建築に求められる、経営力とは何か〜経営による制約を理解するからこそ生まれる、クリエイティビティと新たな信用〜

今朝、以下のようなツイートがありまして、私なりにリプライをしていたのですが、久々に若い建築の仕事をしている方や、建築学生の方とかに対するツイートだった気がしています。最近、なんか遠ざかっていたような気が。笑

早いものですが、2012年に新建築で連載をもたせて頂いたことがありまして、その時のテーマもまちづくりと経営の視点から求められる、新たな建築のお話でした。東大の建築学部で非常勤を二年やらせて頂いたこともありましたが、同種の講義をさせてもらったのですが、その時にも建築学生は非常に熱心に質問をしてくれたのですが、先生方にお聞きすると建築離れはもう随分前から始まっているから、講評とかも優しくしているという話でもありました。建築学部に嫌な思い出を持ったまま卒業し、建築の仕事に就かない人も多い中で、建築がネガティブに捉えられないようにしなくてはならないという話を専任の先生が言われていたのは大変示唆的でもあります。

さて、その時代から比較してもさらに様々な形で地域で建築の知識・経験を持つ人が、様々な形で活躍することが多くなりました。

ちょいと前になりますが、広瀬さんと書かせて頂いた「まちづくりデッドライン」は、日経アーキテクチャ編集でもあるので、建築の視点が踏まえられた内容にもなっています。建築プロデュースの視点からみたエリア再生と、経営的視点からみたエリア再生の解説を組み合わせたものです。

物理的なフィールドを何らかしらで動かすことの多い地域分野ですので、建築の基礎的なスキルがあることは非常に能力としては役立つことも多くあります。とはいえ、お金についての教育が建築のみならず大学を含む学校で積極的で行われるわけではないので、実務として建築がどのように経済活動で役割を果たしているのか、理解できない場合もあるので、そのあたりは改めて掘り下げて考える作業はいるのでしょう。

○ 事業サイドの視点から見るべき、建築の要素

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