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TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション(国立近代美術館)


1 + 1 + 1= ∞!

美術館の危機である。減らされる予算、コロナ禍で落ち込んだ入場料収入、これから盛り返さなければいけないのに、有名どころを集めた豪華企画展をやる財源もない。どうしよう?

せや!似たような境遇の国立美術館が力を合わせればきっと華々しいものになるぞっ、みなさんけっこういいモノ持ってるじゃん。パリも巻き込めばおしゃれ感が出るじゃんジャン・バルジャン! みんな!オラに元気を分けてくれ!

テテテテテテ…フュ〜〜〜ジョン!
はっ!!!(元気玉とフュージョンが混じってる)

こうして生まれた企画? 3施設寄れば文殊の知恵? いろいろ調整のご苦労もあっただろうが、とても楽しめました。


ほぼすべてが撮影可能の大盤振る舞い!

ちと注意書きも

なるほど、所蔵先が必須なのはそこへまた後日訪問して欲しい宣伝かな

TRIO展

《郵便配達員》佐伯祐三 1926年
大阪中之島美術館

体が傾いてるので写真も傾けてみた。佐伯さんの作品で一番有名かもね。パリの佐伯さんちにたまたまきた郵便屋さんに「モデルになってくんね?」と頼み込んで描かせてもらったとか。あの「5:55」*といい、画家さんってそういうのボチボチあるのかね。ゴッホのなんとかおじさんが頭にあったのかな。

*《5:55》 生島 浩(2010年) の記事はこちら

表情はよくわからないけどおじさんの頭には「なんでワシなんかを…???」という???マークがいっぱい浮かんでたんだろうな。

左目がなんか傷ついているのだけどわざとなのか、保管中に事故ったか?

小出楢重《街景》1925年
大阪中之島美術館所蔵

あ、昔の東京駅だ。建て替えのときに関係者が参考にしたかも。
おっと、ちげーよw。これ大阪の風景だ。私がかつて働いていたとこの近くだ。よく見てたはず。バカですいません…

佐伯祐三
《レストラン(オテル・デュ・マルシェ)》1927年
大阪中之島美術館所蔵

また佐伯祐三だ。この人をまとめてちゃんと見るのは初めて。

一昨年?大回顧展が中之島美術館であった時大阪に行けなかったのよね。惜しいことをした。またやんないかな。

まぢかでみると絵ぢからを強烈に感じる。さっきの郵便おじさんは歪んでいたけど、こっちはテーブルの配置なんかはきっちり正確に描いてるね。少し離れて見たほうがリアルに迫ってくる。

古賀春江《海》1929年
東京国立近代美術館所蔵

オトコだったのかハルエ。こないだ板橋で見たっけ。こっちは撮影おけなんだなまた美術館のふしぎ。


ジョルジョ・デ・キリコ
《慰めのアンティゴネ》1973年
パリ市立近代美術館所蔵

これまたこないだは撮影禁止だったのに。購入すればその絵は撮影おけかと思ったら購入作品でも撮影NGがあるのはなぜなの?

晩年の作品。この頃のデ・キリコはマネキンに表情付けちゃってんだよな。慰められてる方には横にひびが入って涙の跡みたいで、慰めてる方はお目々みたいなふたつのポッチが付いて悲しそうに見える。これじゃまるっきりマンガっぽい。日本の能面みたいに謎めいたところがいいのであって、わかりやすい工夫付けちゃったらみんな台無しにならないだろうか。むむ?これはある意味自己パロディーなのかな。


コンスタンティン・ブランクーシ
《眠れるミューズ》1910-1911年頃
大阪中之島美術館所蔵

ブランクーシは能面の意識があったのかどうか。今度アーティゾン美術館でじっくり見てくるか。

🦋🦋🦋

撮影不可だったが、ヘンリー・ダーガーが出てくるとは思わなかった。

大昔見に行ったっけ🦋


ラウル・デュフィ
《電気の精》1953年
パリ市立近代美術館所蔵

「10点組のカラー・リトグラフ。1937年のパリ万博のために制作された巨大壁画の縮小版」とのこと。

古今東西の偉人たちが描かれてるみたい。よく探したけど、日本人というか東洋系はいないような…。そういう趣旨なのかな。
今度の大阪万博ではなにか後世に残るもの作られるのかな。


