんの力も持たないこともあるのです。

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