藤田嗣治 (レオナール・フジタ)
《五人の裸婦》1923年
東京国立近代美術館所蔵

フジタさん! おねえさんがた、みんなジョジョ立ちしてるね。まわりのキャノピー? カーテン? の模様も見逃せない和の心。

呼び物の横たわる美女3連発

左から
アンリ・マティス 《椅子にもたれるオダリスク》 1928年
パリ市立近代美術館所蔵

萬鉄五郎 《裸体美人》1912年
東京国立近代美術館所蔵

そして

アメデオ・モディリアーニ
《髪をほどいた横たわる裸婦》1917年
大阪中之島美術館所蔵

エッろ。オオサカもかなりいろんなモノ持ってたのね。橋下さんに売り払われなくてよかった。

ちなみにマティスの絵はこんなカレーになっている。

会場のお土産売り場で見掛けて(買わなかったけど)「こりゃ“面白い恋人”のノリかな?」とワロタ(でもこのマチスの絵は大阪の所蔵品ではないんだな)。
マティスもご自分の作品がはるか極東でこんな使われ方されようとは夢にも思わなかっただろう。

そして出たな天敵!

マーク・ロスコ
《ボトル・グリーンと深い赤》1958年
大阪中之島美術館所蔵

大阪中之島美術館こんなもんも持ってたんだ。以前ここ(国立近代美術館)でロスコを見かけてちょっと気に入りかけたのはこの作品だったかな。

タイトルが「無題」なので違うようだ。今回はあの時と同じような感覚はなかったので助かった(何が?)。

しかし芸術的な意義はなんとなくわかるがこの左官屋さん画風で数(数十?)億円するってのはやっぱり理解できん。

映像作品もいくつか

百瀬文
《SOCIAL DANCE》2019年
大阪中之島美術館所蔵

同居する(夫婦?)耳の聴こえない女と聴こえる男性の意見のすれ違いの一コマ。なかなか盛り上がる。これって身障者の問題じゃなくて男女間のすれ違いだよね。Twitterでよく出てくるフェミ批判論争みたいなのでやや食傷気味でもあるが見いっちゃうなあ。

🍦

企画展はこれで終了。さて一休み。外に来ていたキッチンカーのジェラート食べて常設展へ。

🍨

常設展へ!

(こっちも見て、値上がりした入場料のもと取らなきゃ!)

マドハンドか現れた!✋

高村光太郎《手》1918年
完全に一致!

こんなバカなことするのもなかなかいないだろう(でも指をおなじようにするガイドがそばに載ってんだもん)。

テラスがあって皇居周りを眺めることが出来る。忘れてたけど桜の時期に来たらここも壮観だろうな

お子さんとかが見学に来る想定でもしているのか懇切丁寧な解説がところどころに。

面相筆ってこういうものだったのか
藤田嗣治《自画像》 1929年

その筆で描いた?自画像。

また佐伯祐三さん。

佐伯祐三《パリ雪景》1925年頃

かと思えばお隣にまた佐伯さん??

佐伯米子 《シャルボン》1925-26年

御夫婦だとか。ありゃそうなのか。でもこうして並べられるとお墓みたい🪦

金山康喜さん!

《アイロンのある静物 》1952年

メナード美術館で出逢った画家。またビンの絵だ。テーブルかと思ったらアイロン台か。そこになぜかビンと帽子🎩
小物を右端に寄せてる。上でプランプランしてる四つの電球。明かりは点いてない。そのかわりにガラスビンが夕日を浴びて輝いてるのか。

こんだけなのになんで見ていてこんなにおもしろいのか? 不思議な画家なんだよね。早逝されてしまったらしく、その後の進化をみてみたかった🫙

パリはムリとして中之島美術館巡回の方も追っかけてみようかな。独自の展示レイアウトとかあるかも。

日米抽象美術展(1936年)

おっと、これに触れるのを忘れていた!

90年近く前にここで開催された企画展らしい。

VRっぽく会場を再現! まだ現存する作品はリアルに展示されていた

解説ボードがなかなか香ばしい…。

これもどうなんだろうなあ…
ここの解説はわかりやすかったと思う

竹橋に行かれることがあればここもついでに覗いて欲しい。

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